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「正式名称は<ソウダッカ教>。大阪では結構信者がいてるよ」
「・・・・・・」 何を言っているんだろう? 船場さん。 「まだ、分かりまへんか? 大阪弁の<そうだっか>やがな。あはははは。標準語やったら、<そうですか>やけど、それでは味がない。やっぱり<そうだっか>」 「何でそれが宗教なのかしら」 節子さんが聞いた。 「宗教ちゅうもんは、人の心を救うもんですやろ。大阪弁の<そうだっか>は人をぎょうさん助けるんや」 「・・・・・・」 「相手がなんか難しいこと言うたら<そうだっかァ>と驚いてみせたらいい。 相手は自分のいいたいことが通じた思て喜んでくれる。 金貸しくれ言うてきたら、声を落として<そうだっかァ…>と言うてあげるんや。 相手は同情してくれたと思てくれるし、金がない、と言うてることも伝わるワナ。 これが<駄目!>て言うたらケンが立つわなあ・・・・・・。 ほかにもいろんなところで<そうだっか>の効用はありま。 アンタも信者になりまへんか」 「お布施はいるのですか」 と、壬生さんが話しに乗る。 「カワイイコォがいてたらええんや。女の子は存在そのものがお布施やがな。こっちから拝んだげまっせ。何でも言うこと聞きまっせ」 「そしたら、一つお願い」 シホが珍しく発言した。 「はいはい、なんでっしゃろ?」 「しばらく静かにしてくださらない?」 「あ、そうダッカ。任しておくれなはれ」 と、船場は口にチャックする仕草をして、かしこまったふりを装った。 面白い男だ。いっぱい喋るが、相手が気に入らないことはしない。 衝突をさけるよう腐心しているようにも思える。 今夜は、木瀬さんだけでなく、参加者全員で料理支度。 バーベキューのための材料を刻んだり、食器や道具を運んだ(つづく)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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