カテゴリ:音楽
新国の「アイーダ」が人気である。
前売りはほとんど即日完売。実はいくつかのグループで鑑賞しようと考えて、事前に団体申し込みを試みたのだが、人気のあるプロダクションだからと、団体売りは一切してくれなかった(スポンサーなら別かもしれないが)。 あちこち奔走して、ようやく自分とだんな、プラス1、だけ確保した。 人気の原因は、何といってもゼフィレッリの演出による超豪華プロダクションだろう。先日会ったあるオペラ歌手が、「あれが初めて観たオペラだったら、幸せ」だといっていたが、同感である。 「これそオペラ!」という舞台なのだから。 このプロダクションは、新国の開場公演のひとつであり、そのためゼフィレッリを呼ぶという贅沢もできた。 そして同時に、ゼフィレッリにとっても、会心のプロダクションだったらしい。 当時彼の助手をつとめていたある演出家の話によると、ゼフィレッリはこのできばえにいたく満足し、同時に言ったという。 「この劇場の、このメンバーがいたからできたプロダクションだ」。 演出家が感動したのは、言うまでもない。 その後ゼフィレッリは、ヴェローナの野外劇場や、ブッセートの客席300の小劇場、そしてスカラ座などで、「アイーダ」を演出している。 いずれも生またはDVDで観たが、大舞台の中央に金ぴかのピラミッドを建ててしまったヴェローナの壮大な舞台は別にして(これは生で観たから感動もひとしお)、ブッセートとスカラの舞台は、新国の亜流、あるいは焼き直し、のように思えてしまった。(第3幕など、3つともほとんど同じである) スカラのプロダクション(昨シーズンのオープニングで、2日目にアラーニャ降板事件のあったもの)は、つい数日前、購入したDVDで見たが、やはり新国の亜流、プラス、ヴェローナのエッセンス、という感じ。 シャイーの指揮はすばらしかったが。 指揮といえば、新国「アイーダ」の指揮者も楽しみ。 イタリアの若手ではぴか一の、リッカルド・フリッツァ。ジェノヴァで「ナブッコ」を聴いて鳥肌がたったのを覚えている。新国では「マクベス」の再演を振って評判になった。 人間的には、イタリア系、プラス「天才肌」らしく、気分の上下は人一倍だという。 新国の合唱指揮者の三澤先生の話によると、リハーサルの時、合唱も含めて全員「自分を見ろ」と命令。モニターテレビも見るな、といったらしい。 でもそれじゃ無理なので、三澤先生が座席後方でペンライトを使って指揮していたら、しきりと振り向かれ、 「振り向かれるたんびにペンライトを隠さなきゃならない。追いかけっこみたい」 苦労した、とのことだった。 三澤先生いわく 「でも「アイーダ」で、彼だけ見るなんて無理だと思うよ。人数も多いし、モニター見なきゃ無理だよ」 はい、「凱旋の場」なんて、舞台から人が落ちそう!と思うくらいあふれてますもんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 29, 2008 11:40:15 AM
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