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バリでのディスコ爆発のニュースで、静かなビーチを映していた。それを見たら余計胸が痛んだ。
そして、突然Thinking manの事を思い出した。 もう一昔も前に、バリに1ヶ月程滞在した事がある。 ある日、閑散としたビーチを夕日を眺めながら歩いていると、一人の物売りが近づいてきた。 ちょっと年のいった男で、その辺りに居る他の物売りとは、ちょっと違った品揃えの様だった。 私が要らないと追い払おうとすると、何故か旦那が色々と見ている。 いつもは手の一振りで追っ払うのに、どういう風の吹き回しか・・・と眺めていると、「これは幾らだ?高いな。これは?そりゃあ、高すぎる。他にはないのか」と聞いている。 するとその物売りが、「おお、取って置きのがある」と鞄の中をゴソゴソと探し始めた。 男は暫く鞄の中を引っかき回していて、私が痺れを切らす頃に、その男は小さな木彫りの人形を取り出した。 それはあぐらをかいた男が上半身を組んだ足の上に倒している姿だった。 物売りは「これはThiking manだ」と言った。 これを持っていると頭が冴えて、良い考えが浮かんで来るらしい。 それまでの一寸ばかしやる気の無さそうな売込みから一転して、とても熱心な語り口だった。 旦那に買う気が無いと思って、物売りが諦めて立ち去ろうとした頃に、旦那がその「Thinking man」を買っていた。 幾らだったのか聞くと、旦那が得体の知れない物を買うにしては高めの金額だった。 私がちょっと呆れた顔でどうして買ったのかと聞くと、これで良いアイデアが浮んだら安いものだぞ、と笑っていた。 旦那は考える時に歩き回る癖がある。熊の様にぐるぐるぐるぐる円を書いて歩き回る(笑)。 良く居合わせた人と笑ったものだ。 ところがThinking manを手に入れて暫くすると、考える時にあまり歩き回らなくなった。 別に考える事を止めた訳でも無いらしい所を見ると、何やらその木彫りに人形と関わりでもあるのだろうかといぶかしんだものだ。 何ヶ月か前に部屋を片付けていたら、そのThinking manが出てきた。 私が「大切にしないとアイデアが浮かばなくなるかもよ」と言うと、旦那は笑って私のタンスの上に飾っていた。 最近、また、どこかに雲隠れしているThinking manは、一体どこで何を考えているのやら。 ところで、イスラム教徒がほとんどを占めるインドネシアの中では珍しく、バリは仏教徒が多い事で知られている。 オーストラリアの側に位置するので当然東洋の西洋としての政治的スタンスを取っているオーストラリア人の観光客も多い。 観光で栄えている事もあって、何かあった時には格好の標的になりかねない。 今回、その悲劇が現実のものとなってしまった。 今回のテロで亡くなった方々のご冥福を祈ると共に、怪我をされた方々の1日も早い身体と心の傷の回復を祈っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 17, 2002 11:25:13 PM
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