レアストーン
今日の更新は石友TakaCさんの記事に触発されて書いてみたくなりましたw大本は「世界のレアストーン図鑑」(柏書店松原発行)という本です。この本はレアストーン系コレクターの方だと少なからず耳にする本で、石友さんの間では結構な所有率でもある、ある種バイブル的な存在でもあります。世間一般で言う「レアストーン」の括りのさらに深いところまで掘り進んでる、かなりレア度の高い石が載ってる本です。当然私も発刊時即効で買いましたw(2008年夏ごろ)一つだけ残念なのは石の写真が小さいのでいわゆる「宝石図鑑」とは少し趣が違いますが、データ的なものはかなり網羅されてますので辞典としては優秀。ただし8年も前の図鑑でもあり、誤植も多少見受けられたり、今となっては古い情報が記載されている部分もあるので、情報を鵜呑みにはしないように注意が必要ですね。数点食指が動かない石があったり、見たこともないという石もあるのでコンプリートとは行ってませんが、9割は所持してる状態ですね購入当時は半分くらいは持ってるなー程度でしたwさてこの本の中で宝石の分類があり、この本では宝石業界で言われる大分類「貴石」「半貴石」という呼称を一切使ってませんさらに細かく分類を試みており、綺麗な宝石「ジェムストーン」見た目いまいちな「ニアジェムストーン」宝飾・宝石素材として十分な「ジェム」産出も安定した「ファインジェム」希少産「レアストーン」希少産だが硬度などの問題で宝飾向きではない「コレクターストーン」コレクターストーンのうち例外的に耐久性を備えた「コレクタージェムストーン」という感じの分類まぁこういう分類は人・業者などで呼び方も認識も変わるのでなんともいえませんがwさて今回の更新の主役は上記の分類で言うと「コレクターストーン」にあてはまる部分私は皆知ってのとおりキャッツアイ蒐集をメインにしてるけど、あらかた有名どころは持ってしまってるため、レアストーンに目をむけざるを得ない部分が多くある状態で、キャッツアイではない通常ルースのレアストーンも多々購入しています。そこで今回の更新の趣旨上記コレクターストーンの中でもさらにレアな、それこそ探してもそうは滅多に見つけれない超絶レアな石を図鑑形式で一同に集めてみようと思います。あえて名づけるなら「マニアストーン」とでもしておきますかw早速行ってみましょう~カーレトナイト0.13ctカナダ・ケベック州・モン・サンチラール産Carletonite(和名:カーレントン石)珪酸塩鉱物・正方晶系KNa4Ca4Si8O18(CO3)4(OH,F)・H2O硬度:4-4.5晶癖:立方体・他比重:2.45条痕:白色劈開:一方向に完全断口:貝殻状光沢:ガラス光沢屈折率:1.521-1.517発見年:1971年モンサンチラールからしか産出しないレアストーンな上に、硬度も低いし劈開も・・・という鉱物そのためにカットルースは皆無に近いほどな激レアな逸品鉱物標本でもそうは簡単に見なくなった石の一つカメレライト(菫泥石) 0.03ct トルコ産Kammererite(和名:菫泥石)またはChromian Clinochlore(クロムクリノクロア)珪酸塩鉱物(フィロ珪酸塩)・単斜晶系Mg5[(Al,Cr)2Si3O10](OH)8硬度:2-2.5晶癖:毛線状・偽六角板・偽斜方柱状比重:2.55-2.75条痕:白色劈開:完全断口:不平坦光沢:真珠光沢屈折率:-発見年:1840年驚くべきは硬度2~2.5と和名にもあるようにまさに泥と表現されていることからも分かるように非常に柔らかくこれをカット石になってることがすでに奇跡探してもそうは見つからない超絶レアストーンといえるでしょうプルンボガマイト0.04ct中国産Plumbogummite(和名:鉛ゴム石)PbAl3(PO4)2(OH)5・H2O燐酸塩鉱物硬度:4.0-5.0晶癖:三方晶系比重:4.014条痕:白色劈開:なし断口:不規則光沢:樹脂光沢屈折率:1.653-1.688発見年:1819年命名年:1832年主な色:青、緑、灰色、黄色結晶が少ないためルースに出来る素材そのものが少なく、カットルースは相当にレアになってくるであろう小さいながらも非常に目を引く蒼い石鉱物標本としては不透明な青い石で、黄色のミメット鉱の仮晶として全体をプルンちゃんが覆っているものが去年話題になってましたルースとしては滅多に無い為「プルンボガマイト」(又はプランボガマイト)で検索しても、ほとんど情報がえられないが、鉱物標本としては人気があるため和名の鉛ゴム石で検索した方が情報が出るもしくは英語得意なら英名で検索するかですねwビシネバイト0.10ctKurochkin Log.Vishnevve Mts,Russia産Vishnevite(和名:ビシネフ石)(Na,Ca,K)6(Si,Al)12O24{(SO4),(CO3),Cl2}2-4・n(H2O)珪酸塩鉱物(テクト珪酸塩)硬度:5.0-6.0晶癖:六方晶系?比重:2.37条痕:白色劈開:1方向に完全断口:不均一光沢:真珠光沢屈折率:1.488-1.495発見年:1931年主な色:無色、黄色、薄青、薄灰色などビシネバイトはあまり聞かない名ですがその正体はカンクリナイト(灰霰石)というこちらも相当な希少石の変種となり、カンクリナイトの組成Na6Ca2Al6Si624(CO3)2のCO3がSO4に置換したものとなり凄まじくレアな一品比重と屈折と複屈折のみカンクリナイトと異なるそうですが、他の特性はカンクリナイトと同じ恐らくはカットルースは相当に数が少ないと思われます。パイロモロファイト0.20ct中国産Pyromorphite(和名:緑鉛鉱)Pb5(PO4)3Cl燐酸塩鉱物硬度:3.5-4.0晶癖:六方晶系/柱状比重:7.04条痕:白色劈開:無し断口:不規則光沢:亜金剛光沢~樹脂光沢屈折率:2.048-2.058発見年:1784年命名年:1813年主な色:緑、茶色、黄色、橙色パイロモファイトやパイロモーファイトなどとカナ表記されもしますね名前の由来は、ギリシャ語で「火」の意味のpyr と、「形」という意味の morphe から名づけられました。日本では宮城県池月鉱山、岐阜県神岡鉱山から産出した記録が残っています。中国から産出される特徴として柱状結晶の真ん中が太くまるで樽の様な形で色は通常緑、または黄色、オレンジ、そして茶色の場合もあるようです。これも鉱物標本としては人気なので鉱物としてはそこまでレアな石ではないですが、ことカットルースとなると滅多に見ることがない石になるかと思います。バスタマイト0.47ctNorth Mine,Broken Hill,Australia産Bustamite(和名:バスタム石)(Mn,Ca)3Si3O9珪酸塩鉱物(イノ珪酸塩)硬度:5.5-6.0晶癖:三斜晶系比重:3.32-3.44条痕:白色劈開:完璧断口:不明光沢:ガラス光沢屈折率:1.640-1.695発見年:1997年主な色:ピンク色産状としては繊維状の集合塊がほとんどで、基本的には不透明なピンク色の艶のある石で、パワストとしてはそれなりに流通もしている石。ただし今回のものは単結晶のカットルースであり、とんでもなくへき開が強くケースに入れてる状態でさえあたりどころが悪いとその衝撃で割れるほどの脆さ。単結晶の鉱物標本でさえほぼお目にかかれないうえに、そのカットされたルースとなると、もはや世界に何個あるか というレベルの希少なルースになってくるさてさて今回はこのあたりにしてまた次回にしましょうw