「思考と直覚」人間の霊魂を思考/スピノザ71
「思考と直覚」人間の霊魂を思考/スピノザ71 17世紀には宗教改革によって教会の権威が地に堕ちた時期に、紀元前1世紀頃のギリシアの懐疑論者ピュロン、著作は残されていないが「ピュロン式議論」などが歴史資料から見い出されることで知られてます。其の懐疑論の立場について同じく著作は残されていないが、クノッソス出身で10の根拠 (トロポイ) を掲げたことで有名アイネシデモスが発展させたピュロン主義が、宗教改革によって正教会の権威が地に堕ち、思想的には実存主義や唯物主観よりもピュロン主義が復活して再現されています。彼の哲学の目的は、プラトン創立のアカデメイアがアンティオコスの影響下で失った懐疑主義を再興をすることにありました。懐疑派のモデルになった10か条の懐疑の方式であるトロポイを掲げたことで有名です。10か条の懐疑の方式トロポイ(tropoi)とは,人間の感覚や知識とは、(1)動物各種族の身体構造、(2)人間各個人の体質、(3)各感覚器官の構造、(4)生理心理上の条件、(5)対象の位置、距離、場所、(6)感覚の媒体、(7)対象の量、(8)できごとの頻度、(9)文化、習慣、法律、の定型化(10)あらゆる知識は相対的であるとしたところに得意性があり、「もの」の本性の確実な知識は不可能で、判断中止(エポケー)を提唱し因果性も否定したことは、インドの龍樹の「空論」を想起させます。哲学・思想 ブログランキングへ