|
カテゴリ:カテゴリ未分類
間断の音なき空に星花火 海童
"海童"という名をご存知でしょうか? 「なめたらいかんぜよ!」の名台詞で有名(?)な女優、故夏目雅子さんの俳号(俳諧の作者として用いる称号)です。"東京俳句倶楽部"所属。とても美しく、"正統派美人"の女優として、「鬼龍院花子の生涯」をはじめとする数多くの映画や舞台で活躍しました。私の大好きな女優さんです。すでにご承知の通り、彼女は23年前、白血病により27歳という若さで他界しました。 掲句は、彼女が亡くなる40日前の作品です。 彼女は、のちの夫となる作家の伊集院静氏に俳句の手ほどきを受け、自由律俳句の尾崎放哉や種田山頭火に私淑しました。彼女は亡くなる前の年に伊集院氏と結婚しており、その結婚生活は1年にも満たない、あまりにも短いものでした。 打ち上げられる華やかな花火の絶え間に存在する静寂の夜空。そこに瞬く無数の星たち。最後まで彼女に病名が告げられることはありませんでしたが、彼女の胸の内にある命のへの慈しみが、掲句を通して垣間見える思いがするのです。 風鈴よ自分で揺れて踊ってみたまえ 行く夏や遥かなる雲湧きやまず (伊集院氏との結婚が決まって) あの人を鳥引く群れが連れて行く 好きなもの - 冬、白、ひまわり、スパゲティ。好きな言葉 - 「一期一会」・・・ 天真爛漫。気性の激しさと細やかな心遣い。そしてスクリーンを通して見せる凛とした姿。「大女優になるより、人間として潔く生きたい。」と、常々彼女は語っていたといいます。 "海童" - 夏目雅子は、今も眩しく、全く色褪せることなく私の心に残っています。 Amities, Julie お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|