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2008.08.03
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カテゴリ:■一日一賢
今日の一日一賢



■森林再生をめざす市民活動はいま(1/2)





 豊かになった暮らしにあぐらをかき、自然を放置してきたその報いを課せられている日本の森林。工業先進国でありながら、豊かな森林資源に恵まれた「緑の列島」はいま、荒廃の一途をたどっている。

 「急がなければ大変なことになる、手遅れになる前に自分たちの手でなんとかしなければ……」。健全な森づくりに励み、限りある森林資源の再生に尽力を注ぐ人々に、日本の森林の現状について話を聞いた。



機能が止まった日本の森林





適切な時期に枝打ちや間伐が行われていないスギ林。林内
は暗く下草がほとんど生えていない。雪や台風などの自然
被害も受けやすくなる



 日本は国土の約7割を森林が占める、森林資源に恵まれた国だ。そのおよそ4割は、下刈りや間伐(かんばつ)、枝打ちといった手入れを必要とする人工林なのだという。森林は林業に携わる人たちの糧となり、戦後の住宅建築ブームも手伝って大変な繁忙期を迎えた。しかし、64年に木材の輸入が完全に自由化されると、東南アジア、北米、ロシアなどの諸外国から輸入される安価な木材に押されるようになり、97年には、日本の木材の自給率は約20%にまで低迷した。

 人々の生活は豊かになった。だが森では、担い手の数が年々減り、人工林は手入れされなくなり荒廃していった。土壌は痩(や)せ、雪や台風からの影響をもろに受けやすくなり、今では地域存続の危機に及んでいる場所もある。



多様な人材が集まる森林ボランティア





森づくりフォーラム事務局長の坂井武志さん



 「ぼくらは子どもの頃から自然と一緒に暮らし、生活をする上で自然との共生は不可欠だった」幼少期を懐かしみ、現在の森林のありようを嘆く坂井武志(さかいたけし)さんは、「特定非営利法人 森づくりフォーラム」の事務局長。彼が森林ボランティアに携わったのは今から23年前のこと。グラフィックデザイナーとして活躍していた当時、森林が大変な状況下にあることを有識者に伝えるためのパンフレットやポスターなどの制作依頼を受けたことが、活動に入るきっかけとなった。

 70年代を皮切りに、荒廃した日本の森林を再び取り戻そうと全国各地で誕生した森林ボランティアは、現在では1000団体を超え、森林所有者や企業、行政機関、専門家とともにそれぞれのグループが、それぞれのフィールドで活動を繰り広げている。

 東京を拠点に活動を行う森づくりフォーラムは、坂井さんが生涯のライフワークとして、特定非営利法人となる前からかかわってきた団体で、全国で森林再生に携わる人々からの情報が集まる拠点にもなっている。





市民の手で植えた木が周りの草に負けてしまわないよう下刈り
を行う。夏に行う作業で、暑さとの戦いでもある(神奈川
県相模原市の「さがみの森」にて)



 「僕は専門家ではないので、専門的に森を守ることはできないが、森のためになにかしたいと思っている人に、日本の森の現状を伝えることはできる。たとえ狭く小さな森でも、手入れをすれば確実に変わる。その結果を多くの人に知ってほしい」

 ボランティアの手によって再生できる森林は、日本の人工林全体から見ればわずか1%にも満たないという。「我々の力が日本の森林再生のための強いインパクトを持ち合わせていないことは重々自覚しています。ではなんのために森に入るのか。まずは自分自身が森に癒やされたいから。そして多くの人に日本の森林、ひいては自然について考える“気づき”を提供したいからです。気づきがやがて大きなうねりになり、大きな束になってくれれば」



明日へ続く















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最終更新日  2008.08.20 16:38:41
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