時間の陥穽50
素粒子とは通常的には物理学上に於いて、それそのもの以上は分割、分解できないものとして、核としてのエネルギー元の爆発後の大宇宙の誕生・生成時から姿を変えず、同じ数だけ存在し続けているものとされると思われがちですが、今時の現代科学の観測では素粒子が大宇宙世界から突如生じたり、消失したりする現象、それ以上は分割、分解できないものである筈のものが、突然に世界に現れたり、消失する、即ち無と帰したりする現象が観測され、更には、素粒子から別の素粒子が生まれたりと、とてもながら物質の最小単位とは思えない現象が観測され「物質の最小単位は素粒子である」というのも甚だ頼りないものとなっています。素粒子が宇宙から生まれたり消えたり、ふたつの素粒子から別の素粒子が生じたりと、観測科学では何でもありな現象がみられ、もはや、常識的な「物質の最小単位は物質である」という見解は通用しません。アインシュタインの有名な公式E = mc^2、つまり質量のあるものは、エネルギーでできているとも受け取れる式が頭を掠めます。何故なら、物質を何処までも々、小さく更に小さく分解していくと、やがては物質とエネルギーを判別できなくなります。それが量子であって「粒子と波の両方の性質(Wave–particle-duality)を持つ」と云われるものです。光子が代表するように其の「波動」はエネルギーであって物質ではありません。素粒子をさらに物質として分解することはできず、その先は完全に波、つまりエネルギーになってしまうということなのでしょう。仮に時間がエネルギーそのものならば「時間」こそが世界の根元だということになり「初めにに言葉ありき」は「始まりに時間ありき」に換言されます。
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