2009/01/26(月)22:35
ギモーヴ
今日、ふらっとケーキ屋さんに立ち寄りました。
特に「"○○"が食べたい!」という目的があって行った訳ではなく、ただ「ケーキ屋さん」の、あの甘くてやさしいお店の雰囲気に触れたいというだけのことだったのですが・・・
でも、お店の中をいろいろ見ているとやっぱり楽しくて、ついついいろんな物に手が伸びてしまいます。(食べ過ぎ注意!)
しばらくお店の中を見て回っていたら、珍しいものを見つけました。
"ギモーヴ(Guimauve)"・・・大雑把に言うと、一般的なマシュマロのことなんですが、厳密に言うと、"ギモーヴ"というのは、フランス菓子としてのマシュマロのことを言います。
昨年の春ぐらいからでしょうか・・・"ギモーヴ"に徐々にスポットライトが浴びせらせてきたように思います。(確か、帝国ホテル「ガルガンチュア」のギモーヴが雑誌に取り上げられていたのを覚えています。)でもここ山形では、現在もそんなに"ギモーヴ"を見かけることは少ないように思うのですが・・・
"マシュマロ"というとアメリカを連想してしまいますが、"ギモーヴ"は、フランス菓子の世界ではとても庶民的なお菓子として位置付けられており、フランス人にはとても馴染みの深いものです。(ある意味"マカロン"よりもポピュラーかも・・・?)
もともと私はマシュマロがあんまり好きじゃないので、初めてギモーヴを頂くときも正直そんなに期待はしていなかったんです。
でも、"ギモーヴ"と"マシュマロ"は明らかに違っていました。
フランス菓子のパティシエが作る"ギモーヴ"は、私たちがずっと前から食べ慣れている、モチモチとしたはじけるような弾力が際立つ"マシュマロ"とは、確実に別物でした。ギモーヴは主に、果汁やピューレを入れて作られているので、とてもフルーティな風味が特徴です。すべてのギモーヴに言えることではないのですが、ギモーヴはマシュマロとは違って、一般的に人工的な風味や卵白(メレンゲ)を使用せずに作られています。ほとんどのギモーヴは、卵白を使用せずゼラチンを使うことで、よりギモーヴ独特の「とろけるようなもっちり感」が増すことになります。ギモーヴを口に入れるとフワっとした食感とともにとろける感触が味わえるのも、ゼラチンを使っているからこその効果なんですね。ギモーヴのふんわりやわらかな口当たりと、なめらかな口どけ、中にはクリーミーな旨みが隠れてます。一番の違いは何と言っても「口どけ」。口の中での"ほどけかた"が、"ギモーヴ"と"マシュマロ"では全く違います。"ギモーヴ"の口どけは、フレッシュで瑞々しい感じを与えてくれます。
一般に、マシュマロのことをフランス語で"Guimauve(ギモーヴ)"、という認識が通常になっていますが、
ホントは私、どうしても「ギモーヴ」と「マシュマロ」は違う!と、声を大きくして言いたいんです!
「お菓子」という同じカテゴリーにあるとしても、このふたつは全く別物・・・
「ギモーヴ」という伝統あるフランス菓子・・・マシュマロと一緒に括ってほしくなーいっ
な~んて、あんまり言っちゃうとマシュマロとマシュマロ派の人に怒られちゃいますね・・・
フレーバーもとてもバラエティに富んでいて、カシス、ライム、バニラ、ミントなどいろいろあります。今日私が買ったのは「フランボワーズ(=ラズベリー)」。(私はフランボワーズが大好きです!)ピンクがかった薄紫色がとてもキレイです。ほかのフレーバーの色もライトなパステルカラーが軽やかな美しさを放っていて、選ぶのが楽しくなりそうです。
また、形も実にアーティスティックで、四角くカットしてされていることもあるし(お化粧用のパフみたい!)、長い棒状のものを三つ編みにしたり、そのまま一口大にカットされていたりとホントにいろいろです。詰め合わせをすることで、「宝石箱」のようにデコレーションしても面白いですし、ショーウィンドウでは何かをテーマにした創作アート的にディスプレイされることもよくあります。
お菓子の美味しさや楽しさとは別の「芸術性」の面でも、"ギモーヴ"は私たちを大いに楽しませてくれる側面を持っていると思います。
早速、フランボワーズの"ギモーヴ"を頂きました。パティシエの「職人気質」が感じられる、丁寧に作られた逸品でした。ふんわり軽くて、心地よい口どけ・・・程よくしっとりとした質感、出過ぎず、引き過ぎず、佇まいの美しさを思わせるキレイなお味でした。おいしかった
ギモーヴの存在を知ってからは、ギモーヴの魅力にすっかりハマッてしまった私です・・・
フランス贔屓の私としては、ギモーヴのようなフランス人にとってポピュラーなお菓子が、もっともっと日本人の生活に馴染んでくれたらうれしいな~って思います。
今夜のコーヒー・タイムは、ちょっとお洒落に、ギモーヴを「マイセン」のワイングラスに入れて演出してみました。このグラスは、私がワインアドバイザーの試験に合格したときに、叔母がお祝いにとくれたものです。
大切なグラスに小粋なデセール(デザート)・・・幸せな気持ちで今日も一日終われそうです・・・
Amities, Julie