2423832 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

全783件 (783件中 1-10件目)

1 2 3 4 5 6 ... 79 >

カテゴリ未分類

October 12, 2020
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
ご存知の方も多いと思いますが、今年はベートーヴェンの生誕250周年。
 新型コロナのパンデミックで数多くの公演が中止に追い込まれてしまいましたが、この機会に、力強く前向きなベートーヴェンの音楽に励まされた方も少なくなかったのではないかと思います。
 そんなベートーヴェンは、フランス革命を音楽で体現した作曲家でもありました。
 ベートーヴェンより14年早く生まれたモーツァルトは、フランス革命前夜の時代を生きました。それは貴族から市民へという時代の端境期でもあり、そのためモーツァルトは、宮廷音楽家からフリーの芸術家へと音楽家の身分が移り変わる、不安定な時代を生き、その影響を受けざるを得ませんでした。
 とはいえ、彼の作品には、本人の意識の有無にかかわらず、革命の兆しが投影されていることも事実です。「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」のいわゆる「三大オペラ」はその好例と言えましょう。
 そのことについては、春に出した新書『オペラで楽しむヨーロッパ史」で掘り下げてみました。
 この度、時々講演をさせていただいているモーツァルトの音楽の愛好団体「モンソンアルティアン・フェライン」の例会で、このテーマで講演をさせていただくことになりました。
 直前のご案内で大変恐縮ですが、ご都合がよろしければお運びいただければ光栄です。
 講演の詳細は以下でご覧ください。

モーツァルティアンフェライン 10月例会

 「オペラで楽しむヨーロッパ史」(平凡社新書)については、こちらからご覧いただけます。

 オペラで楽しむヨーロッパ史






最終更新日  October 12, 2020 02:18:00 PM


September 28, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
久しぶりに、対面講座のお知らせです。

 以前から、朝日カルチャーセンター新宿では、歌手の方をお迎えして、対談をしながら2、3曲歌っていただく講座を行なってきました。
 この5月には、砂川涼子さんをお迎えして、モーツアルト をテーマにした講座を予定していましたが、ご承知のように緊急事態宣言で延び延びに。
 この度、ようやく、実施の運びとなりました。

 人気、実力ともに日本を代表するプリマドンナ、砂川涼子さんが、デビュー当時から歌い続けているモーツアルトの魅力を語り、名アリアを歌う講座です。
 状況にもよりますが、講座終了後は、砂川さんを囲んで懇親会を行いたいと考えています。

 ご参加をお待ちしています。

 詳細、お申し込みは以下からお願いいたします。

 砂川涼子と語るモーツァルトの魅力






最終更新日  September 28, 2020 09:29:13 AM
September 19, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
新型コロナはやや落ち着いてきた様子で、国内では色々な規制が緩和されつつありますが、外国との交流はほぼ遮断されたままです。

 危機に瀕している旅行業界で、グローバルスタンダードであるPCR検査を普及させようと、「ワンコインでいつでも検査」プロジェクトが立ち上がったことは先日ご紹介しましたが、このプロジェクトがセミナーを開催することになりました。
 旅行業界の発起人に加え、同じく危機を迎えているクラシック音楽業界から、この問題に対応している中心人物である、(株)Amatiの入山社長が登壇するとのことです。
 入山さんは、クラシック音楽業界を代表するプロデューサーのお一人ですが、今回のコロナ危機に対して、クラシック音楽業界共通のガイドラインなどを普及させることを目的に、「日本クラシック音楽事業協会」を立ち上げました。結果、バラバラだった業界に横のつながりが生まれ、今回のコロナ危機での成果のの一つとなっています。
 入山さんは、先日の「クラシック音楽マネジメント学会」のシンポジウムでも、中心的な役割を果たしており、お仕事ができるのはもちろん、人柄も素晴らしく、音楽業界のことを本当に真剣に考えていらっしゃいます。有意義なお話が聞けることと思います。
 
 セミナーは26日土曜日の午後、文京シビックセンター会議室ですが(入場無料)、インターネット中継も行われます(事前申し込み要)。後日、youtubeにもアップされるようです。ぜひ、御興味を持っていただけると幸いです。

