カテゴリ:LIVEレポート
待望のキングクリムゾン来日公演行ってきました。
12年ぶりとなる来日公演だけど私にとっては人生初のクリムゾン体験。 初めて観ることが出来る生のロバート・フリップ。 もう開場前から胸が高まりすぎてドキドキが止まらない。 こんな興奮するライヴは久しぶりだね。 会場のフェスティバルホールも新装されてから初めて。 改装前は92年のアイアンメイデンのFear of the Darkツアー以来だから 23年ぶりですよ。 赤絨毯でものすごく高級感のある会場に変わってた。 これがまた興奮させられるね。 会場に集まったクリムゾンのファンはなかなかのおじさん率。 コアな空気が漂ってましたよ。 そういった雰囲気も含めてクリムゾンのライヴらしいね。 開演前に写真撮影や録音についての注意事項がアナウンスされる。 ベースのトニー・レヴィンがカメラを持ったら撮影可能といったことが アナウンスされてちょっとした笑いが起こるのも緊張を緩和していい感じ。 開演時間を10分ほど押したところでクリムゾンのメンバーが登場。 みんなビシっとスーツを着込んでまさに英国紳士といった風貌。 フロントにドラムの3人が座ってトリプルドラムの不思議な光景。 後ろの右端にロバートフリップが座る。 おもむろにヘッドフォンをかけるロバート・フリップ。 雰囲気というかオーラがある。 初めて観る生フリップに本当に実在する人物なんだねって思ったり・・・。 また緊張感に包まれる。 メル・コリンズがフルートを吹き始めてじわじわとライヴがスタート。 小曲を終わらせると今度はヴォーカルのジャッコ・ジャクスジクがギター弾き語りで 「ポセイドンのめざめ」収録の小曲"Peace - An End"をしっとりと聴かせてくれる。 歌いだしのところでエフェクター踏み誤って即座に歌い直すってことが起きた。 ロバート・フリップは表情ひとつ変えず見つめるだけ。 なんかこっちまでどんどん緊張してきましたよ。 でもジャッコの美声が素晴らしい! まるでグレッグ・レイクを思わせる。 曲間のフルートではメル・コリンズが君が代を披露してくれた。 サービス精神旺盛だね。 この曲が終わるやいなやようやくロバートフリップのギターがかき鳴らされる。 しかし音はヴォリュームペダルでじわじわと大きくなってくる感じ。 これはまさしくあの名曲"太陽と戦慄パート1" 長年聴いてきたこの名曲を生で聴けるなんて感動しまくり。 複雑なギターリフとそこに絡むドラム&ベースのリズム隊。 このリズム隊のお仕事も素晴らしいのなんのって。 ドラム3人が見事に役割が分けられていて完璧なアンサンブルを構築している。 リズム隊による音圧がとにかく凄い。 そのぶんトニー・レヴィンのベースがいまいち目立ってなかったかな。 太陽と戦慄パート1が静かに終わっていくと間髪入れず演奏されたのは"冷たい街の情景" ジャッコのヴォーカルがこれまたグレッグ・レイクに勝るとも劣らない素晴らしい 歌いっぷり。 さらには1stアルバム「クリムゾンキングの宮殿」から"Epitaph"ですよ。 46年前の名曲がまさか生で聴けるなんて・・・。 もう感動の嵐が収まらない。 自分自身が混乱しかけてる。 まさに歌詞通り混乱は我が墓碑銘、明日が怖い、叫び続けるだろうって感じ。 墓碑銘を刻み込んだあとは新曲のお時間。 1stの曲のあとなのにこれが全然違和感のない流れだった。 それほどしっくりくるいい感じの曲。 "Meltdown"の歌メロもまさにクリムゾンといったところ。 是非とも新譜を聴きたいと思いましたよ。 その流れで今度は2000年代クリムゾンの代表曲である"Level Five" これもまったく違和感の無い流れ。 今回のツアーではセットリストに80年代エイドリアン・ブリュー在籍のあの3部作からは 選曲されていない。 これが良かったのかもね。 再び70年代のアルバム「太陽と戦慄」に戻って"Easy Money" このややこしいリズムを3人のリズム隊がいとも簡単にこなし、サビ歌い終わりの 「ピヨヨヨ~ン」というヘンテコな効果音もちゃんと入れてくれた。 この変なところにも感動しまくり。 「Islands」からジャッコのヴォーカルが冴えわたる"The Letters"そしてそのあと "The ConstruKction of Light"を挟んでついにあの名曲のギターリフが・・・。 そう"Red"ですよ。 昔から聴き慣れたあのギターサウンドがまったく同じ音でここで再現されている。 座って聴かなければならないライヴだけど立ち上がりたくなった。 そこをじっと我慢するのが大変。 曲中で3人のドラミングがまるでQueenの"We Will Rock You"みたいなリズムになった のも影響したかな。 "Hell Hounds of Krim"というちょっとしたドラムソロを挟んでまたまたキラーチューン "21世紀の精神異常者"のあの印象的なギターリフが鳴り響く。 ロバート・フリップは相変わらず座ってたんたんと弾いてるだけなんだけどそこが かえって狂気じみた光景に思える。 ジャッコのエフェクトかけたシャウトも素晴らしい。 そして一番素晴らしかったのがメル・コリンズの狂ったようなサックスプレイ。 客席からの大歓声におどけて応えるメル・コリンズ。 お茶目でいい人そう。 そしてまたギター&サックスのユニゾンで複雑なリズムの間奏を完璧にやってのけた。 もうため息しか出ませんよ。 