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カルメンチカの部屋

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2004.10.25
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●スペインが世界に誇る美術館
 所蔵絵画8000点以上、ベラスケス、ゴヤ、グレコらスペインの画家をはじめ、ラファエロ、ボッシュ、ルーベンスなどの名作も数多く展示され、世界3大美術館としてパリのルーブル美術館、ロンドンのナショナルギャラリーと並び称される。ほかの2つの美術館との違いは、盗品や剥奪品の類がいっさいないことだ。ここにあるのは、メセーナ(学芸保護)の名のもとにレコンキスタを終えたカトリック両王からイサベル2世に至るスペイン王室によって、代々収集されてきたプライベートな家宝だ。王室の趣味が反映されているために、そのコレクションには偏りがあり、宗教的、宮廷的色彩が強いのも特徴だ。

●度重なる戦争のために建設は中断した
 プラド美術館の歴史は、1785年カルロス3世によって自然科学博物館の建設が計画されたことに始まる。建設の設計はフアン・デ・ビリャヌエボによるもので、スペイン新古典主義建築の代表作とされる。しかし、フランスとの戦争が始まると建設工事は中止され、進駐ナポレオン軍の軍隊の宿舎兼火薬庫として使われた。ナポレオンによって国王に任命されたホセ・ボナパルト1世が、ホセフィーの美術館の開設を計画したが、これもまた1809年の独立戦争によって頓挫。その後フェルナンド7世によって、工事が再開され、1819年王立絵画彫刻美術館として開館した。このフェルナンド7世の3番目の妻がマリア・イサベル・デ・ブラガンサで、彼女の進言により美術館の開設を決めたという。ベラスケス門から入ったホールには、プラド美術館の創設者として彼女の坐像が飾られている。

●王立美術館からプラド美術館へ
 王室の財宝が集められた王立美術館だったが、展示品は国王の私有財産であり、維持費も王室費用でまかなわれていた。開館日は週1回。入館には許可が必要だった。1868年にブルボン王朝が追放され、スペインが共和制となると、美術館を含む王室の財宝は国有化された。それにともない王立美術館は国立プラド美術館となった。その後も所蔵絵画は増え続けている。
■Paseo del Prado s/n(開)9:00~19:00(日曜、祝日は~14:00)(休)月曜、1/1、5/1、12/25、聖金曜日(料)3ユーロ(土曜日の14:30~、日曜、5/18、10/12、12/6は無料)国立ソフィア王妃芸術センター、ティッセン、ボルネミッサ美術館との共通券7.66ユーロ

●来場者を出迎えるスペインを代表する画家
 正門にはベラスケス、北門にはゴヤ、南門にはムリーリョの像が出迎えてくれる。北棟を入るとまず聖書を題材としたスペイン派中世絵画が、次にフランドル派の作品が並ぶ。ここで人気なのがボッシュの『快楽の園』だ。また、ドイツ派の作品は点数こそ少ないが、デューラーの『アダム』と『エヴァ』、グリエンの『人間の三世代』など質の高いものが揃う。

●名作が並ぶイタリア絵画
 1階北棟から南棟にかけてはイタリア絵画の14~16世紀の作品が集められている。巨匠ラファエロの『羊を連れた聖家族』をはじめとするコレクションもここに展示されている。デカメロンを題材としたボッティチェリの『ナスタジオ・テグリ・オネスティの歴史』はもとは4枚組の作品だが、ここに展示されているのはそのうちの3枚。残りの1枚はアメリカの資産家が所有しているという。ほかにもアンジェリコの『受胎告知』やヴェネツィア派、ティツィアーノの『キリストと十字架をささえる人』、その弟子であったティントレットの『胸を見せる貴夫人』など必見の作品が揃っている。南棟、イタリア絵画のさらに奥に進むと、エル・グレコの作品がまとめられている。グレコがトレドに来て最初に描いた『聖三位一体』や『サン・セバスティアン』、マリエリズムを昇華させた傑作『羊飼いたちの礼拝』、有名な『胸に手を置く騎士の肖像』などの作品が並ぶさまは、なにか神々しいような雰囲気さえ感じられる。

●現名作が並ぶメインフロアは2階
 2階はその面積の大半を、スペイン絵画とフランドル絵画で占められている。なかでもルーベンスの作品『三美神』は必見だ。バレンシア派、スルバランの『聖ペデロ・ノラスコ』やリベラの『聖フィリップの殉教』などの作品が並ぶ。

●スペイン王室の至宝ベラスケス
 中央の大きな展示室の周辺には、セビーリャ生まれの宮廷画家、ベラスケスの作品が集められている。なかでも『ラス・メニナス“侍女たち”』は最高傑作の誉れ高い作品で、絵の前にはいつも人だかりができている。ピカソもこの絵をモチーフに、数多くの作品を残した。ほかにも『織女たち“あるいはアラクネの寓話”』などの20点以上の作品が展示されている。

●現代絵画の先駆者ゴヤの作品を集めた南棟
 南棟の2階と北棟の3階にはゴヤの作品が集められている。なかでも『カルロス4世の家族』は、ゴヤの、そしてプラドの最高傑作のひとつといえよう。作品からは、ゴヤの人間に対する深い洞察力が見て取れる。同じ宮廷画家として王室を描いたベラスケスとの最大の違いは、王室に対する冷たい視線だろう。嘲りさえ感じられる。その次に目にとまるのが有名な『着衣のマハ』と『裸のマハ』。タペストリーの下絵描きであったころの作品も見られる。ほかにも独立戦争のときの惨状を描いた『マドリードの1808年5月3日“プリンシペ・ピオ山での銃殺”』、晩年に描かれた一連の作品“黒い絵”といった、ゴヤを語るときに欠かすことのできない作品群をいちどきに鑑賞することができる。

●カソン・デル・ブエン・レティーロ
 プラド美術館のすぐ裏に位置する別館。おもに19世紀の絵画を展示している。19世紀の二代巨匠マリアーノ・フォルトゥーニとエドワルド・ロサーレスの作品やフランシスコ・プラディーリャの代表作『狂女フアナ王妃』は必見。パンフレットの表紙を飾っているのは肖像画家フェデリコ・デ・マドラッソの傑作『ビルチェス伯爵夫人』。改装のため休館中。

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最終更新日  2004.10.25 10:38:36
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