妥当な判決で良かった。
東京電力福島第一原発事故で福島県から新潟県に避難した237世帯805人が国と東電に計88億5,500万円(一人当たり約1,100万円)の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が、きょう新潟地裁で言い渡されました。裁判長は東電の責任を認め、原告636人に計約1億8,375万円(一人当たり30万円弱)を支払うよう命じましたが、国の責任は認めませんでした。まぁ、妥当な判決ですね。てか、原告の損害賠償請求額が、正直に言って常軌を逸しています。原告の約8割が自主避難者とのことなので彼らを念頭に置いて書きますが、「放射能が怖い」と主張して自主避難した方々が一人当たり1,100万円貰えるとするならば、彼ら曰く被爆の恐れがある福島県に残って10年間過ごしてきた我々にだって一人当たり1,000万円ぐらい貰う資格はあるはずです。そんな判決を、裁判所がやすやすと出すはずがないでしょう。だもんで、今回の判決は、「引っ越しの必要経費分ぐらいの賠償金は出すよ」という裁判所の認識とも取れますね。あと、私自身が原発事故当時子育て世代真っ只中だったので、自主避難した子供達がどんな風に成長していったのか?という点も、非常に気になりますね。今回の訴訟では原告の精神的損害が前面に出ていたため避難した子供が転校先の学校でいじめられた、不登校になった、適応障害と診断された…という報道も目の当たりにしましたが、そうなった子供の割合は福島県内の標準的な子供に比べて有意に多かったのかどうか? 科学的に検証する必要があるんじゃないかな…と思います。そしてそのデータは、今後も全国各地で展開されるであろう同様の裁判において、精神的な損害の有無を立証する存在となり得るのではないでしょうか?福島第一原発事故後の民事訴訟[本/雑誌] (関西学院大学研究叢書) / 神戸秀彦/著