Bird Cage

2004/09/03(金)11:54

◇◆◇ はーぶちぃー? ◇◆◇

 人間生きている間に、様々な不思議に出会うことがあります。  怪奇現象であったり、超常現象であったり、自然現象であったり・・・  そんな訳で私にもついに、その瞬間がやってまいりました。  先日、シャチョーがウキウキ持って帰ってきたものが、全ての不思議の始まりでございます。 「アズさん、シノルさん、これをお茶の時にみんなに出してあげて」  と、シャチョーが差し出したのは怪しげな包み。  同僚のアズちゃんと共に、既に嫌な予感がしてまいりました。  しかし、シャチョー自体が不思議な我社。  アズちゃんは慣れたもので「ハーイ。」とおりこうさんな返事をします。 「種類は忘れたけど、ハーブティーだから、それでリフレッシュして」  そう言い残してシャチョーはまた、不思議の世界へ旅立っていきました。 「ハーブティーだって」  アズちゃんは早速匂いを嗅いでいます。 「う、何か草の匂いがする」  ハーブって確か草だもんね。 「シノルさんも嗅いでみて~」  そう包みを勧められ、好奇心もあってクンクンしてみます。  ああ・・・草だ。うん、確かに。  包みの中にはコロンとした、丸い草の塊がいくつも入っていました。 「明日の朝、みんなに出そうか~」 「そだね~」  明日コレを直接口にするわけか。目が覚めそうだなぁ・・・とか思いつつ、次の日出社するまでその存在すら忘れておりました。  そして今朝。バタバタと駆け込み出社をした私に、アズちゃんがススス・・・と近づいてきました。 「シノルさん、昨日のハーブティー出そうか」  あ、そういえばそんなのがあったね。  毎朝出すコーヒーは既に、コーヒーメーカーがせっせと作っておりましたが、その横で私はハーブティーなるものを作り始めました。  作り方はいたって簡単。 1.お湯をコップに注ぐ。 2.ハーブティーの素をポンと放り込む。 3.ふやけるまで待つ。  その手順で次々とハーブティーを生産していきます。  これが噂のハーブティーの素。  うっっっ!!!なんじゃこりゃーーー?!  私の心の悲鳴をよそに、ハーブティーなるものはどんどん進化を遂げていきます。  まるで一億五千万年の歴史を、一瞬で見せられたかのような気分です。  進化途中のハーブティーの素。    進化したハーブティーなるもの。    「先生、私もう子供じゃないのよ。大人の女として花開いたの」  幻聴が聞こえてきました。先生ってダレダ。  アズちゃん「キモーイ!」と大爆笑です。  とりあえず2人で撮影会です。  何か・・・花っていうより。イソギンチャクみたいな・・・。  最初、試飲してみると、お湯の味しかしません。  まぁ、こんなもんか~。と社員の皆様にも提供してまいります。  皆さん、コップの中を見て「うっ」と言葉を詰まらせております。 「飲めるの?」などと、ハーブティーに対して失礼な方もおられます。しかし私は、確信を持って「飲める」と返すことができませんでした。  もしかしたら、『心臓の弱い方はご注意ください。』と注意書きされている可能性もございます。  皆様がリフレッシュする予定のハーブティー。    おや?どんどんお湯の色が濃厚になってきています。 『ヤバイ』  本能的に危機を察知した私は、急いで自分の席に戻りノルマを果たそうと、ハーブティーに口を付けました。  しかし。時、既に遅し。  イソギンチャク、もといハーブティーの素は、自分の能力を余すところなく発揮しておりました。  何て働き者なのでしょう。頑張らなくていい所で、やたら頑張る人のウザさがあります。 「にっが~~・・・・・」  苦さと渋さの絶妙なブレンド。ちょっぴりハードボイルドな雰囲気です。  まぁ、ぶっちゃけ。『マズイ』と。  ごめんなさい、シャチョー。とてもリラックスできるような代物ではありません。  シノルは過去にハーブなるものを飲んで、美味しいと思ったことがございません。  知り合いがイギリスで購入してきてくれたハーブティーのティーパックも3回ほど使用して、あとは封印しました。  慣れてないだけなのでしょうか。  それとも高確率で、マズイものばかり口にしているのでしょうか。  高い金出すなら、日本茶や中国茶のほうがいいや。と思ってしまうシノルは完璧なアジアン。ビバアジアン。  とりあえず。大輪の花を咲かせて勝ち誇るコヤツをどうしてやろうか・・・。

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