時間の陥穽427
史上に記録として著されてきた人類の思考は、対立する思考を左顧右眄しています。然し乍ら、其の対立のなかから互いに其れ其れの矛盾を追い詰めて、中間の即ち相互の思惟を合成した思考が生まれ発展してきた結果が現代の思考に至っています。物理科学的には量子論や一般相対性理論も其の例に漏れません。現代今の宇宙論にあっては、相い対する物理科学であった相対性論及び量子論双方の矛盾を解消すべく期待を持って登場したのが量子重力理論(quantum gravity theory)も量子論と一般相対性理論の対立から、相互の思惟を合成した思考へとの経過を踏んでいます。此の理論を一口で述べろと云えば、重力相互作用(重力)を量子化した理論であるといえます。量子重力理論は単に量子重力(Quantum Gravity(QG), Quantum Gravitation)または重力の量子論(Quantum Theory of Gravity)などとも呼ばれています。我々が教育機関に必須の要件としての基礎づけとして教わった数学や幾何学及び物理学。我々現代人は、その常識たりえた基底が崩壊するターニングポイントに立ち会っているのかも知れません。
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