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テーマ:大学入試(149)
カテゴリ:企画モノ
福島東高校の国公立大現役合格者数が近年減少した原因は何か?が当初の疑問だったのですが、よくよく考えてみたら、1990年代後半から2000年代にかけて年間平均150人前後の合格者数を叩き出していた「確変期」ともいえる時期がどうして起こったのか?というのもちょっと気になるところではあります。
これについては、推察に頼らざるを得ないのですが、原因は3つほど挙げられると考えています。 まず一つ目が、公立大の増加です。こちらを見てもらえると一目瞭然なんですが、1990年頃と2000年頃とを比較すると、公立大学の学生数が2倍近くに跳ね上がっているんですね。東北地方および福島県に隣接する県だけでも、この時期に下記の公立大が新設ないし学部増設されています。 1993年 会津大、青森公立大 1995年 茨城県立医療大 1997年 宮城大、前橋工科大 1998年 岩手県立大、福島県立医大(看護学部設置) 1999年 青森県立保健大、秋田県立大 2000年 山形県立保健医療大 で、福島東においては、同校で初めて国公立大現役合格者が150人に達した2001年を例にとると、上記の公立大への合格者が少なくとも20人以上確認できます。公立大の増加に伴い合格者も増加したのは、間違いないところでしょう。 二つ目が、1995年に実施された福島東の男女共学化です。上記の新設公立大のリストを見ると、医療、看護系の大学が目立ちます。この種の大学は一応男女共学とはなっているものの、学生の大半は女子というのが相場。従って、女子の多い高校ほど公立大の現役合格者増の恩恵にあずかりやすいと言えます。福島東は1980年の開校当時は男子校。1995年に福島西(福島西女から改称)、福島商(旧男子校)とともに共学化に踏み切るのですが、もしこれが実現していなければ、福島東高校の合格者数もさほど増えてはいなかったと考えられます。また、1995年当時はまだ別学だった福島(男子校)、福島女(現・橘)とは違ったスタイルの進学校ということで、高校受験生の人気を集めていた可能性もありますね。福島や福島女でやっていける学力を有しながらも「共学がいい」と福島東を選んだりとか… 三つめが、大学受験人口の減少に伴う浪人生の減少です。上記の通り公立大は増加傾向にあったものの、1990年代半ばを過ぎると第二次ベビーブーム世代は既に大学受験を終えていたため、大学受験人口自体は減少の一途を辿ることになります。こちらのブログで紹介しているグラフが視覚的にわかりやすいのですが、1995年から2000年にかけて、浪人を経て大学に入学する学生の数が急速に減少しているんです。仮に国公立大合格者が現浪合算で150人いたとすれば1990年頃だと現役90人・浪人60人ぐらいの割合だったのが、2000年頃になると現役120人・浪人30人となっていても不思議ではないぐらいの減少ぶりなんですね。また、女子は男子に比べて浪人を避ける傾向があるため、共学化後の福島東は、全国的な傾向を上回るペースで浪人減少、現役志向の高まりが強まった可能性があります。 【中古】 大学と地域貢献 地方公立大学付設研究所の挑戦 /高崎経済大学附属産業研究所(編者) 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.10.14 15:27:51
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