ウチ的三笠フーズの事故米転用問題
昨日の日記はネット上に点在する情報の整理でもあり、飛び交うデマに踊らされないようにするための楔だった。9月5日、TVで報じられた事故米転用のニュースはまさに寝耳に水。 メタミドホス! アフラトキシン! 毒? せんべい? 焼酎? えーっ、なんだぁ~?以前、人伝に聞いた輸入米の事を思い出しながら、6日の朝に日記を揚げた....米が余ってると言いながら、外国産米を輸入し続ける日本。ウルグアイ・ラウンドとは罪なことを.... 事故米ねぇ....、なんだかなぁ....まずは事故米とやらの存在....遠方から、船乗って熱帯を通ってやってくるわけだから、そりゃ、カビも生えるだろう....農薬も環境ホルモンもあるだろう....だけど、そんなヤバイ事故米が身近に存在してたことにびっくり!工業用のりって、あれか、学校で使ってるやつとかか!しかも、口に入る? 信じられない!時間の経過とともにほんの少しずつ出てくる情報は公式発表というよりも単独取材やリークだったり....わからない、わからないことが何より怖い。わからないから、人は自分の知識・経験内で勝手に想像し、わからないから、それらしく言われると迂闊にも信じてしまう。デマゴーグ、風評の始まり.... いかぁ~ん!このままじゃ....かといって、生半可な話じゃ自分自身でも事実誤認を起こしそう。とにかく、聞こう....、当事者に!九州の焼酎と名指しされてる状態だ。しかも、外国産のインディカ米が対象となれば、即、芋焼酎に結びつく。ことは特定の業者だけの問題ではなくなる....ならば、酒造組合だろう....だけど、南日本新聞に出た本坊会長の言葉がひっかかる。 「農水省が指摘した県内の3社を 具体的に把握してないので対応のしようがない。 業界全体に響くので早くはっきりしてほしい。 (商品の)回収という考え方もあると思うが、 それは該当する社が独自に判断することだ。 」商品の回収? そんなレベルではなくなるかもしれないのに....今回の事態に対して、組合はどういう立場でどういう姿勢で臨むつもりなのか....それが聞きたかった、しかし....電話は通じた。人もいた。だが、明日、人が出てきてから打ち合わせるような形になると思う、では....どうやら、組合組織というものに幻想を抱いていたようだ。考えてみれば、組合のメインの方たちは当然みな蔵元さんばかりでそれぞれの蔵での陣頭指揮が必要な状態だからと仮に納得してみる。では、記事にした新聞社はどうか。問い合わせ窓口に電話して、何が知りたいのか伝える。一消費者、一読者として、どうしてほしいのか言葉にする。 「とりあえず、安全だと言った蔵元名は明かしてもらいたい.... でも、それは犯人の燻り出しのような状態になり、 芋焼酎界、ひいては鹿児島そのもののイメージダウンにもつながって、 決して、いい方向には進まないような気がする。 できれば、この事故米騒動に巻き込まれたところは自主的に名乗ってほしい」 「本当は自分で知りたいし、いろんなところで話を聞きたい。 だけど、個人には限界があって、 そこに切り込めるのはジャーナリズムの方たちだけだ」東北に住む芋焼酎が好きなヒッキー主婦は自分の傲慢な態度も、生意気な言い草も省みることなく、一気にまくし立てた。危機感を募らせてるのは何より、薩摩の人たちだろうに....馳せる思いはどこまで走るのだろう。妙な焦りに追われながら、調べてるうちに、思う。 杜氏と呼ばれるお米のプロは事故米の存在に気づかなかったのだろうか....明日はプロ中のプロ、河内源一郎商店さんに聞いてみようと決意した。それが、日曜日の夜。明けて、月曜日の朝。南日本新聞さんの記事に面食らった。まさか、西さんが....西酒造といえば、かなり前に「誉蔵(ほまれくら)」のことで問い合わせた時に、30分以上もお相手していただいたことがある。「ちびちび」の件やら、添加物の話までしたのだ。売り方の方法論は間違えちゃったかもしれないけど、芋焼酎の味の可能性だけを考えると、自分としてはありだろうと思ってる。バニラスティックでも1本入れて、リキュールとして出せばよかったのに....とかね。銘柄は「薩摩宝山」....DSや量販店、コンビ二ルートの商品。大量生産品として大きく流通させる銘柄だ。実験施設のような工場で、科学的・合理的造りを進めてるはずの西さんがなぜ?そこまで、米が足りない状態があったのか!