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テーマ:家を建てたい!(9949)
カテゴリ:家づくりのアドバイス
以前、私の実家が家を建てるとき、両親は地元の工務店に頼むことにした。
「大手より、小さいところの方が小回りがきくだろうし」 といったのが背景にあったようである。 当時、私は『住宅メーカー』に勤めていたので、依頼する前に両親とともにその工務店が建てている建設現場を実際に見せてもらった。 木造なので、大工の腕がかなり影響する。 非常にきちんと仕事をしている大工さんであったので、 これなら大丈夫かな と思い、両親はその工務店に依頼することにした。 しばらくして、両親から 「図面が出来た」 と連絡をもらった。当時、私は親元を離れて一人暮らしをしていたので、構造計算書と一緒に図面を送ってもらった。 会社の休み時間に、みんなに 実家が家を建てるんですよ~! とその図面を見せていたら、構造部門の先輩が(研究所だったので部門によって仕事が分かれている)、 「構造計算があっているか見てあげるよ!」 と言ってくださったので、お言葉に甘えることにした。 すると、次の日に 「○○(私の名前)! これ、構造計算が違ってるぞ!」 えっつ!ウソでしょ! よく見ると、外壁の仕様が両親が希望していたものと全く違うもので計算されていて、 誰の家ですか?これは? という状態であった(ちなみに外観の形も違う家だった)。 渡された図面は、外壁は両親が希望していたものにはなっていたが、柱や梁などは、構造計算にもとづいたもので作られていて、先輩は 「この図面でこの外壁だったら、地震のときに危ない。特に1階の梁がこれだともたないよ!」 あわてて両親に電話をかけて、工事を一時ストップするよう連絡した。 驚く両親! 即座に工務店に話しを聞いたところによると 「構造計算は、構造計算専門の事務所にお願いして出している」 「(構造的に)弱いと思う箇所は、大工がその場で筋交いを入れるなどをするので、地震に弱いということはないようにしている」 とのことだった。 それじゃ、要するに現場合わせじゃないか!そんな一種の『勘』に頼ってていいのか!? 結局、不憫に思ってくれた先輩が、図面一式(構造図面も)書き直してくれて、 「これで建てないなら契約破棄する!」 と両親がその工務店に言い、こちらで引きなおした図面で建てることになった(ここまでいくのにものすごいエネルギーが必要だった)。 大工さんは、昔っからの職人気質のような人たちで、 「そんな計算した図面なんかより、自分達の経験の方が信頼がおける」 と思っていたようだったのだが(だから『構造図面』が違っていても問題ない、としていたんだろう)、実際にこちらで引いた図面をもとに施工したら 「今まで建てた家の中で一番強い。」 「2階にグランドピアノ置いても、大丈夫!」 「計算して出した図面なんて今まで信用していなかったけれど、ちゃんとしてるんだなぁ。」 と言っていた。 『構造計算偽造』のニュースを見るたびに、当時、周りも巻き込んで本当に大変だった家づくりのことを思い出す。 もし、家を建てられる方がいらっしゃったら、現場確認も大切ですが、『図面』チェックもきちんとされた方がいいです(そういった図面を確認できる人に一度見てもらうといいです)。 (参考):木造軸組の方 「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/12/02 04:39:29 PM
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