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ヴェネツィアの獅子たち

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Reiko Fujiwara Marini

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2007/12/28
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カテゴリ:暮らし
 ナポレオンが「世界一のサロン」と讃え、詩人ミュッセ(1810-1857)が、「世界の大広間」と表現した、サンマルコ広場ですが、連日ゴミとの格闘の場でもあります。この街を訪れるほとんどすべての人が目指す場所であるため、人の数に比例して当然ゴミの量も増えていきます。
 このサンマルコ広場では、歩きながらの飲食、地面や石段に座っての飲食は禁止されています。そのたびに落とされる、ペットボトルや食べ物の残りかすが、広場を汚すのを避けるためで、特にパンやクラッカーなどの食べ残しは、ハトのかっこうのエサになり、ハトのフンの被害を広げることになるからです。広場のハトのエサ売り業の人達も、いずれ廃業することが決まっています。
 物価の高いこの街の、まして観光客向けのレストランに「危険をおかして」入るより、サンマルコ広場でパニーノでも、という気持ちはわかるのですが、サンマルコ広場では食べられません。(広場をラグーナに向かって抜けると、見晴らしの良い場所がたくさん見つかります。)
 しかしこの「サンマルコ広場での飲食禁止」もようやく自治体が腰を上げたばかりで、まだまだ浸透したとは言えません。観光客の中でも一番マナーが悪いのが、イタリア人です。実際に広場で飲食をしている人へ注意をするために、自治体から派遣されているパトロール員に、『えー、なんでダメなの?ローマではいいのに!』などと文句をつけるのはたいていこの国の人間なのです。

 イタリアには、世界遺産の60%があると言われています。日本より小さなこの国に、世界の6割があるというのはものすごい量です。イタリア中歴史的価値の高い遺産だらけで、掘ればまだまだローマ時代のものがわんさか出土するでしょう。その絶対的な豊富さのため、歴史的価値は当たり前となってしまい、セメントの電柱と大理石の円柱の差別も出来ない人も多いのです。
 国立公園でも歴史的地区でも、観光客がマナーを守るのはもちろん必要ですが、まず第一にその土地の人間が、遺産を大切にする、街をきれいにする、意識なくしてどう外部の人間に要求出来るでしょう。ヴェネツィア人も御多分にもれず、豊かさ故の無神経で自分の街を扱っています。石畳の至る所にある、放置された犬のフンを見るだけでそれはわかります。

 ちなみに、観光客で一番マナーが良いのは、もちろん日本人です。





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Last updated  2007/12/28 08:18:41 PM
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