静岡県の人口動態
3日ほど前にこちらの日記を書いたのですが、もう少し突っ込んで調べたくなってしまい(苦笑)、一昨年から今年にかけての静岡県の人口動態を、数日間眺めておりました。結論から言うと、海岸沿いから内陸部への人口移動は、少なくとも4ヶ所で認められるのではないかなと思います。まずはそう思った端緒となった焼津市および藤枝市における一昨年から今年にかけての3~8月の人口動態を確認してみると、【焼津市】2010年 143,463人 ⇒ 143,585人 122人(0.1%)増2011年 143,183人 ⇒ 142,866人 317人(0.2%)減2012年 142,584人 ⇒ 141,807人 777人(0.5%)減【藤枝市】2010年 141,880人 ⇒ 142,123人 243人(0.2%)増2011年 141,933人 ⇒ 142,257人 324人(0.2%)増2012年 142,386人 ⇒ 142,959人 573人(0.4%)増年を経るごとに、焼津市の減少傾向と藤枝市の増加傾向が強まっていることがわかります。これと同様の現象が、静岡県内の以下の地域で見られるのです。(1)沼津市⇒長泉町【沼津市】2010年 204,778人 ⇒ 204,103人 675人(0.3%)減2011年 201,640人 ⇒ 200,810人 830人(0.4%)減2012年 199,883人 ⇒ 198,462人 1,421人(0.7%)減【長泉町】2010年 40,413人 ⇒ 40,651人 238人(0.6%)増2011年 41,020人 ⇒ 41,316人 296人(0.7%)増2012年 41,306人 ⇒ 41,695人 389人(0.9%)増(2)静岡市清水区・駿河区⇒葵区【静岡市清水区】2010年 247,848人 ⇒ 247,030人 818人(0.3%)減2011年 247,267人 ⇒ 246,510人 757人(0.3%)減2012年 245,613人 ⇒ 244,623人 990人(0.4%)減【静岡市駿河区】2010年 210,042人 ⇒ 210,323人 281人(0.1%)増2011年 213,376人 ⇒ 213,615人 239人(0.1%)増2012年 213,644人 ⇒ 213,432人 212人(0.1%)減【静岡市葵区】2010年 258,712人 ⇒ 258,474人 238人(0.1%)減2011年 254,995人 ⇒ 254,554人 441人(0.2%)減2012年 254,292人 ⇒ 254,434人 142人(0.1%)増(3)浜松市西区・南区⇒中区【浜松市西区】2010年 113,920人 ⇒ 114,466人 546人(0.5%)増2011年 113,337人 ⇒ 113,564人 227人(0.2%)増2012年 112,882人 ⇒ 112,949人 67人(0.1%)増【浜松市南区】2010年 103,473人 ⇒ 103,491人 18人(0.0%)増2011年 102,531人 ⇒ 102,398人 133人(0.1%)減2012年 102,417人 ⇒ 101,740人 677人(0.7%)減【浜松市中区】2010年 242,914人 ⇒ 241,356人 1,558人(0.6%)減2011年 237,948人 ⇒ 237,059人 889人(0.4%)減2012年 237,044人 ⇒ 236,663人 381人(0.2%)減いずれも、沿岸部の人口動態が(増加=善とするならば)悪化しており、これに近接する内陸部では逆の現象が起きていることがわかります。なお、静岡県全体の人口動態は、2010年 3,780,861人 ⇒ 3,774,165人 6,696人(0.2%)減2011年 3,759,382人 ⇒ 3,752,781人 6,601人(0.2%)減2012年 3,746,471人 ⇒ 3,737,793人 8,678人(0.2%)減と大きな差は見られないので、やはりこれらの動きは一種独特と言わざるを得ないのです。しかも、面白いことに、この傾向はある程度の人口を有する都市部でのみ見られます。東海地震およびこれに伴う津波が発生した場合甚大な被害が想定される下田、御前崎、湖西の各市における人口動態をみると、【下田市】2010年 25,029人 ⇒ 24,781人 248人(1.0%)減2011年 24,935人 ⇒ 24,650人 285人(1.1%)減2012年 24,490人 ⇒ 24,273人 217人(0.9%)減【御前崎市】2010年 34,613人 ⇒ 34,339人 274人(0.8%)減2011年 34,564人 ⇒ 34,304人 260人(0.8%)減2012年 34,128人 ⇒ 33,952人 176人(0.5%)減【湖西市】2010年 60,617人 ⇒ 60,517人 100人(0.2%)減2011年 59,730人 ⇒ 59,655人 75人(0.1%)減2012年 59,604人 ⇒ 59,462人 142人(0.2%)減と、東海地震の懸念が感じられないばかりか中部電力浜岡原発のお膝元である御前崎市などはむしろ改善の兆しすらあったりします。また、市域の一部が海に接してはいるものの中心市街地が内陸に展開している富士市や掛川市、磐田市といった10万都市も、【富士市】2010年 254,033人 ⇒ 253,850人 183人(0.1%)減2011年 254,240人 ⇒ 253,951人 289人(0.1%)減2012年 253,455人 ⇒ 252,994人 461人(0.2%)減【掛川市】2010年 117,818人 ⇒ 117,568人 250人(0.2%)減2011年 116,131人 ⇒ 115,782人 349人(0.3%)減2012年 115,760人 ⇒ 115,565人 195人(0.2%)減【磐田市】2010年 170,779人 ⇒ 170,384人 395人(0.2%)減2011年 167,957人 ⇒ 167,579人 378人(0.2%)減2012年 166,976人 ⇒ 166,661人 315人(0.2%)減と、人口動態にさほど大きな変化は見られません。強いて言えば富士市の減少傾向が強まりつつありますが、更に内陸に入った富士宮市の人口動態は、【富士宮市】2010年 131,634人 ⇒ 131,469人 165人(0.1%)減2011年 132,051人 ⇒ 132,092人 41人(0.0%)増2012年 131,953人 ⇒ 131,802人 151人(0.1%)減と、特に増加、改善傾向を強めている訳ではありません。減った人口はどこへ行ってしまったのでしょうか?これは何も富士市近辺に限った話ではなく、政令指定都市の静岡市や浜松市も含めて、静岡県全体がほぼ均等に人口を減らしているようにも感じます。多極分散的であるが故に全県で等しく人口が減っていく…そんな構図が垣間見えます。