 ​ワンコインでいつでも検査プロジェクト セミナー概要






最終更新日  September 19, 2020 10:03:22 AM
September 7, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
ご好評をいただいている、朝日カルチャーセンター新宿のオンライン講座。
 
 今月17日は、プッチーニの傑作オペラ「トスカ」をテーマにお話しさせていただきます。

 スリリングなストーリーと、ドラマティックで美しい音楽で、絶大な人気を誇る「トスカ」。アリアをはじめ、聞きどころも盛り沢山なので、何も考えなくても楽しめるオペラです。

 けれど、よく見ると、「トスカ」は実によくできているオペラなのです。
 特に見過ごしがちなのが、歴史的背景。「トスカ」は、「1800年6月17日」の出来事だと、台本に指定されています。そんなオペラは、おそらく他にありません。
 なぜ、1800年6月17日なのか?そこには、ナポレオンの第二次イタリア侵攻という、歴史的な必然があるのです。
 なぜ、冒頭で脱獄してくるアンジェロッティは「政治犯」なのか?
 なぜ、カヴァラドッシは「ナポレオン軍の勝利」の知らせに躍り上がり、「勝利だ!」と叫んだのか?
 なぜ、トスカは、この時点でローマの劇場で歌っていられるのか?そしてなぜ、信心深く嫉妬深いのか?
 このようなことは、(主にサルドゥの原作に指定されている)歴史的背景を探ることで、クリアになります。その結果、おなじみの「トスカ」の世界が、グッと身近になるのではないでしょうか。

 「トスカ」の舞台はすべてローマに実在しますが、その場所の写真や、現場で撮影された名アリアの歌唱もお楽しみください。

 詳細、お申込みはこちらから。

 ​朝カルオンライン 「トスカ」






最終更新日  September 7, 2020 03:14:14 PM
September 5, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
海外への往来ができなくなってしまっている今年。
 とうぜん、音楽ツアーも計画を立てられない日々が続いています。
 そんななか、ツアーの同行講師を務めている、郵船トラベルさんのサイトで、「旅びと通信」というエッセイを連載しているのですが、最近閲覧数が多かったのが、海外のオペラハウスでの「ドレスコード」のお話。
 劇場や音楽祭の写真もたくさん載せてありますので、ビジュアル的にも楽しんでいただけるようです。
 ご参考になるかと思い、こちらでも共有することにしました。

 以下のリンクからご覧ください。

 ​「旅びと通信」、「たかがドレスコード、されどドレスコード」






最終更新日  September 5, 2020 09:36:58 AM
August 12, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
前回のブログにおける「日本音楽マネジメント協会」シンポジウムについての報告は、大勢の方に興味を持っていただきました。学会にも問い合わせがたくさんあったそうです。ありがとうございました。
 会員の方には、シンポジウムのアーカイブが配信されるとのことですので、参加しそびれた方は、ぜひ入会をご検討ください。 

 さて、今日は、旅行業界が立ち上げた試みのお知らせです。
 
 想像がつかれると思いますが、音楽業界同様、旅行業界も未曾有の危機にあります。
 特に「Gotoトラベル」の恩恵もない海外旅行は、全く再開の目処が立ちません。(音楽界も、海外との交流が実質的に絶たれ、アーティストの行き来ができないために甚大な被害が出ていることが、シンポジウムで報告されていました。)
 
 海外との交流を再開する上での最大のネックが、PCR検査数の絶対的な不足と、14日間の隔離です。日本ではPCR検査について賛否があるようですが、感染者の抑制に成功している国や自治体は、検査数を増やし、隔離することで数を減らしている。ニュージーランドもニューヨークもそうです。検査、追跡、隔離、それが、「グローバルスタンダード」です。
 
 海外との関係が重要でない業種でも、経済活動の本格的な再開には、検査体制の拡充は必要なのではないでしょうか。それによって生まれる安心感は、大切です。実際、世田谷区のように、自治体などが独自で、検査体制の拡充、無料化、あるいは廉価化をへ舵を切るニュースが聞かれるようになってきました。
 
