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2020/06/01(月)05:00

#2014.『イーダ』

映画専科(1487)

アカデミー賞 アカデミー賞(Wikipedia) 『イーダ』(ポーランド・デンマーク)(Ida)(2014年) 外国語映画賞 監督 パヴェウ・パヴリコフスキ 主なキャスト アガタ・チュシェブホフスカ, アガタ・クレシャ, ダヴィド・オグロドニク ストーリー 共産主義体制のポーランドを出てヨーロッパ各国で映画を撮り続けてきた映画作家パベウ・パブリコフスキ監督が、初めて母国ポーランドで撮影した作品。第87回アカデミー賞では、ポーランド映画初となる外国語映画賞を受賞した。歴史の波に翻弄された戦後ポーランドを背景とした少女の成長物語を、モノクロ&スタンダードによるクラシックな映像美で叙情的に描いた。60年代初頭のポーランド。孤児として修道院で育った少女アンナは、初めて会ったおばから自分の本当の名前がイーダ・ベルシュタインであること、そしてユダヤ人であることを明かされる。両親はなぜ自分を捨てたのか、自身の出生の秘密を知るため、イーダはおばとともに旅に出る。(映画.comより) レビュー ●日本に入ってくるポーランド映画は、本当に溜息が出そうな素晴らしいものばかりですが、これもまた傑作。 主人公のイーダは18歳。舞台は1962年のポーランド。これがナチスがポーランドに侵攻してから23年目という時代であるということを念頭に置いて見ると、よりいっそう胸にせまるものがあると思います。そして私は鑑賞後に解説を求めていろいろなサイトを見てみたのですが、イーダがユダヤ系の名前であることや、冒頭にあるキリスト像を修復するシーンは教会弾圧が終わったことを示しているという点も、事前に知識として持っていれれば良かったと思いました。 ユダヤ人としてのルーツを巡るというテーマは重いものですが、映画は修道院での世界しか知らない少女と、酔っ払いの不良叔母さんのロードムービーとしてとても面白いものです。煙草プカプカ、酒をガブガブ、男にはだらしない、そんな初めて見る人種が自分の叔母であるという戸惑いと、ユダヤ人としてのアイデンティティーとキリスト教の教えの狭間で揺れる少女の成長物語としても魅力的なものです。最後にちょっと羽目を外すイーダはまた修道院に戻るのかどうか?、淡々としていながら結構グイグイ引き込まれる映画です。 白黒・スタンダードサイズ。これ画面の上部がぽっかり空いたすごく変わった不思議な画面取りで、最初はワイド画面にマスキングする前のものなのかな?と思った程でしたが、ずっと見ているとこの構図の魅力にもすっぽりハマります。やはり傑作です。 出典:Amazon.co.jp ★コメント ○口数の少ない無表情の少女が、却って戦争の悲しさを物語っていますね。

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