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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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June 7, 2010
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カテゴリ:音楽

 新国立劇場のレベルがあがっていることは、最近よくきくところです。
 合唱やオケがうまくなってきとか、海外の劇場と共同制作ができるようになったとか、理由はいろいろあるのでしょう。
 個人的には、日本人歌手への配慮がもう少しあってもいい、とは思っていました。
 日本の劇場なのだから、日本人でまかなえるところは、積極的にまかなえばいい。たとえば「オテロ」のタイトルロールは日本人には無理でも、カッシオをわざわざ外国から呼ぶことはない、と思うのです。

 今日、朝日カルチャーセンターで、堀内康雄さんとレクチャーコンサートをやりましたが、話のなかで、歌手の方から観た新国のひとつの意義、を感じました。

 堀内さんはご承知の通り、世界をまたに活躍する日本人バリトンです。日本人歌手で本当の世界レベルのソリストは、堀内さんと藤村実穂子さんなのではないか、と個人的にはおもっています。

 今回は、歌のほうはお得意のヴェルディ2曲、「プロヴァンスの海と陸」と、「ナブッコ」の「ユダの神よ」。
 その合間に、いろいろおしゃべりを楽しみました。

 事前には、「話は苦手」と何度も繰り返されていた堀内さんですが、どうして、話の面白いこと面白いこと。
 とくに、一度就職してから歌手生活へ入るまでのお話は、ユーモアたっぷり。「入社したその日にこれはだめだ、と思った」「会社の目と鼻の先でランチタイムコンサートに出ていた」などなど、サラリーマン失格話から歌手デビューまでのあれこれに、受講生の方は抱腹絶倒でした。

 ところで、歌手になってからの話で、何度も出てきたのは、

 「新国のいい時にたくさん経験をさせてもらった」

 というくだりでした。
 堀内さんがよく出ていらした当時、2000年前後だったと思いますが、新国は五十嵐オペラ監督のもとでダブルキャストをとっており、Bキャストには日本人が出ていたのです。藤原歌劇団方式ですね。
 堀内さんはその時代に、トロヴァトーレとか椿姫とかドンカルロとかたくさん歌われて、経験を積まれたのです。彼にとっては、間違いなく「いい時代」だったと思います。その後、世界に大きく羽ばたかれる、いい土台を作られたでしょうから。

 結局、監督が代わって、シングルキャストになったわけですが、同時に、日本人が主役を歌える機会はぐっと減りました。

 ダブルキャストの場合、たしかに、外国人中心のAキャストと日本人中心のBキャストであまりにもレベルが違う、ということがしばしばあり、それもシングルキャスト歓迎の雰囲気につながっていたように思います。

 けれど、今思うのですが、ならばBキャストの回はチケットを安くすればいいのです。
 日本人なら、飛行機代も滞在費もかからないわけだし、ギャラも外国人よりは安かったりするのですから。

 当時は、正直、Bキャストの人選に疑問があったことがありました。日本人のなかに、、もっとうまいひとがいるだろう、という。
 そういう事態にならなければ、ダブルキャストは、日本人歌手を育てる最良の機会だと思います。






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最終更新日  June 17, 2010 05:39:36 PM


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