ラ・フォル・ジュルネ2日目、コンサートの合間に、茂木健一郎、鈴木雅明対談を聞きました。
人気者2人の対談とあって、会場の「リューベック広場」は、開始30分くらい前からぎっしり。
とった席が、なんと2人の真後ろにあたり、対談中、ずっと背中を見ているはめになったのですが・・(笑)。
けれど内容は、とても面白いものでした。
お2人とも、頭の回転が速く、加えて、(当然ではありますが)日々、実践や思索を通じて考えていることのストックが多い方なので、引き出されてくることが広く、深い。
たとえば、(19世紀とは異なる)18世紀の宇宙観(より自然と人間が一体化していた)、と、バッハの音楽の関連とか、
制約のなかでの可能性の追求の面白さ(たとえば古楽器を使えば当然制約がある)とか、
音楽とは再創造すること、とか、
は、自分でもばくぜんと感じていることながら、言葉にできないし、しようとも思わなかったのですが、クリアに明確に提示されると、深くうなずいてしまうのでした。
また、鈴木先生の体験から生まれる、聴衆が存在するコンサートという「場」が生む力の話や、バッハのカンタータを礼拝のなかで再現することはしょせん不可能なのだし、とくに、より無理である日本ではコンサートでやったほうがいい、という説も、納得でした。
限られた時間で、深いところをずばずばとすくっていく茂木さんの質問力にも脱帽です。
一緒にいた連れ合いも、お2人の頭のよさに感心しきり。
「茂木さんと何日か一緒にいて、「考える」ことが足りないなと反省した」
と言ったら、
「あんな(に頭のいい)ひとと一緒にいて、何も感じないようじゃ終わり」
だと言われてしまいました。
その茂木さん、取材旅行の際にお贈りした、鈴木先生との対談集「バッハからの贈りもの」を読んでくださり、対談の最後でちらと触れてくださいました。
配慮も怠りなく。人気の秘密はここにもあります。
ちなみに私の知る限り、鈴木先生もそのあたりの配慮は抜群。ほんとうに頭のいいひとというのは、そのあたりもケアできるのではないか、と、ひそかに思っています。
当日の模様も載っている、茂木さんのブログ。
http://www.kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/