 日本ではPCR検査が(場合にもよりますが)2万円ほどします。この価格はネックです。「音楽マネジメント学会」のシンポジウムでもこの話題が出ており、これではそうそう簡単にできない、という話が出ていました。
  
 この度、「風の旅行社」代表の原さんが立ち上げた「ワンコインでいつでも検査」プロジェクトは、PCR 検査を、ワンコインで、いつでもどこでも受けられるようにしよう、という主旨です。ぜひご一読いただき、ご賛同をいただければ幸いです。

 ワンコインでいつでも検査 プロジェクこ






最終更新日  August 12, 2020 11:09:31 AM
August 7, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
長い長い自粛を強いられたオペラ界にも、少しずつ再開の足音が聞こえてきました。

 まず今月、藤原歌劇団は「カルメン」を上演予定(15−17日)。大きな団体によるオペラ公演は、コロナ自粛以降初になります。

 東京二期会は、来月早々の「フィデリオ」でオペラ公演を再開。深作健太さんの演出は、「ソーシャルディスタンス」の時代を意識したものになるそう。ベートーヴェンイヤーの記念公演でもあり、興味を惹かれるところです。
 
 そして新国立劇場も、8ヶ月!のブランクを経て、10月の新シーズンから再開です。
 演目は予定通り「夏の夜の夢」。大野和士オペラ芸術監督が力を入れる、20世紀の名作オペラの一つです。
 演出はやはり、この時代ならではのものになるそうですが、本作は新国立劇場のオペラ劇場では初めての上演でもあり、大変楽しみです。
 注目されるキャストのナンバーワンは、カウンターテナーの藤木大地さんでしょう。ウィーンやボローニャの歌劇場でも活躍。今回歌うオーベロン役は、カウンターテナーの役としても、ご自身のキャリアの中でもとりわけ重要な役だそうです。

 その藤木大地さんを、朝日カルチャーセンター新宿のオンライン講座にお迎えすることになりました。
 詳細は以下でご覧になれます。

朝カルオンライン オペラ歌手の肖像 藤木大地

 オンライン講座なので、生歌というわけにはいかないのですが、その分、ご自身のキャリアからコロナ自粛中の生活、「夏の夜の夢」の見所など、たっぷり語っていただきたいと思います。
 講座中の質問もO Kなのが、オンライン講座のいいところ。視聴される際には、ぜひ、率直なご質問もお寄せください。






最終更新日  August 7, 2020 08:46:09 AM
June 13, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
「人生が変わったこの一冊」、今日は番外編として、これまで訳し、印象に残った二冊をご紹介させていただきます。

 一冊目 ハンス・ヨアヒム=シュルツェ 「コーヒーハウス物語」(洋泉社)

  原題は「ああ、コーヒーはなんて美味しいんでしょう!」このタイトルは、バッハの「コーヒー・カンタータ」の一節です。ただ、それをそのままタイトルにしても日本人には(よほどのバッハ通でない限り)ピンとこないだろう、ということで、邦訳はこのタイトルになりました。編集を担当してくださった江森一夫さんのアイデアでした。

 原書のタイトル通り、「コーヒー・カンタータ」の壮大な解説書とでもいうべき一冊なのですが、とにかく面白い!コーヒーとコーヒーハウスの起源から始まり、18世紀前半のヨーロッパを席巻したコーヒー・ブーム(バッハ以前にもいくつも「コーヒー・カンタータ」があったのです)、当時の、そしてライプツィヒの「コーヒーハウス」の実態、「コーヒー・カンタータ」の解説、そしてコーヒーの輸入過剰から禁止令に至るコーヒー・ブームの終焉まで、「コーヒー」を鍵にしたちょっとした社会史。それを、「歩くバッハ事典」というふさわしいバッハ研究の碩学、シュルツェ博士がユーモアたっぷりに綴るのです。「バッハ関連の本」にしてはとても読みやすいし、装丁もしゃれていて一読で虜になりました。英訳も出ていて、ライプツィヒの「バッハ博物館」に行くと英独両方の版が売られています。(残念ながら邦訳は販売されていませんが。。。)

