CAPTAINの航海日記

2013/07/01(月)11:10

庄内、米沢、会津。

その他の都道府県の話(937)

昨日の日記の続きになりますが、新潟県は、山形県や福島県と境を接しています。県庁所在地の新潟駅からの鉄道の距離で言うと鶴岡駅140.7キロ、酒田駅168.2キロ、米沢駅140.0キロ、会津若松駅126.2キロであり、これらの数字は、新潟駅から同じ新潟県内の妙高高原駅(174.0キロ)や糸魚川駅(175.1キロ)よりも近く、越後湯沢駅(134.7キロ)や津南駅(124.9キロ)と比べてもさほど差のない距離です。 ところが、例によって(苦笑)これらの地域(新潟県と接する庄内※1、米沢※2、会津※3の3ゾーン)からの流動を調べてみると、新潟県への流動は他の都県に比べて著しく少ないことがわかります。以下、各地域における流動人数ベスト10を紹介すると、 【庄内】 1位 秋田臨海(秋田)   79.9万人 2位 仙台(宮城)     64.7万人 3位 古川(宮城)     26.9万人 4位 東京23区(東京)   16.0万人 5位 雄物川流域(秋田)  11.8万人 6位 青森(青森)     9.0万人 7位 村上(新潟)     8.8万人 8位 新潟(新潟)     6.6万人 9位 多摩(東京)     4.0万人 10位 浦和(埼玉)     3.2万人 【米沢】 1位 仙台(宮城)     83.2万人 2位 福島(福島)     82.4万人 3位 会津(福島)     60.6万人 4位 郡山(福島)     23.2万人 5位 東京23区(東京)   17.2万人 6位 相双(福島)     14.3万人 7位 いわき(福島)    10.5万人 8位 浦和(埼玉)     5.4万人 9位 水戸・日立(茨城)  5.1万人 10位 船橋(千葉)     3.8万人 【会津】 1位 米沢(山形)     55.6万人 2位 新潟(新潟)     54.8万人 3位 仙台(宮城)     52.7万人 4位 東京23区(東京)   34.0万人 5位 那須(栃木)     30.6万人 6位 浦和(埼玉)     22.7万人 7位 長岡(新潟)     19.9万人 8位 多摩(東京)     13.8万人 9位 宇都宮(栃木)    13.5万人 9位 船橋(千葉)     13.5万人 会津は新潟が2位、長岡が9位に入るなど比較的健闘していますが、庄内は秋田、宮城両県の各ゾーンや何故か青森の後塵を拝する有様で、米沢に至ってはベスト10にすら入っていません(新潟の3.5万人(11位)が最多)。 いずれのゾーンも、新潟県からの交通インフラは、きちんと整備されています。庄内とは「羽越本線=国道7号線」、米沢とは「米坂線=国道113号線」、そして会津とは新潟ゾーンから「磐越西線=磐越自動車道=国道49号線」、長岡ゾーンから「只見線=国道252号線」の2ルート。 にも拘らず、新潟県へと流動する人は少ないのが現状。庄内は同じ「羽越本線=国道7号線」のルートでも北側の秋田県への流動がはるかに多いし、通年通行可能なルートが国道121号線一本しかない米沢と会津の相互交流が盛んな点を見ると、やはりこれらの地域は「東北地方」という意識が住民側に根付いており、中部だか北陸だかはたまた関東甲信越の一部なんだかカテゴリーが一定しないものの少なくとも東北地方にカテゴライズされることは殆どくまた住民意識も明らかに東北指向ではない新潟県へは足を向けにくい傾向があると言わざるを得ません。 新潟県内でこれらの地域に唯一目を向けていると言っていいのが、庄内を巻き込んでデスティネーションキャンペーンを展開したりしているJR東日本新潟支社でしょうか? ただしこの努力もまた、庄内の人にとっては「新潟県内における東北電力の存在」と同じ感覚で受け入れられているように思われます。 