2019/03/25(月)08:24
青春18切符の旅 蒲郡市生命の海科学館(前編)
青春18切符の旅。
岐阜駅前の喫茶店でモーニングで朝食を済ませ、JR東海道本線特別快速に乗車。
蒲郡駅で下車し、「蒲郡市生命の海科学館」へやってきました。
外観。
入館してすぐのクジラの化石。
こちらは以前、土屋健さんのトークイベントに参加したときに、オススメの古生物系の展示がある博物館の一つとして、名前を聞いていた所です。
それで今回訪れて見たのですが、
・充実した展示
・アクセスや開館日が便利
・スタッフの方が親切
と大満足でした。
○充実した展示
当たり前ですけれど、まずは展示物が充実していないとですよね。
私は古生物系の展示が好きなので、その古生物系で面白かった展示を3つ。それ以外で1つご紹介。
まず古生物系。カンブリア紀バージェス頁岩の化石、シーラカンス(類)のリビス化石、イクチオサウルスの化石です。
1つ目、バージェス頁岩(カナダのブリティッシュコロンビア州の山中)で発見された古生物の化石。
これのすごい点3つ。古い。造形美。ストーリー。
まず古さ。
カンブリア紀、約5億年前です。
展示では5億2千万年前になっていますね。
上で、「約」をつけて切り捨てた端数は2千万年。
人類の歴史は約700万年と言われています。
「二本足で直立歩行しているから、これはサルじゃない、人!」というレベルの猿人の歴史をいれて700万年です。
切り捨てた端数に、人類の歴史が3回分入るくらい過去です。
……回りくどくて却って伝わりにくい気がする。
恐竜絶滅(約6600万年前)よりまだ、4億3千4百万年以上昔です。
そんな古い時代に、これ(眼の前の化石)が生きて動いていたんだなぁと想像するとワクワクします。
次に、形が面白い。
実物の化石に対応して、生きていた時の復元図も展示されていますので、それも合わせて。
沢山の種類が展示されていますが、カンブリア紀の代表的な所でまずアノマロカリス。
上が復元図。下が実際に展示されている化石。化石は二本の触腕の片方ですね。
そして、ハルキゲニアとピカイア。この2種の実物化石は世界的にもレアで、日本で他に観れる所は中々ないそうです。
ハルキゲニア。化石の方もよく見ると、足先の爪が確認できます。
ピカイア。化石に筋節が残っているのが見えます。
どれも特徴的で面白い形をしていますが、実際に生物として成り立っていたと言う前提のある造形です。
そこにとても魅力を感じます。
さらにアノマロカリス、あの形で最大1mになったと言われています。
生きている所を見てみたかった。
最後に、それぞれが面白い逸話を持っています。
アノマロカリス、日本語にすると「奇妙なエビ」。
理由は、最初に見つかったのが触腕の部分だけで、そこがエビの後方部分と思われたから。
こんな感じでしょうか(雑コラ)
ハルキゲニア。
1977年、最初に描かれた復元画は1992年になって「実は上下逆さまでした!」と分かり、さらに2015年になってようやく「前後」が確定しました。
なので、おそらくこの復元画は「前後」が確定する前に描かれた物なんだろうなと思います。
そんなハルキゲニアは日本語で「幻惑するもの」。
ほんまに名前通りの活躍(?)ですね。
ピカイア。
先の生き物たちよりも地味目な姿ですが、脊索動物です。
つまり、背骨を持つ我々人類に継る、最古のご先祖様なのです!
……と言われて、少し古い古生物の本では結構な扱いだったのですが、その後、もっと古い時代の地層から、魚類の化石が発見されて最古のご先祖様の座を譲る事に。
それ以降は、扱いが若干地味になっています。
古生物界も意外と人気商売です。
ちなみに、ピカイアからセンター最古のご先祖様の座を奪った魚類も展示されています。
しっかりと、「最古」をアピールしていますね。
そして魚類繋がりで、2つ目のお気に入り、シーラカンス(類)のリビス化石。
これはぐっと時代が新しくなって1億5千万年前。
それでも大概の古さですが。
この化石はとにかく保存状態が良く、綺麗です。
「世界で最も大きく、美しい標本です」という展示解説は伊達では無いですね。
シーラカンス類は背骨を持たず、チューブ状の脊柱を持ち、それは化石に残らないのですが、その「背骨がない」特徴をしっかりと観察できます。
余談ですが、発見地のソルンホーフェンの石灰岩は、リトグラフ用の石版としても使われていました。
むしろもともとその目的で採掘されていて、その採掘中に化石が発見されたりしていたようです。
ミュシャの展示会を見に行った時に、この事(リトグラフ用石版の産地がソルンホーフェン)を知って、色々つながりがあるなぁと面白く思った事を覚えています。
最後の3つ目のお気に入り、サイズがどーんと大きくなって、イクチオサウルスの化石です。
大きな化石はやはり迫力があります。
約9000万年前に絶滅したと言われている、魚竜の仲間。
この化石もシーラカンスと同じく、綺麗です。
この化石の特徴は、食べていた物の痕跡が残っている事。
化石の肋骨の間をライトで照らすと、黒く光るものがあります。
これは、イカの体の一部が化石になった物だそう。
とても細かいですが、館内のスタッフさんに聞くと場所を教えてもらえます。
以上、古生物系の展示でした。
古生物系以外で一つご紹介。
隕石です。
これはマーチソン隕石。
水や有機物を含む、珍しい隕石です。
水はおおさじ一杯分ほど含まれているとの事。
採水地:「宇宙」の水です。ろまん。
ちなみに2018年、小惑星「リュウグウ」に小惑星探査機「はやぶさ2」が到達しました。
「リュウグウ」は「水や有機物が含まれていると考えられている」タイプの小惑星ですが、そのタイプの小惑星と、このマーチソン隕石の関連が考えられているそうです。
「はやぶさ2」が地球に帰還した時には、この隕石も話題になるかも。
今ならゆっくり観られます(笑)
今回紹介した以外にも、興味深い展示が沢山あり、大満足でした。
だいぶ長くなってきたので、続きは後編でー
読んでいただいてありがとうございました。
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