 まだドイツ人にとってコーヒーが未知のものだった17世紀に、オランダからコーヒー豆を送られたドイツの田舎街の商人が、コーヒーのいれ方を知らず、豆をコンソメに入れて煮ちゃった、なんて話は笑えました。それから1世紀後に訪れたコーヒー・ブーム。「コーヒー・カンタータ」はそれを背景に生まれたのでした。

 訳書のページはコーヒー色になっていますが(お洒落!)、これも江森さんのアイデアです。「絶対売れるよ!」と大騒ぎして売り込み、大量に売れ残ってご迷惑をおかけしました。。。。在庫がはけたのは、中村紘子さんが「BSブックレビュー」で取り上げてくださったから。有名人とテレビの威力を思い知りました。

 残念ながら絶版ですが、ご縁があれば復刊させたい一冊です。

 シュルツェ 「コーヒーハウス物語」 洋泉社
 
 
 二冊目 アンドレア・バッティストーニ「僕たちのクラシック音楽」(音楽之友社)

 もう一冊、印象に残っている訳書は、ご存知マエストロ・バッティストーニの初めての著作「僕たちのクラシック音楽」です。
 原題は「Non e Musica per Vecchi(=シニアのための音楽じゃない)」。「クラシック音楽」にまつわる「古臭い」というイメージを払拭したいためのタイトルなのですが、流石に原題の訳をタイトルに使うのはためらわれ、このようなタイトルになりました。
 原書は、2013年にコモでバッティにインタビューした帰りにミラノの書店で見つけて購入。これは訳さなければ、というわけで、音楽之友社さんが引き受けてくださいました。
 
 原文はもちろんイタリア語で、とても私一人で訳す力はなく、イタリア語のプロで、いっとき文法のクラスなどでお世話になった入江珠代さんに下訳をお願いしました。入江さんはチェロも弾くので、やはりチェロ弾きのバッティとは話があって、打ち合わせをかねた食事会でも盛り上がった記憶があります。原文と突き合わせつつ5回くらい書き直したので、相当にイタリア語の勉強になりました。
 
 で、これ、本当にいい本です。彼の才気と音楽への愛が溢れています。ユーモアのセンスもある。もともとすごい読書家なので、バックボーンにただならない教養があるのも伝わってきます。何より、クラシック音楽が忘れられかけている!危機だ!博物館みたいに思われている!でもクラシック音楽って、オペラって、本当に素晴らしいものだよ!と、幅広い読者を想定して語りかけてくる熱意が素晴らしい。

 「なぜ私のような変わり者(実は、けっこういるんです)は、何世紀も前に死んだひとたちの作品を勉強することに、人生を捧げようとするのでしょう?
 なぜ私たちは、人生をクラシック音楽に捧げたいという願望にとりつかれて、クラシック音楽に将来を賭けるのでしょう?
 私は、オーケストラの音がなくては、オペラへの情熱がなくては生きていけません。これから、その理由を説明しようと思います。音楽の授業をするつもりはありません。私が語りたい音楽は、退屈とは無縁なのですから」(「前奏曲」より)

 全体は6章に分かれ、彼自身の体験や気持ちを語る「前奏曲」「間奏曲」「後奏曲」がつきます。
 各章のタイトルと簡単な内容は以下です。第1章、第4章、第5章にはそれぞれ5曲が紹介されており、QRコードで聞くことができます。

 第1章 オーケストラとの出会い (彼のこれまでの軌跡、オーケストラの魅力、オーケストラの名曲5曲の解説)
 第2章 指揮台で (指揮者の仕事とは何か)
 第3章 マエストロ(名指揮者たち)
 第4章 大いなる挑戦〜作曲という仕事 (大作曲家五人とその代表作)
 第5章 劇場人の使命 (オペラができるまで、オペラ名曲5作の解説)
 第6章 砂漠のオペラ(パルマ王立歌劇場を率いてオマーンへ行った時の回想。国境を超える音楽の魅力)

