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旦那のお母さんがくれた結婚祝のカードの中に、お祝いの言葉の後にこんな1行があった。
「ユーモアのセンスを忘れずに」 その時はイギリス人らしい!?と思った私。 何年かしてその真意を知る事となる。 イギリス人は皮肉とかダークなユーモアで有名。 旦那も時折真っ黒~い一発をかましてくれたりする。 そして日本人はユーモアのセンスが無い事で有名。 で、ある時私は旦那に聞いた。イギリス人の言う所のユーモアのセンスってどういう物なの? う~ん、色々あるけど、一番日本人と違う所は自分をジョークにするところかな。 私は日本人としては結構ユーモアのセンスがダーク。 おかげで若い頃は周りの日本人にひかれたりする事もあった。 でも、自分をネタにすると言う意味ではまだまだ初心者かもしれない。自分をネタにしても、そこに飛んで来るイギリス人の突込みには敵わなかったりする事もある。 ふ~ん、何か悔しいわ。いつかは手に入れてやる、そのセンス。 そして時が経つ事数年。 今では多国籍な職場で自分のボケ話をガンガン、ネタにする様になってしまった。私って大雑把な所が有るから、日常生活でとんでもない大ボケを良くかます。だからネタには事欠かない事に気付いてしまったの(笑)。 でも、夫婦喧嘩の時にはそのユーモアのセンスが何処かに行ってしまう。 言われた何気ない一言が私の怒りのツボを突いたりすると、笑いなんて何処かに飛んでってしまう。 そんな事があると、あるイギリス人女性の言葉を思い出す。 彼女はイギリス人男性と結婚して、旦那が仕事でオーストラリアに行く事になって、自分の仕事を辞めて一緒に行った。 子供も2人生まれて幸せな日々を過ごす筈だった。ところが旦那は仕事が忙しく家に帰って来ない。毎日知らない国で寂しい毎日を過ごした。旦那はそれを気遣う事無く何年かの日々が流れ、彼女は離婚して子供を連れてイギリスに帰る道を選んだ。 帰国して復職した彼女はある男性と出会った。シティー勤めの彼は仕事が忙しい。突発で出張や接待が入る。何日も残業が続く事もある。 今日も遅くなる・・・という電話が入ると、彼女の脳裏には辛かったオーストラリアの日々が蘇る。 しかし、この男、彼女のツボを突く言葉使いをする。電話で今日も接待で遅くなると言うだけでも、その話し方や使う言葉が彼女をツイツイ笑わせて、怒っていた筈が何時の間にか笑ってしまう。 だから一緒に居るの、と話していた彼女は、何年か後に彼と結婚した。 2人して金髪に青い目な上に、顔立ちや身体つきも整った美男美女カップル。そんな2人の間には新たに2人の子供が生まれた。前夫との子供も彼の子の様な風貌なので、すっかり見た目も馴染んでしまって、今では普通の幸せな家族を営んでいるらしい。 そして今でも2人が喧嘩して彼女が膨れた時には、彼が彼女をクスリと笑わせているのだろう。 私と旦那は育った環境も、背景にある文化も、母国語も違う。 だから笑いのツボも微妙に違う。怒った時に良い塩梅に笑わせるのはお互いに難しい。 そして夫婦の喧嘩は時として出口が無い。 同じ環境や言葉で育った人間でも難しいのに、国際結婚なぞしていると、要らぬ所でそれに輪をかけて難しくなる。 それを実感した後で思い返すと、旦那のお母さんのカードはとても深い意味がある。 日本じゃお婆さん扱いされる年の彼女が、今でも若々しくて男の人にモテる理由は外見だけでは無いのね。 そうして私は夫婦喧嘩する度に心に誓う。私の男をくすぐるユーモアのセンス、いつかは手に入れてやるゾって。 そうなのよ、怒鳴るよりも、殴るよりも、泣くよりも、笑わせたもん勝ち。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 1, 2002 05:57:11 AM
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