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2023/01/08(日)05:00

△日本百名山 No.057「笠ヶ岳」

旅行専科(1445)

●笠ヶ岳 かさがたけ 岐阜県 2,898m/ 下山路から笠ヶ岳 コース:笠ヶ岳山荘→20分→笠ヶ岳山頂→1:40→雷鳥岩→40分→水場→1:00→錫杖沢出合→1:20→槍見温泉→5分→中尾高原口バス停 今日が北アルプス全山縦走の最後のコースである。笠ヶ岳山頂からクリヤ谷に下った。天気はよくなかったが、それでも稜線の展望はすばらしくて、さらにクリヤ谷からは岩峰群を眺めることもできた。 登山記録:2008年9月25日 笠ヶ岳山荘から笠ヶ岳へ 今日が北アルプス縦走の最終日である。と、同時に日本アルプス全山縦走計画の締めくくりでもある。このプロジェクトをスタートさせて4年たってしまった。何かしら感慨ひとしおである。 今日は笠ヶ岳の山頂を踏んでからクリア谷を下るのだ。 笠ヶ岳登山者のほとんどは新穂高温泉からシャクシ平経由で登って、その道を引き返すのだ。クリヤ谷への縦走コースはそうとうきついらしいのだが、あえてチャレンジするのだ。(きついはずで、笠ヶ岳山頂から槍見温泉までは標高差で1900mも下るのだ。) テントを畳み終えたのは6時ちょっと過ぎ、岩だらけの急斜面を登って小屋に着いたのは6時35分であった。 空は厚い雲に覆われているのだが、振り返ると、抜戸岳に続く稜線がよく見えた。槍・穂高には雲がかかっている。 岩礫の急斜面をジグザグに登って行く。25分ほど急登すると祠のたつ山頂に着いたが、ここが山頂ではない。この祠のピークから左に痩せた尾根続いていて、その先に本当の山頂があるのだ。 山頂は岩礫に覆われていて、そこに二等三角点があった。天気が崩れそうなので、記念写真を撮ってすぐに下山を開始した。 笠ヶ岳山荘 笠ヶ岳への登り 笠ヶ岳山頂 笠ヶ岳から雷鳥岩へ 岩礫が累々と重なるガラガラの急下降である。足場が不安定ですごく怖い下りであった。岩につけられたペンキ印でルートを確認しながら下る。ようやくガラガラの急下降が終わって、土の道を行くようになる。それでもかなり急な下りは続く。行く手の展望は開けていて、長い尾根が蛇行するように続いている。尾根の左には川の流れが見えた。これは上高地を流れる梓川なのだ。 30分ほど下って行くと、雲がたれ込めてきて山頂は隠れてしまった。下からも雲が湧き上がってくる。間違いなく天気は悪くなってきている。ガイドブックによると、クリヤ谷は増水すると徒渉できずに通行不可能になるという。急がなければいけない。 下って行く尾根の向こうには二つのピークを持つ山が見え、その右斜面をトラバースする道が見えた。長い下山路である。 どんどん下って行くと尾根が狭まってくる。この痩せ尾根の左はすさまじい断崖絶壁になっていた。断崖を恐る恐るのぞき込んで写真を撮ったのだが、足がすくんだ。 ハイマツの道を下って行き、見えていた二つのピークが近づいてくる。この山の右をトラバースして行くのだが、その道には大きな岩がゴロゴロしていて、すごく歩きにくかった。 二つのピークのトラバースが終わってほっとしたら、目の前には再び大きな山が聳えていた。この山の斜面を同じようにトラバースして行く。けっこう急な登りになって、息をきらして登って行くと、ハイマツの向こうに大きな岩が見えてきた。これが雷鳥岩であった。 雷鳥岩というのだから、雷鳥に似た形の岩だと思っていたのたが、どう眺めても雷鳥には見えなかった。ここで休憩、笠ヶ岳山頂から下り始めて1時間半たっていた。 厚い雲がどんどんたれ込めてきて、少し寒くもなってきた。 雷鳥岩から先には岩峰のピークが見えている。