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カテゴリ:健康・病気
■「幻視」には、どう対応するのか?(その2) この相談メールに対して私は、以下のような返信文を同日送付致しました。長文の返信メールを一部改変してご紹介します。 -------------------------------------------------------------------------------- ○○○○様 私に分かる範囲で回答します。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ > うつ病と診断されました。その後、パーキンソンと診断されました。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ レビー小体型認知症は、「うつ病」や「パーキンソン病」と誤診されるケースは多いです。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ > 認知症の他に不安障害があって、むしろ、そちらの方が厄介です。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ アピタル「ひょっとして認知症?」のシリーズ第20回『幻視が特徴の認知症とは』に疾患の概略を書いておりますのでご参照下さい。以下に重要な部分を抜粋してご紹介します。 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)は、進行性の経過をたどり、平均的には約数年で8割程度の方が高度認知症に至り寝たきりとなります。 まだ根本的な治療法はありません。しかし、アルツハイマー病治療薬の塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト)が、比較的効果を出すことがあります。ただし、アリセプトはDLBに対しては保険適用されていません。 また、初期の精神症状や幻視に対して、抑肝散という漢方薬が効果的なことも分かってきています。 「軽度~中等度DLBにおいて、メマンチンは全般改善度や行動障害抑制効果に関してプラセボと比較して有意に優れていた(199例のプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験)」【藤本健一:メマンチン. Geriat Med Vol.49 777-780 2011】というデータもありますから、アリセプトが有効でない場合には、メマンチン(商品名:メマリー)も候補薬の一つになる可能性はあります。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ > NHK特集で報道されていた「レンバー」は、2012年のいつ頃認可されて飲めるようになるのでしょうか? レビー小体型認知症にも効くのでしょうか? -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ レンバーに関しては、私も関心が高く、「ひょっとして認知症?」の第91回『シリーズ・アルツハイマー病の根治療法について(3)』にて紹介しております。 レンバーは、アルツハイマー病の原因の一つである「タウタンパク」に対する薬剤であり、アルツハイマー病に対して効果が期待されているものです。 レビー小体型認知症の原因は、αシヌクレインの異常蓄積によるものであり、タウタンパクは絡んでいませんのでレンバーの効果は期待しがたいように思います。 いずれにしても、最終臨床試験で効果が確認されれば、2~3年後には新薬として登場する可能性はあります。 -------------------------------------------------------------------------------- (つづく)
笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール 1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。 趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.16 04:55:51
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