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カテゴリ:下咽頭癌
25日目 5/12 THU
「人間は、自然の内でもっとも脆い葦でしかない。しかし、人間は考える葦である。」(パスカル) 「真剣に考える事を学んだなら、残りは笑い飛ばせばよい。」(ヘルマンヘッセ)
私は、動き回れる環境であれば、まだ何かをしようと考えるのだが、この入院中では、頭で考えることしか出来ない。それでも、まだ、PCがあり、インターネットが繋がっている環境にいるということで、私の好奇心の発散が出来ているかもしれない。
私自身が何にでも、好奇心を持つ事と調べる習慣があった事を今は大変幸いだと思うし、嬉しく思っている。今後の老後にしても、好奇心を持てなくなったら、それこそ終末に近いのでしょう。(笑)
これまでの生きた記録、退院後にやること(1カ月、半年、1年、5年経過した時点)、考え出したらきりがない位あるが、考えだけなら、その記憶も、すぐに消えてしまうので、少しずつ書いて残しておかなければならないのでしょう。
新たな読みたい本や調べたいことをネットで探し、PCで見ている。 若かりし頃には、ヘルマンヘッセやパスカルの名言や詩についてのめり込んでいた時期も哲学に興味を持ったこともあったなあと思い出し、今それを再度読み返すのも面白い。(何でも調べ直すか、考え直す好奇心が大事!そして、新たな発想力が生まれる!)
「大切なのは、疑問を持ち続けることだ。 神聖な好奇心を失ってはならない。」 (アインシュタイン)
多くの偉人には、名言、格言が多くあり、それらを解釈してゆくと納得することも多い。 哲学の一片に触れるようで、面白いのです。
なんて、のんびり入院生活を送っているようだが、実際は、口や唇が乾燥し、味覚は段々と益々鈍くなり、咽喉の通りが悪くなり、本当に食欲が落ちてきている。
頑張って食べて下さい。体重を落とさないように、蛋白質を取れるように、ゼリー状のカロリーメイトがお勧めですよとか、プロテイン入りのヨーグルトを試して、等々 色々とアドバイスを頂き、頑張っているので体重はなんとか維持したいと思う。
まだ、痛みがひどくて咽喉を通らなくなっていないので食べられるが、食欲がないのはつらいね!
話は変わるが、病気になったり、悩んでいる人に、ちょっと優しそうな言葉をかけながら近づいてくる宗教関係者?みたいな人が居ると聞く。自分の心が少し弱った時には、何かに縋りたいという気持ちは理解できないことはないが、根本は自分の意思であり、進むべき道を明確に持つことだと思う。 (それは、誰も分かっていることだが、それが弱っている時に来るんだろうね!)
私の母は、病気で亡くなったが、その末期頃には宗教関係者が信心しなさい、仏壇や花瓶を買いなさい、寄付をしなさい等々言われ、そうすれば、救われる、楽になれると言われたようです。しかし、それらには何ら理論的な根拠はないし、結果的に、実際に救われる部分が発生しなかったら、「信心が足りなかったのです。」で終わりになったらしい。
私は、現状を素直に受け止め、ポジティブに考え、出来るだけ、笑える環境を自分の周りに作ることが一番大切だと思う。 (宗教をすべて否定するつもりはありません。生活の規範となる教えを、心豊かになる教えを授けてくれる立派な宗教や指導者も多くあると思います。ただただ、心が弱っている人の中へ、薄汚い気持ちで、泥足で入り込むような宗教(者)だけは、絶対に許せないのです。)
26日目 5/13 FRI
放射線治療は1日10-15分程度で、最初の頃は、全く疲れなんて感じていなかったのだが、最近は食欲不良もあり、治療の後は、ベッドの上で休むようになった。 ひどい倦怠感はないが、やっぱり疲れ気味になっているようだ。
抗癌剤投与は月曜日なのだが、その影響は多分2-4日後が一番応えるのかもしれない。
入院して1カ月経過、治療も大体予定の半分位終わった計算になるが、この後、後半の1カ月位がしんどいらしい。 時間との勝負、時間が解決してくれると考える。特に、この癌は、完治している例が多いので、予定通りのスケジュールで、これだけやれば大丈夫だと考えられるようになったので、頑張る気力は維持できると思う。
いずれにしろ、病気になって治療を受けるのは大変苦痛です。この苦痛を受けないためには、普段から健康管理を意識して、節度ある生活習慣を維持することの方が、どんなに楽なことか、大事なことか分かります。
27日目 5/14 SAT
私が色々と頼んでいた差し入れをwifeが持参してくれた。ゼリー状か液体のものが主体だが、私の希望で海苔の佃煮や味噌風味ペースト等も作って持ってきてくれた。 食欲がないから、何か味を感じられるものやすっきりするものを口に入れたいと思う。
無糖のコーヒーゼリーはコーヒーの味が感じられて食べ易く、1個食べたら、食べ過ぎたように胃が少しもたれる感じになるので、少しずつ味わうだけにする。
「美味しいものを美味しく食べられる幸せ」が早く来てくれますようにと祈っています。
28日目 5/15 SUN
昨日と今日は放射線治療はないのだが、日々、味覚の劣化が激しくなっているようだ。入院食が食べ難いので、コンビニでざるそばを買って食べることにトライしたが、半分も食べられず、自分の味覚も大きく変わっていた。(通常は、あっさりした食感で、味もすっきりして、軽くスルスルと食べられたのだが・・)
今、食べられるものは、ヨーグルトや飲み物、ゼリーとおかゆ(7分かゆ) おかゆの味付けは、にんにく味噌とゆず味噌が一番合った。ラー油うま味ミックス、ぽん酢、梅みそ、ショウガ味、ドライカレー等を試したが、頭で想像していた味と違い、不味く感じて食べられないものが多い。
兎に角、体重を落とさないように、何かをどうにかして食べなければならないと思う。 PEG(胃瘻)は出来るだけ使いたくないのです。
29日目 5/16 MON
4回目の抗癌剤投与。 朝食のパンも食べ辛くなっているので、コンビニでうどんを買って食べてみたが、1週間前と味覚も食感も違い、1/3も食べられなかった。 医師の検診もあり、食欲不振、味覚異常、口腔内の乾燥症状など、すべて予定通りの想定範囲内であり、計画通りだそうです。この予定では、6月9日頃までひどくなり、6月中下旬頃から回復してくるでしょうという診断でした。(後2-3週間が厳しいが、1カ月先には楽になると信じています。完全に味覚が戻るのは、経験上2-3カ月先になるでしょうとのこと、持久戦です!)
私は、生まれてから72年余り、人生で一番辛い出来事が、現状のこの入院、闘病生活だと思っている。良く考えてみると、これまで生きてきた私は、この入院生活、この程度の苦しい思いをした事のないような楽な人生を過ごさせて貰って来たということなのでしょうか! これからどのような人生になるか未定だが、少なくとも、これまでは、楽しく良い人生を送ってこれた事に対して、wifeを始め、子供、孫、兄弟、親戚、仕事の仲間、近所の人、その他すべての関係者に感謝しています。(笑) つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.05.17 20:51:53
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