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テーマ:人口減(144)
カテゴリ:decade(s)企画
前回の続きで、本年3~8月の半年間における地方都市の人口動態について、みていきたいと思います。なお、ここで表示した人口は原則的に各県発表の推計人口を用いていますが、現時点でまだ公表していない一部の都市については、ソースについて適宜注釈を入れております。ご了承願います。
まず、前回「勝ち組」と書いた岡山市と熊本市について、周辺諸都市の状況を確認しながら、みていきたいと思います。 【岡山市】 岡山市の人口が増加傾向にある背景として挙げられるのは、やはり、所属する中国・四国地方の地方中枢都市の人口増加ベースが他地方に比べて緩やかなことでしょう。ここに、いわゆる「札仙広福」の本年3~8月における人口動態を示すと、以下の通り、広島市の増加人口、増加率が一番低いことが見て取れます。つまり、岡山市が台頭するニッチが存在すると言えるのです。 ◎札幌市 1,923,377人 ⇒ 1,928,796人 5,419人(0.3%)増 ※1 ◎仙台市 1,053,817人 ⇒ 1,060,263人 6,446人(0.6%)増 ◎広島市 1,178,766人 ⇒ 1,181,057人 2,291人(0.2%)増 ※1 ◎福岡市 1,483,322人 ⇒ 1,491,842人 8,520人(0.6%)増 ※1 更に、中国・四国地方の主要都市(概ね人口15万人以上)の人口推移についてみていくと、 ◎鳥取市 196,430人 ⇒ 195,720人 710人(0.4%)減 ◎米子市 148,283人 ⇒ 148,207人 76人(0.0%)減 ◎松江市 208,054人 ⇒ 207,719人 335人(0.1%)減 ◎出雲市 170,883人 ⇒ 170,601人 282人(0.2%)減 ◎岡山市 711,532人 ⇒ 712,727人 1,195人(0.2%)増 ◎倉敷市 477,134人 ⇒ 477,651人 517人(0.1%)増 ◎広島市 1,178,766人 ⇒ 1,181,057人 2,291人(0.2%)増 ※1 ◎呉市 236,595人 ⇒ 235,414人 1,181人(0.5%)減 ※2 ◎尾道市 143,318人 ⇒ 142,636人 682人(0.5%)減 ※2 ◎福山市 462,144人 ⇒ 461,976人 168人(0.0%)減 ※2 ◎東広島市 190,503人 ⇒ 190,237人 276人(0.1%)減 ※2 ◎下関市 277,701人 ⇒ 276,328人 1,373人(0.4%)減 ◎宇部市 172,877人 ⇒ 172,275人 602人(0.3%)減 ◎山口市 196,173人 ⇒ 195,725人 448人(0.2%)減 ◎岩国市 142,124人 ⇒ 141,088人 1,036人(0.7%)減 ◎周南市 148,407人 ⇒ 148,008人 399人(0.3%)減 ◎徳島市 263,885人 ⇒ 263,546人 339人(0.1%)減 ◎高松市 420,231人 ⇒ 420,326人 95人(0.0%)増 ◎松山市 516,684人 ⇒ 517,181人 497人(0.1%)増 ◎今治市 164,553人 ⇒ 163,706人 847人(0.5%)減 ◎高知市 342,568人 ⇒ 341,663人 905人(0.3%)減 ※2 岡山市に隣接する倉敷市や四国最大の都市である松山市もまた人口が増加傾向にあり、多極分散的な様相を呈しています。広島市に近接する呉、東広島の両市が人口を減らしていることを考えると、広島都市圏の人口増加率は岡山・倉敷や松山の各都市圏とそんなに変わらない可能性がありそうです。 それでいて、広島県や山口県の各都市がこぞって人口減少を記録しているのは気になるところ。特に山口県西部は九州と隣接しているので、福岡市の影響を受けている可能性が高そうです。 山陰や四国南部の主要都市は、揃って人口減少という結果となっています。米子市が比較的踏ん張っていて山陰の中枢都市的存在となっていますが、鳥取、松江、徳島、高知と県庁所在地が壊滅状態。松江を除く各市は京阪神とも結びつきが強いので、そちらへの流出も一定数ありそうです。 【熊本市】 ところが、上記の理屈で言えば、熊本市の属する九州地方は、福岡市一極集中の傾向が強いため、熊本市もまたその煽りを食ってしまうように思われます。 そこで、九州地方においても主要都市の人口推移を調べてみると、 ◎北九州市 972,995人 ⇒ 971,914人 1,081人(0.1%)減 ※1 ◎福岡市 1,483,322人 ⇒ 1,491,842人 8,520人(0.6%)増 ※1 ◎久留米市 301,832人 ⇒ 301,897人 65人(0.0%)増 ※2 ◎佐賀市 236,740人 ⇒ 236,663人 77人(0.0%)減 ◎長崎市 440,472人 ⇒ 439,157人 1,315人(0.3%)減 ◎佐世保市 259,550人 ⇒ 258,394人 1,156人(0.4%)減 ◎熊本市 736,625人 ⇒ 737,687人 1,062人(0.1%)増 ◎大分市 475,949人 ⇒ 476,544人 595人(0.1%)増 ◎宮崎市 402,239人 ⇒ 402,343人 104人(0.0%)増 ◎都城市 168,853人 ⇒ 168,146人 707人(0.4%)減 ◎鹿児島市 607,141人 ⇒ 607,301人 160人(0.0%)増 北部の北九州、長崎、佐世保の各市が人口を大きく減らしている一方で、中部から南部にかけての主要都市、とりわけ県庁所在地はいずれも人口増加を記録しており、福岡市への流出がある程度抑えられていると言えそうです。ちなみに、福岡市の影響が及ぶ範囲は、山口県西部および福岡、佐賀、長崎の各県の全域といったところでしょうか。これだけでも人口700万人を超えますから、ヒンターランドは岡山、広島、松山の各市の比ではないということになるのでしょう。流入の背景には、福岡市そのものの魅力もあるのでしょうが、下関、北九州、長崎、佐世保の各市を支えた重工業の衰退とも無縁ではないかもしれません。 九州中南部は、県庁所在地が地方中枢都市としての機能を果たしていると言えなくもないでしょう。ただ、宮崎市や鹿児島市の人口は増加とも横ばいとも解釈できる状況なので、いずれは熊本市への一極集中が始まる気配がないとも限りません。また、大分市は、隣接する別府市が123,725人⇒123,227人(498人(0.4%)減)と人口を減らしているので、都市圏としては人口が増加しているとは言えない側面があります。 ※1 市発表の推計人口による。 ※2 本年2~7月における推計人口の推移であり、他都市に比べて集計期間が1ヶ月ずれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは。
倉敷の人口増加、東広島の人口減少はどうでもいいですよ。 倉敷は、人のたくさすんでる所だけ合併しています。ですのでかなり面積が広く、市街地の大きさも岡山市より大きいと思いますね。 対して東広島は、過疎地を沢山抱えてます。 なので人口が急増している旧西条町等の山陽本線沿いに対して過疎地の進むエリアの人口減少が相殺された訳です。 (2016.01.19 18:09:58)
>西条町さんへ
確かにおっしゃる通り、東広島市はかなり広い範囲で合併してますね。呉線沿線の旧安芸津町なんか抱え込む必要があったのか? 少々謎です。 (2016.01.20 08:41:55)
あのさあ 適当なこと言うなよ くそ田舎の岡山人
(2016.02.28 18:09:12)
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