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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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August 15, 2017
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昨日から個人でザルツブルク音楽祭に来ています。セレブでチケット代も高価なこの音楽祭、ふだんはあまり得意ではないのですが、今年はプログラムがあまりにも魅力的なので思いきってきてしまいました。
写真、動画など含めてフェイスブックに詳しくアップしていますが、そこから、主なコンサートの感想を、こちらにはりつけていきます。書き直せばいいのですが、手が回らず、大変恐縮です。もしご興味を持っていただけたら、フェイスブックのほうが詳しいので、そちらをご覧ください。

以下ペーストします。

ザルツルブルク初日2演目めは、マリオッティ指揮、ドミンゴ主演「2人のフォスカリ」(演奏会形式)。この2人の顔あわせによる「フォスカリ」はスカラ座で昨年上演されて成功したもの。行きたかったのですが行きそびれてしまったので、今回のこれはとても気になっていました。
たいへん満足。これが聴けただけでザルツブルクまできた甲斐がありました。
やはりマリオッティのヴェルディ初期オペラは素晴らしい。繊細でデリケートで、細かいところまで作りこまれていて、そしてよく歌う。「2人のフォスカリ」は、ドラマ音楽ともども、よく「一本調子」と言われますが、マリオッティの手にかかると全然そんなことはない。ドラマの描写も明確で劇的です。最近、同じドミンゴ主演で、パッパーノが指揮したロイヤルオペラのDVDを見ましたが、パッパーノのほうがよほど一本調子。マリオッティはやはり「ベルカント」というものを大切にしているということがよくわかります。細やかに歌う。メロディの美しさ、多彩さもよくわかる。そしてよく言われるヴェルディ初期の「ズンパッパ」のひとかけらもない。まあ、いい指揮者で聴けばヴェルディ初期が「ズンパッパ」ということはまったくないので、ヴェルディ初期が「ズンパッパ」だと感じているとしたら、こういうセンスのいい指揮で聴いていない、ということでありましょう。
マリオッティはこれがザルツブルク音楽祭デビュー。カーテンコールは聴衆総立ちで、大成功だったと思います。
主役の老フォスカリ、ドミンゴははまり役。彼のヴェルディのバリトンロールはいくつか聴きましたが、これがいちばんよかった。人がよくて無力な父親という感じがよく出ていました。美声もまだ保たれているし、フレージングの柔らかさは驚異的。
ルクレツィア役は、当初アナウンスされていたマリア・アグレスタに代わり、中国のソプラノGuanqun Yu。どこかで見た顔だ!と思ったら、2012年にパルマのヴェルディ音楽祭で、ブッセートのヴェルディ劇場でやはりマリオッティ指揮で上演された「トロヴァトーレ」でレオノーラを歌っていたソプラノでした(演奏会形式)。あの時はなんだか声も表情も硬かったけど(緊張していた?)その後各地で活躍してウィーンやらメトやらミュンヘンやらに次々デビューしているようす。さすがにかなり余裕が出てきて、声も柔軟になり、高音もよく出るし、アジリタもまずまず。歌い方はまだやや一本調子ではあるものの、役柄にはあっていました。アグレスタが聴けなかったのは残念ですが、今回の収穫でしょうか。
老フォスカリの息子役ヤコポはジョセフ・カレヤ。いい声なんですが、(前からそうですが)吠えるのが玉に瑕。でもそれで受けてしまうので。。。重唱のときはさすがに控えますが、ソロになると思い切り吠えまくるのです。前から2番目の列だったので、耳が割れそうでした。それでカーテンコールは大喝采なんだよね。。。みんな「大声」好きですね。
もうひとりの「収穫」は悪役ロレダーノのロベルト・タリアヴィーニ。ベルカント系のノーブルなバスで、前から好きな歌手ですが、そしてこの役でも何度か聴いていると思いますが、今回がいちばんよかった。クセがなくノーブルな美声だけれど、柔軟で表現力があり、こちらの心に飛び込んでくるものを持っています。ロレダーノは唯一の悪役なのですがアリアがひとつもなくて、この役の存在感の薄さが作品が単調に聴こえる原因と言われたりしますが、彼みたいな歌手が歌うならよけい、アリアが欲しいところです。
オーケストラはモーツァルテウム管弦楽団。ヴェルディの初期〜中期って、オケが退屈そうにしていることが時々あるんですが、まったくそんなことがなく、指揮者に合わせてよく歌っていました。
客席はドミンゴ目当ての方が多かった印象。隣の女性に「ペン貸して」と言われて貸したら、プログラムの裏表紙に「viva placido domingo」と書いて、カーテンコールの時にかざしていました。まあ、ドミンゴでも出なければ、ヴェルディ初期のマイナー作品が満席になることは難しいでしょうから、作戦勝ちといったところでしょうか。今年から総裁になったヒンターホイザー、やり手です。
それと、男性が黒なのは当然としても、女性が赤いドレスで統一されていたのはよかった。演奏会形式でもドレスコードは必要だと思う。以前日本のあるホールで「ワルキューレ」を演奏会形式で聴いた時、第3幕のワルキューレたちがてんでにいろんな色の、それもスカートが大きい発表会ドレスででてきて、正直違和感がありました。いくらコンサート形式といっても、音楽や役柄にふさわしい統一感は必要です。





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最終更新日  August 15, 2017 08:19:32 PM


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