ちなみに、新潟県側で東北地方と境を接する新潟※4、長岡※5、三条・燕※6および村上※7の両ゾーン(ただし、三条・燕から東北地方へと至るルートは未整備(国道289号線八十里越が建設中))からの流動も確認してみると、 【新潟】 1位 東京23区(東京)  141.7万人 2位 会津(福島)     57.4万人 3位 浦和(埼玉)     32.9万人 4位 長野(長野)     27.7万人 5位 横浜(神奈川)    24.8万人 6位 船橋(千葉)     23.3万人 7位 桐生・太田(群馬)  21.2万人 8位 仙台(宮城)     19.9万人 9位 多摩(東京)     18.8万人 10位 川越(埼玉)     18.1万人 【長岡】 1位 東京23区(東京)   63.7万人 2位 長野(長野)     29.6万人 3位 浦和(埼玉)     24.9万人 4位 前橋・高崎(群馬)  21.0万人 5位 川越(埼玉)     17.4万人 6位 船橋(千葉)     17.3万人 7位 会津(福島)     16.8万人 8位 横浜(神奈川)    14.1万人 9位 多摩(東京)     13.0万人 10位 沼田・利根(群馬)  10.3万人 【三条・燕】 1位 東京23区(東京)   27.6万人 2位 浦和(埼玉)     8.9万人 3位 会津(福島)     8.7万人 4位 長野(長野)     7.8万人 5位 船橋(千葉)     5.2万人 6位 渋川・吾妻(群馬)  4.3万人 6位 多摩(東京)     4.3万人 8位 沼田・利根(群馬)  3.8万人 9位 前橋・高崎(群馬)  3.7万人 10位 横浜(神奈川)    3.5万人 【村上】 1位 庄内(山形)     9.6万人 2位 東京23区(東京)   6.3万人 3位 仙台(宮城)     4.5万人 4位 長野(長野)     3.4万人 5位 米沢(山形)     2.3万人 5位 浦和(埼玉)     2.3万人 7位 横浜(神奈川)    2.2万人 8位 川越(埼玉)     1.8万人 9位 多摩(東京)     1.0万人 10位 沼田・利根(群馬)  0.9万人 新潟から見ると会津は2位に入りますが、庄内(7.0万人)、米沢(4.4万人)はベスト10に遠く及びません。むしろ郡山(13.4万人)や福島(8.1万人)の方が多いぐらいです。福島県との繋がりはある程度認められるものの基本的には関東志向が強く、山形県との繋がりは殆どないと言って良さそうです。 長岡や三条・燕も同様の傾向が見られ、会津はベスト10に顔を出しているものの、庄内や米沢への流動は殆どなし(いずれも1万人未満)。それにしても、三条・燕で会津が3位に入っているのにはちょっと驚きました。 逆に、新潟県北端の村上に目を移すと、人数自体は少ないながらも一応庄内がトップで米沢も5位。会津(0.7万人)はベスト10入りを逃しましたが、東北地方との繋がりは比較的深いと言えなくもありません。もっとも、同一県内である新潟との繋がりの方が、ずっとずっと深いとは思いますけど… 庄内、米沢、会津の3ゾーンの人口を合算すると、約80万人。小規模な県の人口に匹敵します。交流がもう少し活発になれば、新潟県にもある程度活力が戻るとともに、人口の減少にもある程度の歯止めがかかると思うのですが、いかがでしょうか? ※1 地域ゾーン・庄内の範囲は、鶴岡市、酒田市、東田川郡、飽海郡。 ※2 地域ゾーン・米沢の範囲は、米沢市、長井市、南陽市、東置賜郡、西置賜郡。 ※3 地域ゾーン・会津の範囲は、会津若松市、喜多方市、南会津郡、耶麻郡、河沼郡、大沼郡 ※4 地域ゾーン・新潟の範囲は、新潟市、新発田市、五泉市、阿賀野市、胎内市、北蒲原郡、東蒲原郡。 ※5 地域ゾーン・長岡の範囲は、長岡市、柏崎市、小千谷市、見附市、魚沼市、三島郡、刈羽郡。 ※6 地域ゾーン・三条・燕の範囲は、三条市、加茂市、燕市、西蒲原郡、南蒲原郡。 ※7 地域ゾーン・村上の範囲は、村上市、岩船郡。 話題の発酵食品、麹を使ったなつかしい庄内の味「しょーなっとう」お徳用塩納豆 300g (冷蔵商品につきクール料金別途210円加算されます)

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