タナトスのフラミンゴ

2006/03/20(月)04:27

春宵一刻価千金

もう春。あと2回眠れば、春分の日である。 春分の日には、人一倍思い入れがある。というのも、龍が天に昇るとされるこの日に、私は大切な人を二人、なくしているからである。そのため、この日は、喪にふくすことと決め、近くのお寺に足を運ぶことが例年のならいとなって久しい。 私の四柱推命の命宮は、辰の支配を受ける。龍が天に昇るこの日に、大切な人を二人もなくすというのも何かの因縁なのだろう。 本当なら、その方々が眠る場所に行くべきなのだろうが、残念ながら、その場所を知る術を私はもたない。 お二人に会いに行くのも目的の一つだが、若くして逝った知人、お世話になった方々、そして可愛がっていたベットたちなど、自分の心にずっと生き続けるであろう彼らに会うためという目的もある。梅は既に咲き、桜がこれから咲こうというこの季節、1年のうちでも希望にあふれ、とても美しいこの時期に、ほんの少し悲しい気持ちになるのは、そんな理由があるからだ。 そんなことを考えならが、しょんぼりしていたのであるが、今日は、ディープインパクトと野球に救われた。 昨年のクリスマスに行われた有馬記念は、羊の日であった。ディープは、羊の日とあまり相性がよくない。私にとっても、羊の日は悲しいことが起こりやすい。なんとなくイヤな予感がよぎる。しかし、12日前の同じく羊の日、靖国神社に祀られている母方の叔父の祭神之記が2つ届いた。 私が生まれる前に戦争により遠い外国の戦地で20代半ばという若さで亡くなられたため、顔も知らないし、昨年、名前を初めて知った叔父様方である。その叔父様方が羊の日に来てくれた、ということが偶然とは思えなかった。私の希望を叶えてくれるのではないかと、そう感じた。 そのため、今回のディープの出走も今度こそ鉄板と確信ができた。そして、WBDの日本代表が勝つことができれば、ディープも100%大丈夫と感じていた。 そのWBDの対韓国戦、途中45分、雨による中断があったため、日本が勝つ瞬間とディープの出走時間がまったく同じとなってしまった。もちろん、お約束どおり、どちらも快勝である。やはり、この世に偶然などない。すべては仕組まれていること、必然なのだとつくづく思わずにはいられなかった。 日本の奇跡的ともいえる決勝トーナメントに進めた結果は、イチローという天才の気迫にあったような気がする。クールと言われ、あまり感情を表にだすことのない、この孤高の天才が雄叫びをあげ、敗戦に対して屈辱と吐き捨てた、その強い気持ちが今日という日を迎えることができたのではないかというと言い過ぎのような気もするが、人の気というのはあなどれない。何か見えない力を引き寄せることは十分だった気がして仕方がない。もちろん、王監督をはじめ、他の選手の気持ちもあったのだろうとは思うけれども。 ともかく、今日という日は、一人と一頭の天才が、その力を鮮やかに見せてくれた日として、私にとってはずっと記憶に残る日となるのだろう。 そんな喜びをかみしめる私に対して、春の宵はゆっくりと穏やかに過ぎてゆく。 オリンピックが終わってからというものの、厚かましい男たちに10回以上にわたってイヤだと断り続けた仕事をついに引き受けさせられ、またしても超多忙の毎日が続き、悪態をついていた私であったが、昨日から今日にかけて、月が蠍座を運行し、太陽が魚座にあったため、木星の力が強まり、久しぶりにゆっくりとした時間を過ごすことができた。 4月14日には、太陽が興となる牡羊座の光りを受けて、天秤座の満月を見ることができる。仲秋の名月もいいが、私は、この4月の満月がとても好きである。まさしく春宵一刻価千金という言葉をしみじみとかみしめられて、幸せな気分にしてくれる、本当に貴重で美しい季節がやってきたと思うと自然の恩恵に感謝せずにはいられない。

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