加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

2020/10/01(木)15:01

「ヘンデル・オペラ・イヤー」の新しいスタートに〜鈴木優人プロデュースオペラ「リナルド」

音楽(438)

新型コロナで、とんでもないことになってしまった今年。  オペラ界では、ヘンデルのオペラの注目公演が何本も予定されていた年でした。  2月に神奈川県立音楽堂で日本初演が行われるはずだった、ビオンディとエウローパ・ガランテの「シッラ」、瞬く間に完売となり、ファンの期待の熱さを実証した4月の新国立劇場の「ジューリオ・チェーザレ」。。。。中止になったのは、返す返すも残念でなりません(二つとも、将来のリベンジは​視野にはいっているようではありますが)。  そんな中、秋のヘンデルオペラの注目公演だった、鈴木優人プロデュースオペラ「リナルド」は、上演が決定しました。  入国制限により海外アーティストが来日できず、オール日本人キャストに振り替えての公演ですが、藤木大地さん、森麻季さん、大西宇宙さん、波多野睦美さんなど、強力で魅力的なキャストが揃っています。  先日、リモートで記者会見が行われましたが、優人さんいわく、「博物館の中に押し込められてしまう印象がある(=古臭くて退屈と思われている)バロック・オペラを、楽しいエンタメとして提供したい」とのこと。  演出も現代風にし、わざわざ予習しなくとも、わかりやすいものになるようです。  カウンターテナーが(藤木さん、青木洋也さん、久保法之さん)三人揃うのも、音色を聴き比べる意味でも面白そう。  優人さんが弾き振りするバッハ・コレギウム・ジャパンは、「リナルド」の演奏経験もあり、ヘンデルの華やかで躍動的な音楽とドラマが存分に楽しめることでしょう。  ご承知の方も多いと思いますが、バロック・オペラは欧米ではちょっとしたブーム。ヘンデルのメジャーな作品は、オペラハウスのレパートリー入りしています。荒唐無稽なストーリーは、自由な演出を許容しますし、歌手のレベルもここ数十年で飛躍的に上がりました。歌手の水準については、日本も同じだと思います。  入場規制も緩和され、チケットの追加販売も決まりました。  ここから、新しいヘンデルイヤーがスタートすることを願っています。    詳細、チケットはこちらから。  鈴木優人プロデュースオペラ「リナルド」​

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