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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年05月04日
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カテゴリ:絶対存在論
神の存否-399
 定理一二 現在に存在しないことが知られているがなお可能的として表象される物に対する感情は、その他の事情が等しければ、偶然的なものに対する感情よりも強い。
 証明 我々は、ある物を偶然的として表象する限り、その物の存在を定立する他の物の表象像に刺激されることがない(この部第四部の定義三 我々が単に個物の本質のみに注意する場合に、その存在を必然的に定立しあるいはその存在を必然的に排除する何ものをも発見しない限り、私はその個物を偶然的と呼ぶ。により)。むしろ反対に(其れが想起させる仮定に従い)、その現在的存在を排除するあるものを表象する。ところが我々は物を未来において可能的であると表象する限り、その物の存在を定立するあるものを(この部第四部の定義四 その個物が産出されなければならぬ原因に我々が注意する場合に、その原因がそれを産出するように決定されているか否かを我々が知らぬ限り、私はその同じ個物を可能的と呼ぶ。により)、言いかえれば(第三部定理一八 人間は過去あるいは未来の物の表象像によって、現在の物の表象像によるのと同様の喜びおよび悲しみの感情に刺激される。により)希望あるいは恐怖をあおるあるものを表象する。したがって可能的な物に対する感情の方がより強いのである。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 系 現在に存在しないことが知られているがなお偶然的として表象される物に対する感情は、我々がその物を現在我々の前に在ると表象する場合よりもはるかに弱い。
 証明 現在に存在すると我々の表象する物に対する感情は、我々がその物を未来的として表象する場合よりも強いし(この部第四部の定理九の系 未来あるいは過去の物の表象像、言いかえれば現在のことは度外視して未来あるいは過去の時に関連させて観想する物の表象像は、その他の事情が等しければ、現在の物の表象像よりも弱い。したがって未来あるいは過去の物に対する感情は、その他の事情が等しければ、現在の物に対する感情よりも弱い。により)、また我々がその未来の時を現在からはるかに遠く隔たっていると表象する場合よりはさらにいっそう強い(この部第四部の定理一〇 我々は、速やかに出現するだろうと表象する未来の物に対しては、その出現の時が現在からより遠く隔たっていると表象する場合よりもより強く刺激される。また我々は、まだ遠く過ぎ去らないと表象する物の想起によっては、それがすでに遠く過ぎ去ったと表象する場合よりもより強く刺激される。により)。このように、その存在する時が現在から遠く隔たっていると我々の表象する物に対する感情は我々がその物を現在的として表象する場合よりもはるかに弱いのであるが、それにもかかわらずその感情は(前定理第四部 我々が必然的として表象する物に対する感情は、その他の事情が等しければ、可能的あるいは偶然的なもの、すなわち必然的でないものに対する感情よりも強い。により)我々がその物を偶然的として表象する場合よりも強い。したがって偶然的な物に対する感情は、我々がその物を現在我々の前に在ると表象する場合よりもはるかに弱いのである。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 記:スピノザの認識世界の構図の必然・可能・偶然は個物の存在のみならず人間の精神感情にも同様に影響を及ぼす。




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最終更新日  2022年05月04日 06時10分04秒
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