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2012/06/05(火)05:06

■ひょっとして認知症? 【383回】 「交流がなければヒトは生きていけない」

健康・病気(658)

■【383回】 「交流がなければヒトは生きていけない」 [12/04/19] ■言葉がなくても意思は通じる (その2) 2012年1月22日放送されたNHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」において紹介された『Psychogenic Diseases in Infancy(幼児の精神的な病気)』という論文内容はとっても印象深い内容でしたね。戦後間もない1952年にアメリカにおいて発表された論文です。 NHKスペシャルにおいては以下のような内容で論文が紹介されました。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 「91人の親の居ない赤ちゃんを調べたところ、2歳になるまでに37.3%、実に3人に1人以上が命を落としていた。 最も重要な栄養と衛生環境は満たされていた。他に何か欠けているものがある!調査の結果みえてきたのは、コミュニケーションの欠如(lack all human contact)だった。 幼児に対する話しかけはほとんど行われず、子どもは独りぼっちだったのだ。心を分かち合うような交流がなければ、人は生きていくこともできないということだろうか?」 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- ◇    ◇ シリーズ第106回『ひょっとして閉じ込め症候群?(3):眼の動きでコミュニケーション』において、言語によるコミュニケーションが困難となっている患者さんに対するコミュニケーション手段の一つとして意思伝達装置があることをご紹介しました。 音成(ねしげ)神経内科クリニックの音成龍司理事長は、「NIRSを応用して、“yes, no”といった意思表示を知ることができる。具体的には、“yes”の場合には右上肢を動かす努力をするように指示する。実際に右上肢が動かなくても指示情報が脳に届き、その運動に対応した部位の大脳の血流が増加する。この増加の有無をNIRSで検索するのである。この方法を用いると、数秒以内で“yes, no”の意思伝達が可能である。」(岩田誠,河村満・編集:ノンバーバルコミュニケーションと脳-自己と他者をつなぐもの. 医学書院発行, 東京, 2010, pp121-136)と述べています。 (つづく) 出典:[アスパラクラブ:ひょっとして認知症?] 笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール  1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。  趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。     ■マイQ盤ジャケット ■賢人生活塾

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