時間の陥穽179
ブラックホールの熱力学の解釈は、ホーキング放射(Hawking radiation)またはホーキング輻射、スティーヴン・ホーキングが存在を提唱した、ブラックホールからの熱的な放射のことで「ブラックホールは熱的な特性を持つだろう」と予言したヤコブ・ベッケンシュタインの名前を取って、ベッケンシュタイン・ホーキング輻射(Bekenstein-Hawking radiation)と呼ぶこともある理論ですが、そこにはブラックホールが最終的には蒸発する、我々のブラックホール観の常識を覆す理論ですが、そもそもが、ブラックホールの「蒸発」とはいったいどんな現象なのでしょうか。ブラックホールの生涯は、星の終末がその質量によって異なることの様相に関わります。すなわち約0.08太陽質量より小さい星は太陽にはなれない。約0.08太陽質量から約4太陽質量の星は、最終的に白色矮星になる。約4太陽質量から約8太陽質量の星は、超新星爆発を起こすが、粉々に砕け散って後には何も残さない。そして太陽質量の8倍より大きな星が超新星爆発を起こしたときに、中性子星やブラックホールが残されるのです。ブラックホールが最終的には蒸発するホーキング放射が事実ならば。ブラックホールもやはり誕生と終末を持つ訳です。
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