これがクリヤの頭だろうかと思う。 山頂からの下り 行く手に二つのピークが見える 二つのピークの山腹をトラバースする 雷鳥岩 雷鳥岩から槍見温泉へ 雷鳥岩からハイマツの斜面をトラバースして行き、振り返ると、下ってきた道を一望できる。すさまじい岩峰の連なる尾根で、こんなところから下ってきたのかと我ながら感心してしまった。灌木の中に入ったところに「槍見温泉まで5.5km」の指導標があった。 行く手にはクリヤノ頭がどんどん近づいてきて、このピークを越えるのかと思っていたら、その鞍部から左に下ってしまった。(ガイドブックの地図ではこの岩峰を通過してから下るようになっているのだが、ルートが変わったのだろうか。) 岩がゴロゴロする急斜面を下って行く。すさまじい急下降の後、ようやくと笹藪の間を行くようになった。それでも道にはあいかわらず岩がゴロゴロしていて、すごく歩きにくい。 笹の間を下って行くと沢の流れの音が聞こえてきて、流れにぶつかった。でも、登山道はこれを渡ることなく、右にターンして沢から離れて行く。登山道は尾根に沿って斜めに下って行くのだ。 山の斜面を下って行くと、山腹の所々に岩壁がそそり立っているのが見える。笠ヶ岳の南稜は岩峰の連なりなのだ。 槍見温泉まで3.9kmの指導標を過ぎて、さらに10分ほど行くと、道は灌木の中に入って行く。二つ目の沢の流れが右に現れたがこれも渡ることなく、この沢に沿って下って行く。大きな木が目立つようになって、行く手に二つのピークのなだらかな山が近づいてくる。右の尾根を見上げるとすさまじい岩塔がそそり立っている。どんどん下ってブナの木が目立つようになると沢を渡った。これが錫杖沢のようである。 ブナの林の中を下って沢の流れを渡ると、すぐ先で今度は涸れた沢を渡る。そこには槍見温泉2.5kmの指導標があった。時間は10時42分であった。中尾高原口から高山行きのバスは12時54分を予定していたのだが、この調子なら11時54分に乗れるのではないかと思ってしまった。急いでみることにした。 少し行くと沢の流れに沿って下るようになった。 沢の流れを渡る。ガイドブックでは沢にかかる橋はないので増水時は下れないと書いてあるのだが、水量は少なくて簡単に渡ることができた。沢の水はすごく澄んできれいなので、何度も立ち止まって写真を撮ってしまう。 沢に沿って下ってすぐにもう一度沢を渡り返す。 その先に岩屋があった。これがクリヤノ岩屋である。 樹林の中をどんどん下って行く。沢に沿った道なので急下降をしたり、大絶壁の下を通ったりする。ふと見上げると絶壁の屏風のような連なりが見えた。クリヤ谷のすごさというのはこの光景にあるのだ。すばらしい大絶壁の眺めが続く。足下が岩だらけで急な下りだというのに、ついこの絶壁を見上げてしまうのだ。 流れを再び渡ったのは11時25分で、この先は樹林の中の緩やかな道が続く。でも、バスの時間が迫っている。走るように登山道を下って、槍見温泉前の登山口に着いたのは11時47分であった。ここからバス停までは5分である。舗装道を走って行って、立派な橋を渡ると、そこにバス停があった。11時51分であった。間に合った。 予定の時間より少し遅れてバスは来た。 バスで高山に行って、そこからJR線と電鉄を乗り継いで、車を置いてある折立まで戻らなければいけない。 高山に着いたが、富山行きには3時間もの待ち時間があった。せっかくなので、高山の観光をすることにした。 雷鳥岩から尾根を行く 稜線から急下降する 指導標があった 沢に沿って下る 岩屋があった 槍見温泉に着いた 中尾高原口バス停 参考:日本百名山

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