 各章の導入には、バッティ自身の体験や経験を語るエッセイ的な部分がつき、その後で解説に入る構成です。原書は導入部は斜体にしてあったのですが、邦訳では導入部を「である」調、本文を「ですます」調にしました。

 どの章も面白いのですが、特に第2章の導入部で、チャイコフスキーの「悲愴」の第一楽章を指揮している様子を綴った部分は大変面白かったです。指揮者は指揮台の上でこんなことを考えているのだ、こんなことをしているのだ、と手に取るようにわかるのです。そして彼の言葉も、時に詩人のそれです。

「第一楽章のクライマックスだ。チャイコフスキーは、僕たちの目の前に、真っ暗で底なしの裂け目を開く。僕たちは、この大きな空虚から生まれ出て、人生の最後には再びそこへ堕ちていくのだろう。僕の内にひそんでいる亡霊たちが、この淵から湧き上がってくる。僕は彼らと向き合い、踊り、親しくなり、そして憎む」。

 第5章、オペラの章の冒頭も素敵です。

 「劇場は船だ。
  夜、リハーサルの後、オーケストラのメンバーや歌手たちが帰っても、なんだかんだと楽屋でグズグズしていて、僕ひとりが遅くなってしまうことがある。そんな時、出口へ向かう前に、舞台の袖を通るのが好きだ。
 人気がなくなり、静まりかえった劇場では、古い建物が、見えない波に揺られるように上下しているのがわかる。木のきしむ音、天井の梁から下がるロープは、帆船のようだ。それを上がっていけば、マストから見渡せるような景色が広がっているのかもしれない」。

 最後の最後に付録のようにあるのは「冗談まじりの音楽小辞典」。これがまた面白い。バッティのユーモア全開です。「序曲」なんていう真面目な項目もあるのですが、一方で「キャンディ」なんていう項目もあります。

「キャンディ 
 もしコンサートにキャンディを持参するなら、ぜひ包み紙をはがしてきてください。ホールの静けさや、永遠に続くかのようなピアニッシモのなかで包み紙を剥く音を立てるのは、お葬式で笑い声をたてるようなものですから!」

 冒頭に、「日本の読者の皆さんへ」と題された、訳書版「まえがき」があるのも嬉しい。冒頭の一文は「日本は「音の国」です」。
 なぜ?と思われた方は、ぜひ本書をご一読ください!

バッティストーニ「僕たちのクラシック音楽」

 「悲愴」は東京フィルとの快演がCDに。彼は現在東京フィルの首席指揮者で、ディスクもたくさん出しています。CD第一弾のレスピーギ「ローマ三部作」も、目の覚めるような名演です。






最終更新日  June 13, 2020 01:00:41 PM
April 22, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日一昨日と、ロッシーニのオペラ・セリアというかなりマイナー路線に走ってしまったので、メジャー路線に戻ります。
 ずばり「カルメン」です。
 やはり、名作中の名作です。とにかく音楽が素晴らしい。人気オペラにはヒットメロディがつきものですが、ヒットメロディがこれほど多い人気オペラは他にありません。次から次、という感じ。人物のキャラも分かりやすいし、それを描写するビゼーの音楽も天才的。音楽でキャラが立ちます。そして、場面も立つのです。

 世界での上演回数も、「椿姫」に次いで二番目(Operabase調べ)という超メジャー作品なのですが、実は私にとっては、「すごかった」「大満足」という公演に出会えることがわりと少ないオペラでもあります。これ、「椿姫」と同じかも。なんでかなあ。回数は、それなりに接しているとは思うのですが。。。カウフマンがホセを歌い、ラトルが指揮したザルツブルク音楽祭の公演とか、現代の名演出の評価が高いカリスト・ビエイト演出のプロダクションとか(観たのはマドリードのレアル劇場)、ガランチャがカルメンを歌った、リチャード・エア演出のMETの大人気プロダクションとか。まあ、この時のMETの公演では、当初予定されていたカウフマンが降板で、ヨンフン・リーになってしまったのが痛かったですが。
 直近では、2月に観たチョン・ミョンフン指揮の東フィルの公演も(演奏会形式)、音楽的に洗練され、緻密で、「歌」も豊かな、素敵な演奏でした。

