バンクーバーの自動車文化
バンクーバーのカルチャーセンターで教えるピアノ教室は夜の8時半に終了する。中国人、韓国人、イラン人、ヨーロッパ人と、生まれた国の違うカナダ移民の子供さん達相手に今日もピアノを教えてきた。昨年まで教室があった市の建物は現在取り壊されて、新しく建直すために、地ならしをしている最中だ。その為現在は、すぐ近くの建物を仮に使って教えている。昼間は保育園に使われている建物である。この建物の掃除係りのおじさん、と言っても市の職員だが、午後8時半のプログラムが終了すると同時に、この建物にやってきて掃除を始める。その白人のカナダ人が良く話しかけてくる。今日の話題は車の話になった。「1984年製の車が古くなったので買い換えようと思っている。アメリカの車よりトヨタやホンダの方が性能が良いので日本車を考えている。」と言う。あいにくその1984年制が何と言う車か聞き逃した。私を日本人と知ってMade in Japanにお愛想を言っている訳ではない。このおじさんはお金に細かい人なのだ。本気で日本車を買おうと思って本心を語っているだけなのだ。21年間も同じ車に乗ってきた人だ。毎朝留学センターに通勤するためにダウンタウンオフィス行く。父が車を運転して行くのだが、月ぎめのパーキング場に入れる。6階建ての車の大群を毎朝見ているが、その6割方が日本車なのだ。日本人として大変嬉しいのだが、アメリカの自動車産業崩壊を予想すると怖くなる。余談、カナダは車検が無いので大概の人は18万キロくらいまで乗って中古車屋さんに持っていく。トヨタやホンダなら$8、000くらいで引き取ってくれる。つまり日本車がカナダやアメリカで良く売れる理由は、ガスを食わない、故障しない、それに中古車屋が高値で買ってくれるからだ。その為カナダ国の盗難車のナンバーワンは名誉な事にホンダのシビックだとバンクーバーサン紙Vancouver Sunと言う地元紙は言う。さらにカナダで一番多く車が盗難される町はバンクーバー市の南のサレー市だとも書いていた。そこでサレー市の事に話が移る。この町は大バンクーバーの南の南にある。日本人がバンクーバーに来る時は「バンクーバー空港」に着くが、その位置はダウンタウンの真南だ。リッチモンド市の西側に位置する。そのさらに南にサレー市がある。と言うことはダウンタウンよりすさまじく南の南の郊外にあることになる。ところで、日本の高校留学生のご両親がよく、私の運営する留学センターに「日本人留学生のいない高校に子供を入れたい。」と希望を言ってこられる。カウンセラーとしては言われた通りに右から左に「ああそうですか。」と言って、サレー市の様なバンクーバー郊外の高校を手配すれば済むのだが、私はウエストバンクーバー地区の高校を勧めている。留学生の安全を考えるとそうなってしまう。日本人留学生がいないのには、それなりの理由がある。だから留学の場所探しの中で、日本人のいない所を留学生やご両親が希望されるのは的外れだと思う。先ほどの自動車泥棒の例を持ち出したが、他に強盗、人殺し等の犯罪発生率はウエストバンクーバー市とは比べ物にならない程高いのだ。町の北が安全で南が怖い。この現象は、これまで私が住んだ町々がそうであった様に何か法則がある様だ。それは町の北部が豊かな層が住み南部が貧しい地区なのが原因だ。オーストラリアのシドニー市とゴールドコースト市、日本の大阪市と京都市、そして大バンクーバー。その答えは多分こうだ。陽の当たる北側が健康に良く気持ちが良い。その為人が好んで住む所となる。そこで商品の需要と供給の法則が働き、その地区の地価が上がる。上がると金持ちしか買えなくなる。それで町の北部に高所得者が固まって住むようになると言うことか。バンクーバーの一番北に住む人々はホメイニ革命を逃れて来たイラン人と、香港の北京政府への返還で逃げ出した中国人が大勢すむ所となっている。私のピアノの生徒はその移民層から来ている。教室には歩いて来ずに親が必ず車で送迎する。レクサス、ベンツ、ジャガーで来る。私はシビックに乗って来る。自宅の近くのウエストバンクーバー高校でも生徒がジャガーで先生はカローラだ。---------------------------------------------------------------------カナダ高校留学は、カナダ留学センターCanada Guidance へhttp://www.canadaguidance.com/---------------------------------------------------------------------