セロハンの性質を調べよう:: 浸透圧 ::浸透圧が関係している現象はたくさんあるのですが、その原理は教科書にはモデルでしか示されていないので、イメージしにくいかもしれません。 ☆ コンタクトレンズを真水に保存してはいけません →旅行したときなどに、コンタクトレンズのケースを忘れてコップに水を入れてレンズを保存し、翌朝悲惨なことになった経験はありませんか?(私はあります・・・)ソフトレンズの場合、水分(もちろん真水ではないです)を含んでいるのですが、レンズの外に出てしまうのを防ぐために専用の保存液に漬けます。「塩化ポリドロニウム」というのが主成分のようです。 ☆ 野菜を冷水につけてパリッとなるのはなぜ?反対に漬け物は? →レタスをパリッとさせるのと漬け物を作るのは全く逆の現象です。ヒトもそうですが、すべての生物は細胞からできていて、一つ一つの細胞が細胞膜という膜で作られています。この細胞膜は、大ざっぱに言うと「水は通すが砂糖は通さない」という半透性の性質を持っています。ですから濃度の異なる水溶液を半透膜で仕切った場合、「薄い方から水が濃い方に移動する」ことで同じ濃度になろうとします。水が移動するときに膜にかかる圧力のことを「浸透圧」といいます。 レタスの場合は、真水につけたことによって「レタス内の濃度>水」となり、水がレタスの細胞に入り込んでパリッとします。 漬け物の場合は、塩水または直接塩をかけたことによって「野菜内の濃度<外」となり、野菜の水分がしみ出てきて量(かさ)が減ります。 ♪セロハンの性質を調べよう♪ 【準備するもの】 セロハン3枚(大きさは適当) 糸 純水(精製水) 塩化ナトリウムNaCl 2g スクロース(ショ糖)C12H22O11 2g シャーレなどの皿 (1)セロハンを軽く純水で濡らして柔らかくし、巾着状に純水を入れて糸で縛る。これを3つ作る。 (2)(1)の1つにスクロース(ショ糖=砂糖)、1つに塩(塩化ナトリウム)をかける。残りの1つは何もしない。10分くらい放置する。 赤の薬包紙にスクロース、緑の薬包紙に塩化ナトリウムを使っています。 (3)3つをよく観察してみる。 スクロースをかけたものも、塩をかけたものも、水が出てきています。どこからでてきたのでしょうか? 一方何もしなかったもの。何の変化もありません。 水を入れたところから溢れてきたのではないことは一目瞭然です。セロハンはビニールと違い、水は通しますが砂糖は通さないという「半透性」です。塩や砂糖をかけたことによって、セロハンの外側の濃度を小さくしようと水がセロハンの膜を通して染み出て来たのです。 注意点:セロハンは扱いにくく、この実験は4人一組で行いました。本来は、砂糖水、塩水に浸すべきですが、変化がよくわかるようにダイレクトにふりかけました。調味料の砂糖・塩ではなく薬品としての塩化ナトリウム・スクロースを使ったのは、薬品庫に大量にあるからです(笑)生徒の反応は上々です。年によってはキュウリとジップロックを配り、塩を加えて浅漬けを作って水分が出てくることを確認しました。一袋だけ砂糖でも作り、同じように水分が出てくることを確認して食べさせました(爆)。実のところ、食品などは自腹切って準備するので、時期的にキュウリが高いことも・・・。今回の便利グッズは「カラー薬包紙」。他に青もあります。2gくらいだったら薬包紙に乗せて昔の薬屋さんみたいに包むのが前もって準備できるし、色で試薬の区別ができるので便利です。この薬包紙は何十年前から存在しているのかわからなくてかなりの年代物ですが、まだまだたっぷり在庫もあって重宝しています。なぜか、使用後の薬包紙で鶴を折る生徒が必ずいるんですが。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|