馬回想 ~ほんの昔のお話~
言ってはなんだが馬はかつてそこそこおヒット数を集めるブロガーだった。今日はその昔馬が個人的に書いていた沢山の記事の中から当店 会長である ヒロシ のとある日の出来事を書き綴った記事をここに転写したいと思う。ちなみにこの記事数千にも及ぶ記事の中でもトップクラスのヒット数だったということと嘘偽りのない 完全なる実話 パーフェクトノンフィクションだという事だけは先に伝えておこうと思う。。。。タイトル『還暦を越えてからが男は本当のリングに上がる』そう『八墓村』はかつて言っていた。 時間は草木も眠る丑三つ時。当本店前の原っぱで数人のガキどもが何やらたむろして悪さをしている気配在り。事実数日前その原っぱにて夜中に盗んできた『消火器』をぶっ放し地主が警察に通報するという事件が起きていた。 本店店内のブラインド右隅から鋭く光る眼光。その眼光はそのガキどもの動きを逐一見逃さない。原っぱに綺麗に並べられた『消火器』その数15本。通り沿いのブロック塀に一人のガキがほ潜み車やバイクのヘッドライトが見えると原っぱ奥にいる残党に『隠れろ』の指示を出す。 綿密に計算された集団行動のなれの果てが『消火器を15本連続でぶっ放す』という意味不明な行動なのはガキ故に仕方ないとして。その原っぱは当店がイベントなどの際に駐車場としてお借りしたりと何かと融通をきかせてもらっている原っぱ。しかも先日通報したその地主は80歳を越えたじいちゃん。そのじいちゃんが吠えたところで昨今の警察事情。やつらが本気で動くはずもない。そういった諸々の事情を汲んでいることを誰よりも知っている男。ブラインドの片隅からそのガキどもの動き一つ一つを把握しどこにどの位置にガキどもが配置されているか?を冷静に分析しつつ今にも怒りではち切れそうな思いを胸に玄関に立てかけてある木刀に手を伸ばしたその男は後日こう言った。 『うちの店に何かあってからじゃ遅いからよ』正直あの原っぱで消火器をぶっ放したところで当店に被害はない。私は知っている。単に彼は『イライラ』していたのだ。ゆっくりと玄関を開け木刀を強く握る右手には力がみなぎる。ガキどもの動きはすべて把握済みである。更には一番最初に『どのガキを滅するか?』も計算済み。その全ての方程式と自身の中に湧き上がる怒り。そして数十年ぶりに蘇る『闘う』という事へのモチベーション。 それらの全てが己の中でMAXポイントで融合したその瞬間。スウェット姿に『PALO』(たぶんPOLOのばちもの)と大きく書いてあるジャンパーを羽織ったその男は怒号と共に走り出す。 『なにやってんだっ!!おら~~~~~~っ!!』 右腕には再三書いてきた木刀。軽く禿げ上がった頭髪は風呂上りで乾きたてゆえにぽやぽや。その姿はもはや『八墓村』以外の何物でもない。 8人いたガキどもはそれもまた計算されたように3方向に逃げ出す。 だがその『八墓村』は当初からそれも計算済みである。 ブロック塀で支持を送っていたガキ一人に標準を合わせとてつもない瞬発力でそのガキい飛び掛かり木刀を一撃。 いや~~~~~っ!そう叫んだガキは恐らくだが捕まってしまった事よりこの正体不明の『八墓村』に人生史上最強の恐怖を抱いたのだろう。 『八墓村』はその後そのガキの襟首を振り回しながら叫ぶ 『なにやってんだっ!おらっ!!なにやってんだ~~~っ!』 ほどなくして近所の方が通報した警察が到着。『八墓村』はおとなしくそのガキの身柄を引き渡す。他のガキは取り逃がしたが聞けば『八墓村』が捕獲したガキはリーダー格。その後の調べでガキどもは中三の受験を控えたガキどもだったことまで判明。事情聴取の名のもと夜も白々とする中『八墓村』は警察との質疑応答に応じる。『じゃあお巡りさんあとは頼むよ』そう言って背中を向けると警察は『八墓村』に言った。 『ちょっと待ってください。この消火器どうするんですか?』警察も間抜けである。どっからどう見ても盗品である消火器15本を『ちょっと変わっている民間人』である『八墓村』に問いただしている。 やっと収まった怒りが再度爆発したのは言うまでもない。 『それを何とかするのがおたくらの仕事だろうがっ!!!!』 もっともである。 その後木刀で一撃見舞った事が問題になりかけたが犯人確保の大半を担った事を評価され事なきを得た。 こうして田舎の片隅にまた平穏な夜が戻ったのである。 ここだと思った時の決断力。怒りに任せた行動力。何事が起きても動じない精神力。どれをとっても『一流アスリート並み』である。 後日『そういう輩は後から何してくるかわからないから気をつけろ』と警告すると 『いや。むしろ反撃を待ってるよ。その時は一撃じゃ済まさないけどな』とさらりと言ってのけさらには 『1対1ならヤクザ以外なら負ける気がしねえ』とまで言って見せた。ここまで来ると馬鹿さ加減を通り越して尊敬に値する。 あの夜以来。毎日夜中の12時過ぎに行く犬の散歩には『大きめのスパナ』を携帯している『八墓村』。 もうほとんどの方がお気づきだろうがこの『八墓村』の正体は・・・・ 皆さんご存知の 父 ヒロシ 御年62歳である。今から8年前の 実話である。