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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年05月30日
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カテゴリ:絶対存在論
神の存否-425
 第四部定理三五の系一及び系二、其の備考
 系一 人間にとっては、理性の導きに従って生活する人間ほど有益ないかなる個物も自然の中に存しない。なぜなら、人間にとっては、自己の本性と最も多く一致するもの(この部第四部の定理三一の系 結論:物は我々の本性とより多く一致するに従ってそれだけ有益である。そしてその逆も真である。により)
 、言い換えれば、それ自体、自己の本性と最も多く一致するもので明らかなように、理性の導きに従って生活する人間人間が最も有益である。ところが人間は理性の導きに従って生活する時に真に自己の本性の法則に従って行動し(第三部定義二 我々自らがその妥当な原因となっているようなある事が我々の内あるいは我々の外に起こる時、言いかえれば、我々の本性のみによって明瞭判然と理解されうるようなある事が我々の本性から我々の内あるいは我々の外に起こる時、私は我々が働きをなす〔能動〕と言う。これに反して、我々が単にその部分的原因であるにすぎないようなある事が我々の内に起こりあるいは我々の本性から起こる時、私は我々が働きを受ける〔受動〕と云う。により)、またその限りにおいてのみ他の人間の本性と必然的に常に一致する(前定理 人間は受動という感情に捉われる限り相互に対立的でありうる。により)。ゆえに人間にとっては、個物の中で、理性の導きに従って生活する人間ほど有益なものはない。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 系二 おのおのの人間が自己に有益なるものを最も多く求める時に、人間は相互に最も有益である。なぜなら、各人が、自己の利益をより多く求め・自己の維持により多く努力するにつれて、彼はそれだけ有徳であり(この部第四部の定理二〇 各人は自己の利益を追求することに、言いかえれば自己の有を維持することに、より多く努め、且つ、より多くそれをなしうるに従ってそれだけ有徳である。また反対に、各人は自己の利益を、言いかえれば自己の有を維持することを放棄する限りにおいて無力である。により)、あるいは同じことだが(この部第四部の定義八 徳と能力とを同一のものと私は解する。言いかえれば(第三部定理七(おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。)により、人間について言われる徳とは、人間が自己の本性の法則のみによって理解されるようなあることをなす能力を有する限りにおいて、人間の本質ないし本性そのもののことである。により)、自己の本性の法則に従って行動する能力、言いかえれば(第三部定理三 精神の能動は妥当な観念のみから生じ、これに反して受動は非妥当な観念のみに依存する。により)、理性の導きに従って生活する能力がそれだけ大である。ところが人間は理性の導きに従って生活する時に本性上最も多く一致する(前定理により)。ゆえに(前の系 人間にとっては、理性の導きに従って生活する人間ほど有益ないかなる個物も自然の中に存しない云々。により)、各人が自己に有益なものを最も多く求める時に、人間は相互に最も有益であるであろう。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。
 備考 我々が今しがた示した事柄は、経験自身も毎日多数のかつきわめて明白な証拠によって立証しているものであって、その結果、「人間は人間にとって神である」という諺がほとんどすべての人の口にのぼっているほどである。しかし人間が理性の導きに従って生活するということは稀である。むしろ彼らはおおむね妬み深く、相互に不快の種になっているというのがその実情である。しかしそれにもかかわらず彼らは孤独の生活にほとんど耐えきることができない。こうして「人間は社交的動物である」というあの定義が多くの人々から多大の賛成をかち得たのである。そしてまた実際、人間の共同社会からは損害よりもはるかに多くの利益が生ずるような事情になっている。だから諷刺家は欲するままに人事を嘲笑するがよい。神学者はそれを呪詛するがよい。また憂鬱家は未開な、野蛮な生活をできるだけ謳歌し、人間を軽蔑して野獣を讃美するがよい。しかも彼らは、人間がその必需品を相互扶助によってはるかに容易に調達しうること、また諸方から迫ってくる危険を避けるには結合した力によるほかないことを経験するであろう。人間の行為を考察するのが野獣の行動を考察するよりもはるかに価値ありかつ我々の認識にいっそう多く価することは今は言わないとしても。しかしこれらのことどもについては他のところでもっと詳しく述べるであろう。  (相互扶助)



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最終更新日  2022年05月30日 06時10分05秒
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