CAPTAINの航海日記

2012/11/10(土)19:18

「支庁」について考えてみた(その4)

decade(s)企画(118)

前の日記ではかつて概ね郡ごとに散在していた各道県の支庁(的機関)が統合されつつある話を書いたのですが、県によっては支庁(的機関)そのものを廃止してしまった所もあります。こちらで確認すると、茨城県や千葉県など、いくつかの府県で廃止例が散見されます。 その一方で、従前から支庁(的機関)がなかった、あるいは離島部などの一部地域でしか存在していなかった都県もみられます。支庁(的機関)の設置はあくまで「普通地方公共団体の長」(地方自治法第155条)に委ねられていますから、まさに十人十色といったところです。 ただし、面積が10,000平方キロを超える道県(北海道および岩手、秋田、福島、新潟、長野、岐阜の各県)に関しては、例外なく支庁(的機関)が設けられています。長野県では県内10地域(佐久(佐久市)、上小(上田市)、諏訪(諏訪市)、上伊那(伊那市)、飯伊(飯田市)、木曽(木曽町)、松本(松本市)、北安曇(大町市)、長野(長野市)、北信(中野市))に整備されている地方事務所の区域にあわせて、1990年代後半以降に各区域内の市町村が広域連合を組織しているほどです(参考)。なお、新潟県には2000年代前半まで支庁(的機関)が存在せず各地域に社会福祉、県税、農林などの事務所が置かれている状態だったのですが、2004年から2006年にかけて県内の12ヶ所(村上市、新発田市、新潟市、三条市、長岡市、魚沼市、南魚沼市、十日町市、柏崎市、上越市、糸魚川市、佐渡市)に地域振興局が整備されるに至っています。また、面積が10,000平方キロをわずかに下回りますが、青森県もまた、2006年から2007年にかけて県内の6ヶ所(東青(青森市)、中南(弘前市)、三八(八戸市)、西北(五所川原市)、上北(十和田市)、下北(むつ市))に地域県民局が整備されています。 ここで気になるのは、支庁(的機関)が廃止されるにせよ新設させるにせよ、2000年代に入ってから各地の動きが活発になってきていることです(参考)。この背景には、交通機関、特に道路網の発達に伴い地域間移動が容易になっていることや、いわゆる「平成の大合併」によって市町村、特に小規模町村の数が減少し、支庁(的機関)の主業務の一つであった市町村支援の機会も減少していることが、挙げられるかと思います。 むしろそんな状況の中で福島県にこの種の動きが全く見られなかったのは、別の意味で気になります。特に問題点はなかったと考えるべきかもしれませんが、組織自体が硬直化しているのではないかとの懸念が、どうしても湧いてしまうのです。福島県政がお題目のように繰り返す「七つの地域」という概念は、本当に、県民生活に即したものなのでしょうか? 面積の広い道県の現状に鑑みれば支庁(的組織)の必要性は感じますが、県内のJAが四つの組織に統合、再編されることもあるし、地方振興局のあり方もまた、検討に値する行政的課題のように感じます。 買取時のポイントが10倍!本・ゲーム・DVDなど買い取ります。申込はこちら【中古】 afb【古本】成功する地方自治/角間隆

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