チンパンジーとヒトの違い。理化学研究所などでつくる国際共同研究チームがチンパンジーの22番染色体とヒトの染色体を比較した結果を、5/27日付の英科学誌ネイチャーに発表しました。生命の設計図と呼ばれるゲノム(全遺伝情報)の暗号文字(塩基配列)の違いは約5%でしたが、それを基に作られる遺伝子は8割以上で違いがあるそう。研究チームは「両者は進化の隣人と呼ばれるが違いは想像以上に大きい。ヒトへの進化をもたらした遺伝子の解明は簡単ではない」と話しています。 チンパンジーとヒトの祖先は共通で、チンパンジーの22番染色体はヒトの21番染色体にあたります。研究チームは、チンパンジーの22番(3350万塩基)の配列を昨年夏に決定し、既に解読済みだったヒトの21番と精密に比較しました。 これまで、ヒトとチンパンジーの塩基配列の違いは1%余りとされていましたが、今回の研究で、両者で塩基の種類が変わっている部分が1.44%あったほか、塩基配列が加わったり、逆に欠けている部分が約6万8000カ所も見つかり、合わせた違いは5.3%になるそうです。 また、染色体上の遺伝子231個を両者で詳しく比べた結果、192個(全体の83%)で、遺伝子が作り出すたんぱく質にも違いがあったとか。 エイズウイルス(HIV)のように、ヒトにもチンパンジーにも感染するけど、ヒトでしか発症しない病気などの仕組みも遺伝子の比較から分かる可能性があります。理研の榊佳之・ゲノム科学総合研究センター長は「DNAのわずかな違いの積み重ねが、ヒトとチンパンジーの遺伝子の違いを生んでいる。今後は、特定の遺伝子同士の比較や、人間の病気の解明につながる研究に発展させたい」と話しています。 ヒトとチンパンジーの子供の知能を比較した時に、3歳まではチンパンジーの方が高く、それ以降、ヒトが追い越すと聞きました。 ヒトの場合は知能が低くても、環境がフォローしてくれます。動物界で10ヵ月も歩けない子供なんてヒト以外そういないと思うし。 チンパンジーとヒトが何年くらい前に分岐したかは知らないけど(調べろよって…?^_^;)過酷な環境に対応してそれぞれ進化してきた動物同士の塩基配列の違いが5.3%で済んでいるのも凄いと思います。 ちなみに、生物の分類は、分類の大きい順から 界(kingdom) └門(division/phylum) └綱(class) └目(order) └科(family) └属(genus) └種(species) と枠の名前がつけられています。 ヒトは『動物界-脊索動物門-哺乳綱-霊長目-ヒト科-ヒト属-サピエンス』 チンパンジーは『動物界-脊椎動物門-哺乳綱-サル目-真猿亜目-狭鼻下目-ヒト上科-ヒト科-チンパンジー亜科-チンパンジー属Pan-troglodytes』 だそうです…。 ニホンザルとチンパンジーより、チンパンジーとヒトの方が近いんですね。 ジャンル別一覧
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