 ちなみに上にあげたエア演出のMETの「カルメン」は、2009−10 シーズン制作の伝説的なプロダクションで、アラーニャとガランチャの共演、ネセ=ゼガンのMETデビューで大成功。ライブビューイングもされ、大人気。日本でライブビューイング10周年の時に人気ベストテンを募ったら、見事1位に輝いていました。
 DVDはこちら。

 ​MET「カルメン」DVD ガランチャ&アラーニャ​ 
 
 上のエア演出のプロダクションから、ガランチャの「ハバネラ」をどうぞ。

 ​「カルメン」より「ハバネラ」 ガランチャ

 こちらは、上にあげたビエイト演出の「カルメン」(パリ、オペラ座での上演)でフィナーレを歌うアラーニャとガランチャ。演出で随分違うので、是非ご覧ください。
 
 ​「カルメン」フィナーレ ガランチャ&アラーニャ ビエイト演出 パリ、オペラ座​ 

 今思い返してみて、やはり「カルメン」というオペラは、「椿姫」同様、タイトルロールの歌手に大きく左右される作品だと痛感します。カルメン役の存在感、というのはやはり大きい。指揮者が作る音楽がいくら素晴らしくとも、やはりカルメン役の強烈さは不可欠です。
 そうなると、原則「ナマ派」の私でも、録音録画に頼るしかありません。
 幸い、「カルメン」の名盤はいくつかあります。マリア・カラスの録音(彼女は舞台ではカルメンを歌っていません)は有名ですが、映像もいいのがあります。上にあげたガランチャ&アラーニャ@Metもおすすめですが、あと二枚は、間違いない、と言っていい名盤がある。

 一つはクライバーの指揮で、オブラスツォワとドミンゴが共演しているもの。ウィーン国立歌劇場ライブ。1978年。クライバーのキレキレの指揮、登り坂のドミンゴの熱い歌唱、迫力のオブラスツォワ。しかも演出は安心無敵豪華絢爛のゼッフィレッリ。天下の名盤と言っていいでしょう。
 なんと字幕付きで全曲見られます。

 ​「カルメン」ウィーン国立歌劇場 ドミンゴ、オブラスツォワ、クライバー youtube

 映像が欲しくなった方は、こちらから購入できます。

 ​「カルメン」クライバー、ドミンゴ、オブラスツォワ DVD

 もう一枚は、アグネス・バルツァとホセ・カレーラスがMETで共演したものです。1987年。レヴァイン指揮。これも伝説的な映像ではないでしょうか。
 実は、私にとって、「カルメン」の歌唱で一番印象に残っているのはバルツァです。1944年生まれのギリシャのメッゾで、「カルメン」は最大の当たり役。日本では2002年のハンガリー国立オペラの来日公演で聴きましたが、もう60歳近かったのに立派な歌唱で感心した覚えがあります。
 この 1987年のMET のものは、その彼女の全盛期の「カルメン」。とにかく上手い!響きがしっかりしていて、強弱も自在で、どの声域でも美しい。中音域がムラなくて、高音も綺麗に響くし、抜けるし、全体的に迫力があります。フランス語の響きも綺麗。そして、こちらの心をぐいと引き付けて持っていく個性がある。決めつけてしまうかもしれないけれど、ギリシャの大地からの魂の叫びのような。。。「声」だけとったら、このような強烈さは、がランチャよりバルツァの方が上だ、と思います。ガランチャは容姿で得をしていますが、笑、声はここまで強烈ではない、と思う。美しい声ですが。

 残念ながら全曲無料というのは見つからなかったのですが、圧巻のフィナーレがyoutubeで見られます。カレーラスも大病の前で全盛期。ホセという役は、ドミンゴより、真面目な甘えん坊みたいな感じのカレーラスの方が合っている感じがします。
 
