2005/11/18(金)00:27
ゴーン氏が語る日産のダイバーシティ戦略2
日産自動車は、昨年から社内にダイバーシティデベロップメントオフィスを立ち上げ、本格的な取り組みをスタートした。その活動は多岐にわたる。
ダイバーシティは全社的に行われなければ効果はないが、そのことをよく理解しているゴーン氏のコミットメントのもと、強力な推進体制が確立されたわけだ。
主な活動には以下のようなものがある。
●ダイバーシティ活動の詳細
1.女性のキャリア開発の支援
・キャリアアドバイザーを設置して、面談を通じたアドバイスにより個々の能力や適性が活かされるような適材適所を提案している。また、日産で活躍する女性社員をロールモデルとして紹介し、キャリアアップに役立つ研修・プログラムを実施している。
・厚木テクニカルオフィスで400人を集めたキャリアイベントを開催予定
・キャリア開発研修実施。イントラネットによるキャリアインタビュー実施。
2.「ダイバーシティマインド」の定着促進
・男女を問わず社員一人ひとりがダイバーシティを尊重し、より高い価値を生み出す組織への変革を目指し、管理職を対象としたダイバーシティセミナーや各種インターナルコミュニケーションを実施している。
・ダイバーシティネットワーク(50人のマネージャーと女性代表によるネットワーク)の推進
・文化の変革(意識啓発)のイベントを年間60回開催予定
3.ワークライフバランスの推進
・ワーク(仕事)とライフ(プライベート)を両立させることは、今後の日本社会における課題の一つであり、日産においても女性の活躍を一層加速するためには不可欠な要素ととらえている。すでに導入されている出産・育児・介護に伴う制度の運用状況を確認し、より使いやすいものに改善すると同時に、社員のニーズをつかみ新たな施策の実施についても検討している。
・厚木で託児所を解説予定。
・育児休業の時間延長、就業時間の柔軟性に配慮する。
<男性のワークライフバランスへの質問に答えて>
・勤務時間を8時間と固定して考えることは難しい。その時点でフレキシビリティがなくなっている。もちろんオーバータイム(残業)はなくしたいし、有給休暇の取得も99年の11日から2004年は17日へと向上している。量よりも質の問題で、取りやすくするということが重要だ。1日8時間勤務と決めるよりも、自分にとってのいいバランスというのがあるはずだから、それを明確にすることが大事だ。
・今後米国日産でIBMをベンチマークしながら、在宅勤務(テレワーク)のテストを実施する予定である。時間のために雇っているのではない。貢献にフォーカスすることが重要である。