凄すぎる! "21世紀の精神異常者"が終わって興奮冷めやらぬままに今度は"Starless"ですよ。 なにこの凄すぎる流れは・・・。 ロバート・フリップのギターがあの独特の甘いトーンを鳴り響かせて、ジャッコが 静かに歌い始める。 そしてサビでは力強く「バイブル・ブラッーク!」のシャウト。 ジョン・ウェットンの歌いまわしとまったく同じ。 ジャッコは時にグレッグ・レイクだったり時にジョン・ウェットンだったり器用に どちらも歌えるところがいいね。 そしてこの曲で初めて照明の色が赤に変わる。 今までずっと照明は変わり無しという演出だった。 どうせ照明を赤に変えるなら"Red"の時だろうとみんな思ったはず。 真っ赤な照明でもいいから永久にこの曲が続いてくれたらいいのになんて思った。 しかし終わりの時はやってくるもんだね。 これが本編のラストだった。 メンバー全員が立ち上がるとおもむろにカメラを取り出すトニー・レヴィン。 ここからが撮影タイムの始まり。 ステージ上からと客席からとカメラを向け合うなんか変な光景だったなー。 ゆっくりとステージから去って行くけど当然アンコールが鳴り止まない。 再びステージに登場したメンバーはとても機嫌が良さそう。 これはアンコールの曲にも期待できると思いましたよ。 そして演奏されたのはドラムをフィーチャーした"Talking Drum" 当然この流れはあれが来るだろうと予想したらやっぱりその通り "太陽と戦慄パート2"来ました! この曲大好き。 やっぱパート2が最高だね。 最初のギターフレーズが鳴ったところで思わず「うぉおお」という声にならない 声が出てしまいましたよ。 なんか急き立てられるようなこのギターリフとリズム。 不思議な高揚感がある。 静と動の対比が素晴らしい! そして完璧なクライマックスを迎えてのエンディング。 これで終わりじゃない。 最後の最後にやってくれたのは"The Court of the Crimson King" この荘厳な感動曲がまだ残ってたかー。 ここでもまたグレッグ・レイクを彷彿とさせるジャッコの歌声。 そして印象的なギターフレーズはジャッコがメインで弾いて途中からフリップに バトンタッチする鮮やかな連係プレー。 そのタイミングが絶妙なステレオ効果を生んで唸らされました。 この人たちの演奏技術は素晴らしすぎる。 それにメンバー全員まったく合図無しに演奏をピタッと合わせられるのだ。 どんんだけ練習を積んできたことだろうと考えさせられる。 さすがプロ集団ですよ。 さすがクリムゾンですよ。 あっという間に感じた2時間ちょっとのステージ。 最後はまたまたトニー・レヴィンがカメラを持っての撮影タイム。 そして誰もひと言も喋らずにただ観客席に優しい目を向けて去っていくメンバー。 ロバート・フリップが一人残って最後にちょこっと頭を下げて去っていく。 カッコイイ! 69歳でこんなカッコイイ人が他にいるだろうか。 ルックスはカッコ良くないけど存在がカッコイイのだ。 惚れ直したね。 今回のツアーではベストセレクション的なセットリストになってるけどこの日の 大阪公演はその中でも選りすぐりのベスト選曲だったように思う。 今までクリムゾンはファンの望む曲をあえて外してくるようなところがあったけど 今回はどうしてなんだろう。 こんなことは逆にクリムゾンらしくないと思ったりして・・・。 なんかこれが最後のツアーのような気がしてくる。 そうでないことを祈るだけだけど。 今回初めて生のクリムゾンを観たけどとんでもないライヴを観てしまったというのが 率直な感想。 こんなライヴを観てしまったらもう思い残すことは無い。 一生の思い出になった。 ロバート・フリップはじめとするクリムゾンのメンバーに感謝しかない。 それと音響が素晴らしかったフェスティバルホール。 クリムゾンの紡ぎだす細やかな音まで忠実に鳴り響かせてくれたこの 会場にも感謝したいね。 The Elements of King Crimson Tour in Japan 2015 Setlist 01. Peace - An End 02. Larks' Tongues In Aspic Part I 03. Pictures Of A City 04. Epitaph 05. Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind) 06. Meltdown 07. Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind II) 08. Level Five 09. Easy Money 10. The Letters 11. The ConstruKction of Light 12. Red 13. Hell Hounds of Krim 14. 21st Century Schizoid Man 15. Starless ---ecnore--- 16. The Talking Drum 17. Larks' Tongues In Aspic Part II 18. The Court of the Crimson King お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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