時間の陥穽207
時間の無限性とは一体何ものなのか。我々の頭脳ではなかなかに解明の先が見得ず難解です。「無限時間の相」は、語彙的には何となく理解したつもりでも、その本質を問われれば数多の人間は返答に窮します。時間が「永久無限」に存在するということは、逆説的に捉えれば「瞬間」が無限であること「永遠の瞬間」を意味します。此処から導かれるのは、時間が流れるにしても物質的実体は現実態を帯びるのは、今現在の「実体」としては瞬間に存し、過ぎた過去は天文物理科学が640光年光年離れたをベテルギウスの超新星爆発を観測したにしろ、光子の齎す悪戯に過ぎず、残像のみの幻像であり、実体ではありません。「絶対的存在」を認めない限りにおいては時間そのものが幻想であり、実相としての時間は存在していないということになります。大宇宙の本質、世界としての絶対世界とは、時間も無ければ空間も無い、時空を超越した根源の世界であり、そこには只々、「永遠(とわ)の現在」、「今」という名の「永遠(えいえん)の時」があるだけなのです。「根源の世界」とは時間も無ければ空間も無い「点」であるのが実体なのでしょうか、将又、其の「点」は何らかの方向性を抱くものかは思想分野を問わず究明すべき課題です。
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