 ​「カルメン」MET バルツァ&カレーラス フィナーレ youtube

   「ハバネラ」も貼っておきます。ガランチャと比べてみてください。
 ガランチャのもこれも、両方ともMETのプロダクションなのですが、バルツァ 1987、ガランチャ2009、という20数年の好みの差も感じます。

 ​「カルメン」より「ハバネラ」バルツァ 

 実はバルツァとカレーラスの「カルメン」は、1986年のロイヤルオペラの来日公演でやっているのですが、それは見ていなくて、とても残念です。見ていれば、生涯最高の「カルメン」になったかもしれません。
 
 全曲見たいな、と思った方は是非こちらで。ミルズの演出も伝統的で贅沢。痺れます。

 ​「カルメン」DVD Met 1987 バルツァ&カレーラス






最終更新日  April 22, 2020 01:55:52 PM
April 20, 2020
カテゴリ:カテゴリ未分類
イタリア・オペラで今一番「旬」の作曲家といえば、ロッシーニでしょう。
 前も書いたと思いますが、1980年代以降(正確にはもっと前から)、ロッシーニは復活基調。しばらく前に亡くなったアルベルト・ゼッダ氏を中心に、自筆譜が発掘され、作品が次々と蘇り、全集が出版され、1980年に創設された生地ペーザロのロッシーニ音楽祭は、ロッシーニの「今」を伝えるメッカとなりました。定番作品の上演、レアな作品の復活上演、歌手や指揮者の育成が一体となり、伝統的な演出が多イタリアでは珍しく、演出上の冒険も頻出して、ファン、マニア、批評家が詰めかける、レベルの高い音楽祭となっています。「イタリアのバイロイト」という別名があるくらい。それほど「詣でる」人が多い。
 私も何度か行きましたが、実際、レベルは高いです。どの公園もそれぞれ満足度は高い。歌手もみんなうまいし、若手がどんどん出てくる。活気に溢れています。だから「旬」なのです。ここを発信地にして、質の高いロッシーニ上演が世界に散っていっているという感じですね。
 ペーザロに最後に行ったのは2014年なので、だいぶ前になってしまいましたが、その時の「セヴィリアの理髪師」に出ていて感銘を受けた伯爵役のガテル、フィガロ役のセンペイは、いずれも最近新国立劇場に登場して絶賛されました。ガテルは新国で「コジ・ファン・トウッテ」のフェッランド、センペイはこの2月の「セヴィリアの理髪師」でフィガロ役でした。センペイ本人から聞いたのですが、あの時の2014年のペーザロでの成功がきっかけになり、世界中からオファーが舞い込むようになったとか。ペーザロは歌手の産地?として注目されているのでしょう。

 センペイの歌う「セヴィリアの理髪師」からフィガロの登場のアリアです。

 ​「セヴィリアの理髪師」よりフィガロの登場のアリア「私は街の何でも屋」センペイ 2018
 
 ペーザロに限らず、各地でロッシーニの上演に接すると、名前を知らない歌手でもうまくてびっくりする、ということが増えました。ロッシーニは、歌手の層が厚いのです。昨夏ヴェローナで見た「セヴィリアの理髪師」も、知らない歌手もいましたが皆うまかったし、2015年にナポリのサンカルロ劇場で見た「チェネレントラ」も、ミロノフにマルフィと、当時すでにウィーンなどで活躍している若手が出ていて、満足度は高かった。ナポリって(ロッシーニの時代はオペラ界の中心でしたが)今は正直田舎の劇場なので、こんなところで(失礼!)こんなにレヴェルの高い上演、さすがロッシーニは今が旬だなあ、と思った記憶があります。
 特に、ペーザロの音楽祭のおかげで注目されるようになったのが、ロッシーニのオペラ・セリア(シリアスなオペラ)でしょう。喜歌劇が得意と思われていたロッシーニが、実は劇的でスケールの大きな作品も得意だったし、むしろそちらの方で革命的だった、ということですね。
 この分野での集大成である「セミラーミデ」など、非常に完成度が高いですし、ペーザロ以外でもかなり上演の機会が増えていると感じます。また、ロッシーニの最後の大作である「ギョーム・テル(ウィリアム・テル)」も、フランス語のグランドペラですが、鳴り物入りで新制作される機会が増えているようです。
 「ギョーム・テル」、ペーザロで2013年に上演されていて、マリオッティの指揮、歌手もフローレス、レベカなどすごいキャストで、行きたいなーと思いながら果たせず。DVDを買いましたが、これはすごい演奏です。現地で聴きたかった。

