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31日の午後、新国立劇場「紫苑物語」関連イベントに行きました。
作曲の西村朗さんと指揮の大野和士さんが、監修の長木誠司さんの司会進行で作品の魅力を語り、出演歌手の臼木あいさんと高田智宏さんが歌を披露するという贅沢なイベント(なんと無料)。 面白いですね〜。こういうの大好きです。 まず、大野さんが抱えてきたスコアの大きさ重さにびっくり(ひとりで抱えて譜面台に立てるのが大変!)。大野さん、得意のピアノでいくつかあるライトモティフも披露してくださいました。 創作過程について。西村さん、大変厳しい道程だったようで、「こんな体験は初めて」。その理由は、「出来上がった音楽に対して、大野さんや長木さんからのツッコミ、横槍がすごくて、散々書き直した。けれど結果的には素晴らしい経験で、自分のなかからそれまで思ってもいなかったものが出てきた」。うーん、この最後のくだり、創作者の醍醐味なんだと思います。羨ましい限りです。そういう局面に出会えるのは、すごい努力と積み重ねがあってこそなのだと思うのです。 大野さん、「新作オペラの指揮はずいぶんしましたが、ここまで創作陣のあいだでやりとりがあって練り上げた作品は初めて。とくに台本についても、ヴェルディとピアーヴェとかリヒャルト・シュトラウスとホフマンスタールとか、そういうオペラ史上有名な作曲家と台本作家やりとりのようなことを新作オペラでやってみたかった) キャスティングについて。担当の大野さん、「オペラは石川淳の原作よりキャラクターが強くなっている。たとえばうつろ姫は原作では醜女だが、醜女という設定だとオペラにきてもらえないから、大人の美しい女性で、ドラマティックな表現ができて、コロラトゥーラも使える大人の女性にしました」(キャスティングは清水華澄さん)。主人公の宗頼は、「弓の使い手で父親に反発している。強いキャラなので雄々しいバリトンにしました」(キャスティングは高田智宏さん)。ふーん、そういうふうにキャラクターが決まってキャスティングがされるのですね。 音楽について。オペラならではの魅力、「重唱」や「アンサンブル」をたくさん盛り込んだ、というのは、大野さんが以前からしきりとおっしゃっていたことですが、「日本の音楽には難しいと言われる「アレグロ」がたくさんある音楽」というのも面白かった。(その「アレグロ」を取り込んだ二重唱も披露されました) アンサンブルの魅力こそオペラ、というくだりでは、「椿姫」第2幕フィナーレのコンチェルタートが例として引用され、大野さんがずっと歌いながら紹介。そう、あの「アルフレード、アルフレード」というところですね。あの部分は私も、これぞオペラ(みんながてんでにしゃべっているのに作曲されているからこそハモる)の醍醐味、と思っている箇所なので、我が意を得たりでした。 臼木さん、高田さんの「声」もパワフルで素晴らしかった。公演が楽しみです。 公演情報はこちら 紫苑物語 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 1, 2019 08:04:31 AM
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