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ウンベルト・ジョルダーノの「マダム・サン・ジェーヌ」というオペラを観ました。
東京オペラ・プロデュースの公演。日本初演だそうです。オペラファンならご承知の方も少なくないと思いますが、東京オペラ・プロデュースは、このような作品をやってくれる貴重な団体として有名です。 内容は、フランス革命のこぼれ話のようなもので、有名な「アンドレア・シェニエ」と雰囲気は似ています。ナポレオンやらナイペルク伯爵(マリー・ルイーズの愛人。ナポレオンと別れたあとに正式にくっついたようです)やら、実在の名前が出てくるのが御愛嬌。途中、第2幕に、洗濯やから貴族になったヒロインが、マナー習得に苦労するコミカルな部分があったのが新鮮でした。後半はやや一本調子でしたが。 公演としては、タイトルロールでもあるヒロイン役の大隅智佳子さんの奮闘が光っていました。 出演者のなかで一番声が出ていましたし、表情もいちばん富んでいて、聴かせるところもちゃんと聴かせてくれた印象。 演技も板についており、コミックな演技もチャーミングでした。日本人にはなかなか難しいところですから、ブラボーです。 演奏全体の判断は、初めて聴く曲でもあり、席がよくなかったこともあり、ちょっとつきにくいのが正直なところでした。お恥ずかしい話ですが。 弥勒忠史さんの演出は、さすが「イタリア貴族養成講座」などの講座でも知られる弥勒さんだけあり、第2幕の成りあがり貴族へのマナー指南のところが、とても面白く観られました。 いったいに、コミカルな部分の味付けが生き生きしています。 全体としては音楽を損ねない、オーソドックスな舞台ではありました。 ところで、このオペラのタイトルロールは、宮廷女性たちに成りあがりだと馬鹿にされると、自分の苦労を堂々と語って啖呵を切り、そのふるまいが失礼だとナポレオンに呼び出されると、これまた堂々と渡り合う女傑。その女傑ぶりを、ジョルダーノの音楽はこれでもか、とばかりに描きます。 「アンドレア・シェニエ」はもちろん、同じジョルダーノの「フェドーラ」も、タイプは違いますが猛女は猛女。こういう女性、ジョルダーノはタイプだったのだろうか、なんて、ついくだらない?ことを考えてしまうのでありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 17, 2010 12:07:30 AM
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