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2005/11/16(水)23:29

女性の活力を 組織の活力へ ゴーンさんが語るダイバーシティ

 私のメインの研究テーマにダイバーシティマネジメントがある。人材の多様性を企業の競争優位に活かすという、人事戦略をいう。初めて米国視察で知ってから10年近く。ようやく最近日本でも本格的に動き出しはじめた。 この考え方を取り入れた企業とそうでない企業、こんご大きな差が開くだろう。 今年2月、日産本社にてカルロスゴーンさんの基調講演などからなる、ダイバーシティのシンポジウムが開催された。主催は、NPO法人社会責任フォーラムとNPO法人女子教育奨励会など。私は2時間前にいって、一番前で生!カルロス・ゴーンさんを拝顔し、そのシンプルでわかりやすく力強い言葉に大感激でした。その模様を少しご紹介します。 競争力ある組織へ-CSRとしてのダイバーシティ 女性の活力を 組織の活力へ 1.カルロス・ゴーン氏発言要旨(日産自動車CEO) ●日産自動車のダイバーシティの考え方 ・顧客の価値が多様化する現代において、多様性のある社員を持つことは企業にとって大変な強みとなる。特に女性を活用することは非常に重要だ。  その理由の一つは車購入意思決定への女性の関与である。日本のマーケットでは30%が女性自身による購入、30%が意思決定への参加による購入であり、購入の60%に女性がなんらかの関与をしている。これまで日産は女性をあまり好きではなかった。女性のための車作りをしてこなかった。ビジネスニーズに対応できていなかったのだ。その意味でダイバーシティマネジメントの導入は、比較優位性の確保に不可欠である。 ・ダイバーシティデベロップメントオフィスでは、性別・国籍・さらには人それぞれの個性や価値観の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、日産での更なる活躍を推進しその結果、組織としてのより高い価値を生みだすことを目的として活動している。  第一ステップとしては、ダイバーシティの中で特に緊急度の高い「女性の能力活用の推進」をテーマとする。 ・現在、日産の女性管理職比率は1.6%。自動車産業全体では1%未満でそれに比べると高いほうだが、北米日産は20%であり日本の低さは際立っている。職場は市場のミラー(鏡)でなければならない。問題を抱えた時と同じ考え方では行動は変わらない。変革の種をまくことが重要だ。 ・変化に対応していくのか、変化を引き起こしていくのか。日産は変化を引き起こしていくことを選択した。 ・優秀な人というのは「並外れた強い意志をもった普通の女性である」といいたい。 結果は必ずついてくると確信している。

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