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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年02月25日
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カテゴリ:夢有無有
神の存否-331
 スピノザは人間の精神の愛の脆さと「神の愛=神への愛・神からの愛の確信」との相違を強調します。人類史における人間の「愛」とは、人類言語の数ほど意味合いは異なり、「愛」が持つ語彙は古今東西、事程左様に人間の世界観によって複雑多様になります。
 定理三一 もし我々が自分の愛し、欲し、あるいは憎むものをある人が愛し、欲し、あるいは憎むことを表象するならば、まさにそのことによって我々はそのものをいっそう強く愛し、欲し、あるいは憎むであろう。これに反し、もし我々が自分の愛するものをある人が嫌うことを、あるいはその反対を、すなわち我々の憎むものをある人が愛することを表象するならば、我々は心情の動揺を感ずるであろう。
 証明 ある人があるものを愛することを我々が表象するなら、単にそのことだけによって我々はそのものを愛するであろう(この部第三部の定理二七 我々と同類のものでかつそれにたいして我々が何の感情もいだいていないものがある感情に刺激されるのを我々が表象するなら、我々はそのことだけによって、類似した感情に刺激される。により)。ところが、もともと初めから我々はそのものを愛していることが仮定されている。だからもとの愛に対して、さらにその愛をはぐくむ新しい原因が加わることになる。したがって我々は自分の愛するものを、まさにそのことのために、いっそう強く愛するであろう。次に、ある人があるものを嫌うことを我々が表象することによって我々はそのものを嫌うようになるであろう(同じ定理二七により)。ところでもし我々が同時にそれを愛していると仮定するならば、我々はその同じものを同時に愛しかつ嫌うであろう。すなわち我々は(この部第三部の定理一七の備考 要論:同一対象が多くのかつ相反する感情の原因となりうることを容易に理解することができるのである。を見よ)心情の動揺を感ずるであろう。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 系 このこと定理三一、およびこの部の定理二八(我々は、喜びをもたらすと我々の表象するすべてのものを実現しようと努める。反対にそれに矛盾しあるいは悲しみをもたらすと我々の表象するすべてのものを遠ざけあるいは破壊しようと努める。)の帰結として、各人は自分の愛するものを人々も愛するように、また自分の憎むものを人々も憎むようにできるだけ努めるということになる。こんなところから詩人プーブリウス・オヴィディウス・ナーソー(羅語: Publius Ovidius Naso/ 紀元前43年- 紀元後17年 または18年/帝政ローマ時代最初期の詩人の一人。共和政末期に生まれ、アウグストゥス帝治下で平和を享受し繁栄するローマにて詩作を行った。一般にギリシア・ローマ神話の集大成と受け取られている)のあの言葉も出てくる。
  我ら愛する者はかつ望みかつ恐れようよ、
  他人の捨てるものを愛するなんて野暮なことだ、       (オヴィディウス) 
 備考 自分の愛するものや自分の憎むものを人々に是認させようとするこの努力は実は名誉欲である(この部の定理二九の備考 ただ人々の気に入ろうとする理由だけであること差したり控えたりするこの努力は名誉欲と呼ばれる。ことに我々が、我々自身あるいは他人の損害になるのも構わずにあること差したり控えたりするほど熱心に民衆の気に入ろうと努める場合にはそう呼ばれる。しかしそれほどまででない場合は鄭重と呼ばれるのが常である。次に我々を喜ばせようとする努力のもとになされた他人の行為を表象する際に我々の感ずる喜びを私は賞讃と呼び、これに反してその人の行為を嫌悪する際に感ずる悲しみを非難と呼ぶ。を見よ)。このようにして各人は生来他の人々を自分の意向に従って生活するようにしたがるものであるということが分かる。ところで、このことをすべての人が等しく欲するゆえに、すべての人が等しくたがいに障害になり、またすべての人がすべての人から賞讃されよう愛されようと欲するゆえに、すべての人が相互に憎み合うことになるのである。



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最終更新日  2022年02月26日 02時19分33秒
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