 DVD情報はこちら。アマゾンで輸入盤ですが、すごい数の評価がついています。

 ​ロッシーニ「ギョーム・テル」 ペーザロ2013 DVD

 youtubeで聴けますが、映像はなし。ラジオ中継ですね。

 ​ロッシーニ「ギョーム・テル」 ペーザロ2013 (音のみ)

 さて、私が初めてロッシーニのセリアに打ちのめされたのは、「オテッロ」です。
 初演は1816年。ヴェルディ の「オテッロ」のほぼ60年前。題材は同じシェイクスピアです(ロッシーニの場合は必ずしもシェイクスピアに忠実ではないですが)。2007年にペーザロで見た時に、すごい曲だと思いました。悲劇で終わるのも当時は珍しいし。オテッロがデスデモナを殺す嵐のシーンなど極めて劇的で、「リゴレット」でジルダが殺される嵐の三重唱の先駆のような感じです。先駆というか、ヴェルディが取り込んだというか。笑。「オテッロ」のオテッロとヤーゴの二重唱は、「リゴレット」の第2幕幕切れのオテッロとジルダの二重唱に似ています。
 ロッシーニの「オテッロ」は、以前から録音などはあったし、サントリーホールのホールオペラでも上演されたことがあって(1996年)生でも聴いていますが、歌手がかならずしもロッシーニを得意とするメンバーばかりではなかったこともあるのか、いまいちピンと来なかった。それが最近は、バルトリやフローレス をはじめ優れた歌手が歌うようになり、真価が認められるようになったと感じます。これまでヴェルディ の「オテッロ」の影に隠れて?いたのが復活してきたという感じでしょうか。

 バルトリのDVDのトレイラー。共演はオズボーン、カマレナなど。ほぼ同じメンバーで、これはパリのシャンゼリゼ劇場でみて打ちのめされました。
 
 ​バルトリ 主演「オテッロ」DVD トレイラー

 DVD情報はこちら

 ​バルトリ主演「オテッロ」DVD

 「オテッロ」に初めて驚倒したのは、繰り返しですが2007年のペーザロでした。やはり歌手がすごかった。フローレス に加え、グレゴリー・クンデを初めて聴いて、これも打ちのめされました。その後クンデはフランス・オペラを経て、今やヴェルディ、プッチーニ歌いなのはご存知の方も多いでしょう。彼はロッシーニのテノールとしては重めの「バリテノール」だったんですね。で、50を過ぎてギアが入り?声量が増したという話を本人から聞きました。あと、ソプラノはペレチャッコで、技術の高さと声と姿の美しさに惚れ惚れした記憶があります。パルンボの指揮も迫力がありました。
 まあ、この作品、テノールが3人!出てくるので、それに各人いい歌手が出てこないと真価はわからないし、ソプラノのデスデモナ役にもある程度の劇的表現力が必要で。やはり歌手が揃わないと、ですね。
 とはいえ、このような作品に接することができるようになったのは、本当にロッシーニ・ルネッサンスのおかげです。
 
 いつもながら?、youtubeに全曲上がっています。こちらはパート1

 ​ロッシーニ「オテッロ」 ペーザロ、ロッシーニ音楽祭2007

 パート2。この映像の最初でフローレス(ロドリーゴ役)が歌っているアリアだけでも、ぜひ。

 ​ロッシーニ「オテッロ」 ペーザロ、ロッシーニ音楽祭2007 パート2






最終更新日  April 21, 2020 09:26:15 AM

全783件 (783件中 1-10件目)

1 2 3 4 5 6 ... 79 >

PR


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.