米ラスベガスのT-モバイル・アリーナで5日(日本時間)行われたボクシングスーパーバンタム級4団体タイトルマッチは、統一王者の井上尚弥(大橋)が挑戦者のWBA1位ラモン・カルデナス(米)を8回45秒TKOで制して王座を守りました。

怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ [ 森合 正範 ]
当日は外出していたためリアルタイムで一部しか視聴できませんでした。3R回途中から見ると、井上はこれまでよりスピードがなく、やや疲れているようでした。2Rにダウンを奪われていたのですね。
アマプラで試合を数回見直しました。私M-65の素人採点でも、ダウンした2Rを除き、ジャッジ3人と同じで10-9で井上が取っていました。
今回の試合で、井上衰え説が一部で出ていますが、私はそうは思いません。ダウンを喫することになった、相手の左フックは、あの角度だったら右のガードを上げていても当たったと思います。井上アンチとされる米記者が「ガラスのあご」などという記事を書いていますが、打たれ弱いわけではないから立ち上がり、続く3Rを僅差で制したのだと思います。
ただし、あのパンチは、来年5月に激突するとされる、WBCバンタム級王者・中谷潤人も得意としています。
井上の試合当日のコンディションは、あまりよくなかったのかなと思いました。手数は多かったけれど、ジャブのキレはいま一つ。フットワーク、前後の動きに鋭さがなかったように見えました。
懸念されるのは、試合頻度です。現代ボクシングでは、世界戦は年2回くらいがいいのではないでしょうか。井上は1年間に4試合を予定しています。試合の間隔を空けて、休息を取って体のケアに努めてもらいたいと思うのですが。
次戦は9月に名古屋でWBA暫定王者ムロジョン・アフマダリエフとの対戦が予定されているということです。彼もフィジカルが強く、左右のフックを振れる選手なので、井上が好調であってもスリリングな展開になるかもしれません。