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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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March 28, 2014
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 さて、今回の旅の目的は、ジェノヴァです。そう、モデナで見たばかりの「シモン・ボッカネグラ」の舞台。北イタリア、リグーリア州(フランスに近い)の港町です。シモンは実在の人物で、14世紀のジェノヴァ共和国の平民出身の初代総督ですが、そのあたりがちょうどジェノヴァ共和国の最盛期。海運で栄え、地中海の覇権をヴェネツィア共和国と争いました。他にジェノヴァ出身の有名人としては、あのコロンブスが知られています。

 この街の歌劇場は、イタリアを代表する劇場のひとつ、カルロ・フェリーチェ歌劇場。1821年、当時この街が属していたサルディーニャ王国の国王、カルロ・フェリーチェの命令で建設が始まり、28年に完成。ベッリーニの「ビアンカとフェルナンド」でこけら落としを飾ったそうです。1892年には、コロンブスの新大陸発見400周年記念の機会に作曲された、アルベルト・フランケッティの「クリストフォーロ・コロンボ」というオペラが初演されています。そのうちの1公演を振ったのが、若き日のトスカニーニ。このころ、冬を過ごしにジェノヴァに滞在することが多かったヴェルディは、このとき初めてトスカニーニの公演を聴いたそうです。

 その後、第二次世界大戦で破壊され、再建は戦後も半世紀近くたった1991年のこと。再建のこけら落としは「トロヴァトーレ」でした。再開後はブルゾンやカヴァイヴァンスカなど有名な歌手が出演しています。

 実はジェノヴァ(と周辺)は、イタリアでも有数の?名歌手の産地。過去にはレナータ・スコット、ジュゼッペ・タッディ。近年では、メーリ、デヴィーア(ジェノヴァ近郊)、デッシー、アルミリアートといった、イタリアオペラファンには垂涎のアーティストたちが生まれています。歌手以外だと、なんとあのパガニーニ。今なら、世界の歌劇場で活躍するファビオ・ルイージが「ジェノヴェーゼ」(ジェノヴァ人)です。

 そのルイージ、数年前、カルロ・フェリーチェの「名誉指揮者」に就任し、シーズン1本のオペラ、数回のコンサートを指揮しにきています。故郷とはいえ、いまやメトやチューリヒのポストについているルイージですから、カルロ・フェリーチェへの貢献は画期的です。

 そしてこのカルロ・フェリーチェで大きな話題になっているのが、2012年からこの劇場の「首席客演指揮者」となった、あのアンドレア・バッティストーニ。日本でも、二期会「ナブッコ」、東フィル定期、そして先月リリースされたレスピーギ「ローマ三部作」でじわじわ知名度をあげている彼ですが、ここではこれまで2本のオペラと、ニューイヤーなど数回のコンサートを指揮して、大成功を収めました。とくに2本のオペラ、昨年初春の「マクベス」と、この年末年始に上演された「オテッロ」は大評判。とりわけ後者は、カルロ・フェリーチェではほぼ半世紀ぶりの上演で、「語り継がれる公演にしたかった」(芸術監督)という劇場側の意気込みもあり、クンデ、アグレスタ、カルロス・アルヴァレスと、この作品に理想的!なぜいたくなキャストを揃え、凄まじい熱気にあふれた公演となりました。芸術監督によると、この「オテッロ」は、「コリエーレ・デッラ・セーラ」紙で、「イタリアの劇場のシーズンナンバーワン」公演に選ばれたそうです。「シーズン」という言葉がどこからどこまでを指すかよくわからないので、単純に比較はできませんが、昨シーズンというならヴェルディ生誕200年シーズン。その年に、イタリアの劇場で数あったヴェルディオペラ(たとえばローマではムーティが同じ12月に「エルナーニ」を振っています)ナンバーワンに選ばれた、ということは、これはすごいことではないでしょうか。

 さて、バッティストーニ、今回は、彼がこれまで絶賛されてきたイタリア・オペラの名曲集を、コンサートで指揮することになりました。ロッシーニからヴェルディ、プッチーニ、そしてマスカーニまで、「イタリアの魂」(バッティストーニ)のエッセンスです。このコンサート、実はライブ録音されます。そして、ストリーミングで全世界に同時中継されるのです!

 実はカルロ・フェリーチェ歌劇場、現総裁のパコ氏の発案で、2011年からストリーミング中継をはじめました。これはイタリアの歌劇場のなかでは一番早い。(パコ氏はなかなかのやり手(もちろんいい意味で)で、バッティストーニを連れてきたのも彼。インタビューもしました。それはまた改めて)現在では、オペラ、コンサート、すべての公演をストリーミング中継しているそうです。オペラはダブルキャストを両方とも。ぜいたくです。

 私も「オテッロ」のストリーミングを見ました。マチネ公演(15時半開演)とはいえ、日本では8時間後ですから開始は夜中近く。それでも最後まで見てしまったのは、素晴らしい公演だったから、のひとことにつきます。この劇場のストリーミングの面白いところは、メトのライブビューイングのように幕間のインタビューもあるのですが、それに加えて、ストリーミングが持っているフェイスブックのアカウントに投稿できること。その投稿が刻々表示され、時々返事が書き込まれます。これが楽しい。「オテッロ」の時は、終演までつき合ったら午前3時直前だったのですが、「よかった〜。もう3時近いから寝るね〜」と書き込んだら、「ありがとう!おやすみ」と返ってきて、嬉しかったな。(ストリーミングの担当者にもインタビューしました。それもまた改めて)

 そう、当然、今回の〜といっても実は今日ですが〜コンサートもストリーミング中継されます。開演は20時なので、日本時間だと明け方の4時。ちょっと厳しいかもしれませんが、2時間以上やっていると思いますので、早起き&夜更かしの方はぜひ!このサイトから入れます。グーグル翻訳で英語版も出てきます。 

 http://www.streamingcarlofelice.com/home.html

 私の役目は、このコンサートの取材と、その周辺のいろいろ。ツイッターやフェイスブックでも呟いていますので(フェイスブックにはたくさん写真を投稿していますので、お友達申請していただいている方、またはこれから申請してくださる方はぜひご覧ください)。ご興味のある方は、ぜひ。  






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最終更新日  April 1, 2014 11:21:09 PM


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