単に安いからという理由で使ったとは思えなかった。この疑問は河内源一郎商店さんに話を聞くことで理解できた。蔵人は事故米の存在に気づくことはなかったのか?普通は気づく、しかし、あくまでも、普通の状態ならばだ。製麹過程で変色なり、異臭なり、違和感があろう。しかし、三笠フーズの仕掛けは巧妙だった。洗浄したり、精米したりと、見かけをごまかした上に、正常な米に紛れ込ませ、破砕米にしたり、粉末にしたり....「これは正規品である」というひとつの嘘を貫くために、どんどん細工が重ねられたわけだ。酒屋の免許取得にあった規制の枠がはずれ、急激に市場が芋焼酎を欲した部分も影響したかもしれない。需要に応えるべく、増石を図り、そのために用意してあった原料では足りない事態が起きる....容易に想像できはしまいか。ブームのさなか、各蔵付きの芋の仲買人は奔走し、それでも、足りなくて、他所から調達することを余儀なくされた。早くから、売出しを仕掛けた某蔵元の動きは芋の流通を完全に阻害した。米に関しても似たようなことがあったのではないか....人はブームに乗って、情報に踊って、限りあるものを欲しがった。だけど、ただの流行で終わらないものが芋焼酎にはあった。それだけ、いろんな意味で魅力的だったのだ。初めて飲んだ芋焼酎は「臭い」イメージを覆す衝撃があった。ウチは千鶴だったけど、皆それぞれに感動した銘柄があると思う。ブームのスタートがどこだったのかはウチは知らない。だけど、仕掛けがどこにあろうと、多くの人が感動の芋初体験をしたんだろうな。だって、本当に楽しかったから、焼酎集め!食玩のコンプリートを目指す大人となんら変わりない。もともとが地元消費が主流の期間限定仕込みの芋焼酎を大都市圏を中心に全国の人たちが欲しがったのだ。中小の蔵で、いきなりの需要過多に当然、間に合うわけはない。出せば売れるの時代....市場の欲で生まれ育つプレミア焼酎....ラベル替えも欲の必然。糖類添加も香料添加も欲の必然。だが、今回の欲は「悪」なのだ。毒だとわかってて、ばらまいたのだ。それを事故米なんぞというスマートな言葉で流通させたのは誰....詐欺だ、テロだと被害者になるのはたやすい。明確な実行犯を処分するのもたやすい。が、責任の所在をどこに求めるのかは....あらゆる事象には原因がある。ウルグアイラウンドで最低量の輸入義務に合意せざるをえなかった背景があり、この国際社会では仕方のないことかもしれない。ただ、その取り決めに毒の輸入はなかったはずなのだ。輸入米のハードルをいくら高くしたところで、「事故」とか言う言葉にすりかえて「毒」に上陸許可を与えている現状。そして、こういうとき被害者を名乗るものは「知らなかった」ことを盾にし、「正義」の刀を振り回してみるが....農水省が三笠フーズに賠償を求める? はぁ~?鹿児島酒造組合が組合から買った米に限定して安全証明を出す? ぬるいよ!FAX紙一枚で自分のところを安心しろ? 皆に通用するわけない....西酒造が薩摩宝山だけだという。....西さんのスタイルではそうだろうな。鹿児島酒造がサンプル破棄の件....黒瀬さんなら、さもありなん。そして、昔から契約栽培の農家さんだけと仰ってた中村社長も鑑平会にあわせた造りはできないと説明してくれたた大和桜の若松社長も白玉米復興に時間と労力を割く侍士の会も、ウチは皆、信じている。この事件はたぶん、もっと拡大する。一昨日、農水省に聞いたのは国産米にまぜて流通させた可能性についてだった。その段階の答えは「輸入米の流通として捉えており、その解明を急いでる状態で、 国産米に混入したという前提がない」前提がないということはその前提が崩れるのは帳簿の数字がつじつまあった後....これは単に農水省の問題ではなく、外務省、厚生労働省、国税庁、環境省、文部省....ともっと外輪を広げるやもしれぬ。焼酎粕として処分されたものについてもまだまだ....返品、回収された品に関する税金の扱いもわからん。工場のりとして、毒成分を身近に置くこと、まだ、どこも言及していない。毒成分の基準設定の科学的根拠と解毒の方法も出てこない。それでも、主婦は毎日、家族のために飯を作る。自分の目で見て、聞いて、買い物をして、飯を作る。旦那のために酒を選び、子供のために菓子を買う。たまに外食はちょっと贅沢なしあわせなのだ。そういう日常....それが日常....久しぶりの長文に少し、疲れた気がする。まだ、解決の目処はたってないのに....